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76 巫女姫の覚悟


「僕には、予知能力があるのですが、性的に興奮しないと発動しません」


「…………」


 巫女姫が、嫌な顔をしている。


 なんとなく、察したのかも知れない。


「待て、よか予感がせんのじゃが……」


「こんなこと、おおっぴらには出来ません」


「そりゃそうじゃが……」


「事態を知っている人物、パウリーネと巫女姫様しか、相手がいないのです」


 巫女姫が、ショックを受けた顔で後じさる。


 皇女殿下からもらった薬という手もあるけど、あれはなるべく使いたくない。


「い、い、嫌じゃ、慰み者にする気か!」


「そこまでではなくともいいのです」


 慰み者どころか、僕はまだ童貞だ。


「そこまでとは、どこまでじゃ?」


「Cまではいかなくとも……Bくらいまで」


「なんじゃ、CとかBとか……」


 僕は、巫女姫様の耳元で、軽く説明をする。


 すると、みるみる真っ赤になって、巫女姫は飛び退いた。


「よ、嫁入り前なんじゃぞ!」


「安心して下さい、このことは他言無用です」


「そげな問題やなか!」


 真っ赤になった巫女姫は可愛い。


 ショートの白髪に火照った頬が愛らしかった。


「後、始めに言ってかなければいけないのですが……」


「な、なんじゃ……?」


 警戒するように僕を見る。


 まるで性犯罪者みたいに見られていた。


「どんなことが予知されるのかはわからないのです」


「うん? どげなことじゃそりゃ」


「今晩の夜ご飯が予知されたりもするのです」


「しょうもない能力じゃ!」


 僕だって、自分で選んだ能力じゃない。


 あまり文句を言われても困る。


「なので、皇女殿下に関する予知が来るまで、やらなくてはいけません」


「な、なしてウチが……」


「戦争で犠牲になるかも知れない市民のためです」


「ひ、卑怯じゃぞ! 民ば人質に取るつもりか!」


 もう涙目になっている。


 僕は、Sっ気がないから気の毒にしか思えない。


「でも、皇女殿下が殺されたら、本当にヤバイですよ」


「ぐぬ、ぐぬぬぬぬぬ!」


「大勢の犠牲が出る前に、お願いします」


 そして……巫女姫は諦めたように手で顔を覆った。


「は、初恋もまだじゃちゅうとに……野良犬に噛まるーとは……」


 多分、何もしなくてもいけると思うけど……。


 こればっかりは運だと思う。


「何ばすりゃよかんじゃ?」


「ちょっと、具体的にどうするかは難しいんですが……少しずつ、脱いでいってもらってもいいですか?」


「な、なにぃぃぃっ!?」


 ストリップというショーがあるらしい。


 僕は見たことがないけれど、大人のショーだ。


 それに近いものになるだろう。


「ううっ、ううううっ……」


 真っ赤になっているのは、顔だけではなく、首も、その下も……全身が熱くなっているようだった。


 一枚一枚、巫女服を脱いでいく。


 でも、そんなに何枚も着ているものじゃないから、すぐに肌が露出してしまった。


「あっ、巫女姫様がこの後泣く予知が来ました」


「もう泣いとるわ!」


 そして……衣服を脱ぎ終わると、サラシとふんどしの姿になっていた。


 これが、下着ということなんだろう。


 初めて見る巫女の下着姿に、僕はピンと来てしまう。


「あっ、世界中で、皇女殿下の暗殺がニュースになっている予知が来ました」


「も、もうそれでいいではないか!?」


「いえ、確信が持てません、暗殺の現場を見ておきたいです」


「うううううううっ! これでもだめなのか!」


 これ以上脱ぐといったら……裸ということだ。


 でも、手とかで上手く隠せば何とか。


「も、もう一息、お願いします」


「…………」


 巫女姫は、胸に巻いていたサラシをほどいていく。


 結構キツく巻いているようで、胸はそれほどの貧乳では無さそうだった。


 そして……手で隠しながらの姿になる。


「あっ、連合の女王様と僕が一緒にいる姿が見えました」


「なんじゃ、何が起きているのじゃ!」


 休戦協定がされているのに、どうして僕が連合の女王と会うんだろう?


 講和条約を結ぶために、女王が中立国までやってくるのかな?


「も、もう脱げん!」


「後、一枚あるじゃないですか」


「くうううっ! くううううううっ!」


 片手で胸を隠しながら、ふんどしをほどいていく。


 そして、それがストッと下に落ちると、僕にピンと予知が来ていた。


 巫女姫は、少し後ろを向いて隠しながら、僕に可愛いお尻を見せてくれている。


「皇女殿下が……壇上で、血まみれになって倒れています」


「も、もういいじゃろいっ!」


 脱いだ物を持って、隣の部屋に駆け込んでいく巫女姫。


 ちらっと色々見えた気もしたけど、今はそれどころじゃない。


 これは……ヤバいんじゃないか?


 どうやら、本当に、皇女殿下が暗殺されるらしかった。


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