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今回は短いです。
告白やり直し編。
「………うん、そろそろかな。」
前世での出来事、そして今日の出来事、嫌なことばかりで疲弊していた心が、爽やかな風に流されていく様な穏やかな時間で癒された俺は、宮子を起こす事にした。
…なんか勿体無い気もするけどな。
「宮子〜?」
「んぅ………
「起きろ宮子〜…
「んぅ…?」
「………………キスするぞ?」
「んぅ〜……
いや、そこで寝ぼけたままキス顔になるな襲うぞ。
「…ちぅ…しないのぉ…?」
「〜っ!!ぐ…し、しない、ぞ?冗談だからな??」
「なんでぇ…?」
くそぅ……寝ぼけてるせいで舌足らずなのが余計に可愛い!首傾げてぽやっとした顔が最高過ぎて辛いッ!(色ボケ)
耐えろ、耐えるんだ。
俺の理性耐えろ。
…………と、ベターだが頭に天使と悪魔が現れる。
天使陸斗:キスは告白した後な?
今は我慢しとけ、気まずくなったらどうする。
悪魔陸斗:据え膳食わぬは男の恥!!
イケッ!イケーーッ!!
天使:あ?マジふざけんなよテメェ。後先考えろ。
悪魔:は?ヘタレか??ヘタレんのか???今やらないで何時やるよ。
天使:宮子が悲しむからヤメロ処すぞ。
悪魔:ファッ(消滅)
よし、理性が勝った。
「宮子、後でな?」
「なぁんだ…いましないのかぁ…さみしいなぁ………
天使:宮 子 が 寂 し が っ て る か ら や れ 。
おいコラ理性テメェ裏切ったな?
「だからぁ…ちゅ〜♪」
むしろ宮子の方からキスしてきた。
……頬にだけど。
「えへへ〜…ちぅしちゃったぁ………♪」
「…………………………。」
そのまま抱きつくな宮子。
襲うぞ。
「…………はぁ…。」
俺は暴れる本能(煩悩)を何とか落ち着かせてそのまま立ち上がり、宮子を背負う。
ア カ ン 。
母性がやわらかかかかかか
「りくく〜ん…にへぇ…♪」
「……………………………精神修行か?コレ。」
ここが公園じゃ無かったら負けてた。
ナニにって、ナニかにだよ。
あああ!!頬を擦り寄せるな!!
何とか気合いと根性で観覧車に向かって歩き出した俺。
列に並んだ辺りでやっと宮子は目を覚ました。
「はっ…!寝てた!?」
「おはよう宮子。」
「あわわっ!?ごめんね陸くん!!」
「いや、気にするな。」
起きた宮子を背中から下ろし、手を繋いで順番を待つ。
「うぅ…恥ずかしぃ………お顔があっつぃ………
「あまり気にするなよ?今更だ。」
「そうだけどぉ〜…
「俺達は何年幼馴染みやってると思ってんだよ。」
「そうだけどぉ〜っ!!」
涙目でポカポカと叩いてくる宮子。
リアルでそんな事する奴おるぅ…?可愛すぎる………
「ははは、そんな事をしても可愛いだけだぞ宮子。」
「陸くーん!?」
顔を真っ赤にして照れ怒る宮子が可愛い!!
「宮子。」
「なによぅ…!」
「好き。」
「~っ!!」
傍から見たら間違いなくバカップルだろうな。
頭の中の冷静な部分でそう思いながらも、自分達の番が来たので観覧車に乗り込んだ。
最初は俺にからかわれたせいで不機嫌だった宮子は、外の景色を見て直ぐに機嫌を直した。
「わぁ〜…小さい時と景色は変わらないねぇ〜?」
「…そうだな。」
とは言え、これは陸斗としての記憶だ。
確かに今は俺が陸斗ではあるが、なんだか少しだけ他人事の様にも感じる。
陸斗としての俺が主人格であり、前世は記録程度、のはずなんだがな。
だが、それはそれとして眺める景色は素晴らしい。
陽光が海に反射してキラキラと輝く様は圧巻、の一言。
だけどコレはたまに見るからこそ感動出来るのだろうな、とか冷めた思考もある。
そんな思考を頭から追い出して俺は本来の目的である告白のやり直しをする為に思考を切り替える。
………とは言えコレはやり直しの告白。
告白自体は1度成功してる様なものだから必ず成功するのが分かってる。
が、それでも緊張はする。
宮子は宮子で告白を受け入れた上でのやり直しを要求した側だからか期待でワクワクした顔をしている。
アクセサリーかなんかを用意しておけばよかっただろうか…?
ってもそんな時間は無かったしな……
直球勝負だな。
俺は深呼吸をひとつすると、丁度真上に差し掛かったタイミングで切り出した。
「宮子。」
「なにかな陸くん。」
「……好きだ。
昔からずっと、俺の隣に居た宮子を、いつから異性として見ていたのかはもう思い出せないけれど。
それでも、俺は宮子と幼馴染みのままは嫌だ、と思った。
だから、これからは、俺の彼女として、結婚を前提に付き合って下さい…!!」
「………うん♪
うん………よろしく…!
今日から…今から……わたしは陸くんの彼女さんだよ♪」
「……………。」
なんだろ。
宮子からの要求である以上、成功確定なのは分かっていたけど、それでもなんだか胸にクるものがある。
おもわず宮子を抱きしめると、宮子も俺の背中に腕を回して抱きしめ返してくれる。
「ありがとう。
これからよろしくな?宮子。」
「うんっ♡」
こうして、俺は改めて宮子と恋人同士になった。