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3(閲覧注意:【精神崩壊】【不快な表現】【ヤンデレ化】)

◤◢◤◢WARNING!◤◢◤◢◤◢

今回の話は精神崩壊表現

不快な表現

ヤンデレ化

人によっては嫌悪感を抱く言動

があります、苦手な方はこのまま次の話へお進み下さい。

◤◢◤◢WARNING!◤◢◤◢◤◢

…陸くん、そろそろ起きようか?」


「ん…?あふ……おはよ…宮子。」


「おはよう陸くん♪」


「宮子の膝枕……まだ夢の中だな。

起きないと…………早く………現実に戻らないと………死なないと……


「陸くん…?」


「ありがとう、宮子…最期にいい夢を見れたよ………じゃあな…………



あれ…?フェンスの穴が無い………



「これじゃあ死ねない………そうだ……もう………窓からでもいいや…………死なないと………死なないと……………死にたい…………死のう…………死なないと………


「陸……くん………?」


「ああ…………早く…………消えてくれよ………幸せな幻覚は余計に惨めになる………宮子(幸せな幻覚)は消えてくれ………


「幸せな…幻覚…?何を言ってるの陸くん。」



ああ、可愛いな。やっぱり宮子は可愛い。

あんな幼馴染みとは全く違う。



「お前は俺の妄想が作り出した幻だろう?

俺の幼馴染みが、宮子みたいな可愛いくて優しくて甘くて柔らかくて最高の女の子のはずがない…………

宮子みたいな人格者なんかじゃない………



だから早く死なないと…………夢はもう充分。



「…………。」


「陸くん!!」



俺は駆け出して急いで下の階の廊下を目指しー



「死なないと…!」



窓から飛びー



「ばかぁぁぁっ!!」


「…?」



出せなかった……?

何かがしがみついていて足枷となり、窓枠を乗り越えられなかった。



「ばかばかばか!!なんでいきなり死のうとするの!?

よく分からないことを言ってたし!!

こんな所(13階)から飛び降りたら死んじゃうよ!?

やっぱり今日はおかしいよ陸くん!!

もう帰ろう!?帰って休もう!?ねっ!?」


「何言ってんだ……?俺は……死なないと。」


「目を!さましなさぁぁいっ!!」


バチーン!!


「っ!?」


痛…い…?

宮子に、ビンタされたのか…?俺は………


「話しなさいっ!!全部!!!あなたが今日見た悪夢の内容を!!!」


「宮…子…?」


「確かに今の陸くんは!現実が見えてない!!

こっちが現実だよ?わたしはここに居る。

わたしがあなたの幼馴染み。

それのどこがおかしいの!?」


「…………。」


「帰るよ、陸くん。」


「………………。」



呆然とする俺を、怒りのオーラを纏った宮子が手を引いて連れていく。


職員室に駆け込んだ宮子は、担任の先生に『陸くんの様子がおかしいから早退します』と告げ、

それを聞いた先生が、普段は真面目な生徒である俺が心ここに在らずな状態なのを一瞥いちべつして納得し、早退許可を発行。


付き添いの宮子にも補導対策用の早退許可証を発行して持たせた先生が『お大事に』と告げるやいなや、

教室に立ち寄って鞄を回収し、

そのまま帰宅。


クラスメイト達は呆然とする俺を真剣な顔をした宮子が手を引いていく異様な光景にザワザワしていた。



「………何してんだ?兄さんと宮子は。」


















「陸くん!!」


「………。」



そして、家に着くなり宮子は俺の両肩を掴んで詰め寄ってきた。



「全然大丈夫じゃないよね!?

朝から何度も言ってるけどやっぱりおかしいよ!!」


「俺は………



頭がボーッとする。まともに思考出来ない。

死にたくて死にたくてたまらない。

……………本当に?


「…………宮子。」



待て、何かがおかしい。

心が警告を発する


本 当 に 死 ぬ べ き な の か ?


……………思考が、のまれてないか?

前世に引きずられていないか…?

前世?前世ってなんだ??

俺は誰だ?ーーじゃない。

俺はもうーーじゃない。

俺は陸斗。

佐倉陸斗。


目の前に居るのは誰だ??

誰だ…………誰だ誰だ誰だ………!?

ダ レ ダ ?



頭が痛い

吐き気がする

目眩が動悸が腹痛が


誰だ誰だ誰だ誰だ誰だ誰だ誰だ

違う

そうだ


いや



目の前に居るのは………

いまおれを今俺をみつめて見詰めているのはー











宮子だ。


宮子だ。


篠森宮子だ。



俺の幼馴染みは篠森宮子だ。ーーじゃない。










宮子…………宮子…………宮子……!!







あ、だめだ………………しこう………………が…………


あ……た……………///ま…………



かなはさぁー?、!、?。!



























宮子ぉ…………俺の幼馴染みは宮子だけだぁ……宮子だけが俺の味方だ…………宮子………宮子…………なぁ、俺の宮子………………



違う



宮子は(キャラクター)じゃない人間だ




違う………宮子はここに実在する人間の女の子だ………………決してキャラクターなんて空虚な物じゃない………………





宮子宮子宮子




俺のだもう俺の宮子だ俺は宮子のだ



もっとくれないか?

心が乾く



飢えて飢えて仕方ない


宮子かわいい

ほしい

俺の………



違う…………違う…………まだ違う…………宮子は俺の………幼馴染み/最推し………


違う…………頭が頭…………アタガガガガガザ




ギギュウガアガャ………メ………ロ…………………





「…………………宮子。」


「なぁに?陸くん。」


「なぁ……俺は………お前の……何だ?」


「幼馴染みで、未来の旦那様!」


「そう……か………」


「だから死のうだなんて言わないで?死なないでよ。

わたしを1人にしないでよ!!

わたしには陸くんしかいないのに!!」


「宮子…………?」



あ…れ…?宮子の様子がおかしい…………?

宮子は泣きじゃくりながら俺を抱きしめてきた……

柔らかな感触、宮子の温もり、香り、存在。

全てが俺にとっての宝物で、コレが、これこそが現実だと、証明してくれている。



「ねぇ、陸くん。わたしね?

最初は、感謝されたくて陸くん達のお世話をしてた訳じゃなかったの、だけどね、だけど、陸くんだけはわたしに感謝してくれた、一緒にやろうって言ってくれたしやってくれた。

だからわたしね、陸くんが好きだよ、大好き……

だから今は、もう、陸くん無しじゃダメなの。

今は、陸くんに褒められたくて家事を続けてるの。

だからねぇ、お願いだよ陸くん………わたしから、陸くんを奪わないで…………?

陸くんが死んじゃったらわたし………悲しいし、寂しいし、嫌だよ…?」



そうか…………そうだよな……………宮子はとっくに堕ちていたのか……………



今の宮子の顔は、ゲームと違って純粋に優しい女の子ってだけの顔じゃなかった。


そう………コレは、病んでいる。


どうやら、この世界は、本当に、ゲームと違うらしい。

宮子の目は仄暗く、海斗に蔑ろにされてきた分、自己肯定力を陸斗に依存している様だ。


その陸斗が死のうとした、からだろうか?

宮子は、壊れてしまったらしい。


かく言う俺も、既に壊れている。



だったら良いじゃないか、もう。

壊れた者同士お似合いだろ?

だから、あぁ、もういいや。





「宮子、俺達、付き合おう。」


「うん…!うん…!!それで陸くんが死ぬのを止めてくれるなら何でもいい!!

わたしは今から陸くんの彼女にでも奥にさんでも何にでもなる!!」


「良いんだな…?こんな、俺でも…………


「陸くんだから良いの、陸くん以外は嫌なの、どうでもいいの…!!」



違う。


こんなの俺の求めていた結末じゃない。


宮子を洗脳して愛欲の奴隷にしたかった訳じゃない…!!



「なぁ宮子。俺は死なない。お前の為に生きると今決めた。

だから止めてくれ、俺が死なない様に。

お前が俺の生きる理由だ。宮子が俺の命だ。

だから、なぁ…?」


「うん。わたし、頑張るよ…!

陸くんのお嫁さんになる為に…!

わたしの陸くんが死なない様に…!!」



そう言った宮子の目は、やっぱり酷く濁った闇深い目だ。


あぁ、でも、こんな歪んだ愛でも、歪んだ関係でも、良いかもな。

どうせ、自殺して辛い事から逃げた俺の、2回目の人生なんだ。

普通の幸せなんて、手に入らないだろう。


今の宮子は俺の知る宮子じゃない。

宮子はこんな事言わないしヤンデレやメンヘラじゃない。

でも良いんだ。


声も見た目も宮子だから。


コレが俺の宮子だから。



…………………は?いや、失礼過ぎないか俺。

待てよ………段々正気に戻ってきたぞ……………?


1回落ち着け、な。




「……………宮子。」


「なにかな?陸くん。」


「やっと正気になった、ごめんな…?」


「…もう死なない?」


「死なない。」


「わたしを置いていかない…?」


「宮子のそばに居る。」


「…………良かったぁ……♪」



あ、宮子も段々落ち着いてきたかな?

何時もの優しい瞳に戻ったみたいだ。



「………ごめんな?宮子。やっぱり俺は今日、おかしいみたいだ。

だから、聞いてくれないか?俺が見た悪夢の話をー




そして、俺は、前世(悪夢)の内容を宮子に話した。


話を聞く内に、宮子の顔は悲しみに歪み、俺を抱きしめてえぐえぐと泣きながら、最後まで聞いてくれた。

耳元で宮子の泣き声を聴きながら話すのは二つの意味で辛かったが、宮子を抱きしめかえしてその温もりと存在を感じて、何とか耐えた。


再び死にたくなりそうだったけど、こんなに泣きじゃくる宮子を残して死ぬ訳にはいかないと、改めて決意した。


やがて、俺から少し離れて膝の上に座って向かい合った宮子は、俺の目をしっかり見ながら告げた。



「わたしね、陸くん。

陸くんがそんな目に遭ってた時に、助けられなかったわたしが許せないよ………


「いや、宮子は悪くないよ。」


「分かってる、それは陸くんが見た悪夢の話。

わたしにどうにか出来たわけがないって、だから、わたしは悪くないんだって、陸くんが言いたいのは分かってるよ……けど、わたしは、陸くんが悪夢に負けて死のうとする程度の存在だったのかなぁ…って……


「宮子………。」


「あっ………



なんて声をかければいいのか分からない俺は、代わりに宮子をキツく抱きしめた。



「陸くん………



宮子はそんな俺の頬に自分の頬をくっつけてスリスリとしてきた……

柔らかい頬の感触、宮子の髪の香り、落ち着く体温。

大丈夫だ。


コッチが、現実だ。

胡蝶の夢じゃない。



「だいじょうぶ………だいじょうぶ………わたしはここにいるよ………


「…………。」



耳に響くこの声も、幻聴なんかじゃ無い。



「大好きだよ…陸くん…。」




俺は、死なない。

今度は幸せになる。

宮子を幸せにする。



(なんだあれ、気持ち悪いな。)



が、俺は、宮子は、決してこの世界での主人公/ヒロインでは無く、

真の主人公である海斗に嫌われている事がどういう事なのかをまだ知らなかった。


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