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04 四天王艦発進


「艦長、ここにいる四人は、各専門分野でトップレベルの若手が集まっております」


 トリシアは、自信満々にそう言うけど……。


 みんなポンコツじゃね?


 まぁ、取りあえず実際の働きを見てみないことにはわからないけど……。


「やっぱり、四天王艦だからなのかな?」


「それもありますが……ルイーゼロッテ様からお話は伺っています」


「なんだろう? 話?」


 皇女様から何を言われたんだろうか?


 裏切らないようにしっかり見張れとか?


「戦闘前、もしくは戦闘中に、あなたの男性的な欲求を刺激するようにと」


「き、君たちが!?」


 僕の予知能力を発揮させるために、そういう刺激をしてくるんだとは思っていたけど……この子達がするの?


 もっと、AV女優みたいな人達が来るんだと思っていた。


 こんな実務も兼ねている若い子達に……変なことはさせたくないけど……。


「もう興奮してるんですか? 本当にゴミ虫ですね」


「ち、違う、驚いているだけだ!」


 今、さり気にゴミ虫とか言わなかった?


 なんなのこの子、僕のこと誤解していない?


「みんなで手分けして分担しますよ」


 その言葉に、砲撃手のマルリースが反論する。


「どーして、ボクたちなんですか! 商売の人にやって貰えばいいでしょう」


「この人の趣味で、商売の人だと興奮しないみたいなの。仕方ないでしょ」


 やれやれみたいな声で言われる。


 これじゃまるで、僕がケダモノみたいな扱いだ。


 操舵士のユーナはチラっと僕の方を見てくるだけだし、通信士のソフィアは赤い顔をして見守っている。


 誤解だということは言っておかなければ。


「じょ、女性をお金で買うなんてダメだ!」


「なんか、どーてーっぽいですね、どーてーなんですかぁ?」


 マルリースはジト目っぽく僕を睨んでいる。


「な、そ、そういうわけでは!」


 童貞だよ、畜生!


「はい、そこまでよ。童貞に決まっているでしょ」


「なっ!?」


「艦長、取りあえず様子見でしょうか、遊撃任務を任されています」


「コホン……」


 忘れよう、今のやりとりは。


 艦長は威厳がないと成立しない。


 肝心なときに、指揮系統が機能しないと死活問題だ。


「遊撃任務か、今は、自由連合国が押しているからな」


 中立地帯のニュートラルテリトリーから、散発的に自由連合国の艦艇が出撃している。


 ダークテリトリーの入口である、アルビナフォン要塞は連合が落としているので、今は出入り自由の状態だ。


 各地で散発的に戦いが起きているけど、先日の大規模決戦の勝利で、魔族帝国側が少し盛り返した感じだろうか。


 まぁ、大規模艦隊決戦というのが、そもそも滅多にない出来事だけど。


 小規模な戦いが、圧倒的に多い。


「では、どこに向かいますか?」


「ん?」


 なんだか、すごく嫌そうな声をしている。


 ふと、隣のトリシア中尉を見ると、スカートをたくし上げて、パンツを見せつけてきていた。


「なっ!」


 どこかで見たことある顔だと思ったら、皇女様に股間を踏まれたときに、予知に出てきたあの子だ!


 こんな若い子が、なんてはしたない!


 制服の黒に、白いぱんつがなんだかエロいけど……そんな嫌そうな顔をしながら見せなくても良いじゃないか!


 しかし、ビジョンが浮かび上がる。


 子供の頃からたまにあったけど、やっぱりこれが予知だったんだ。


 この勘で、出世したようなものだ。


「こほん……東のグルーン鉱山が襲われる、相手は軽巡洋艦の単艦だ」


「では、それを狩るのですね」


「そうだ」


「すごい……本当に予知能力?」


 ユーナの言葉に、僕はうなずきで返す。


 まだ、あんまり自信はないけど。


「エッチなことを考えると、予知しちゃうなんて……ストーカーされたら、逃げられないですね」


「なっ!?」


 僕がストーカーみたいなことを言わないでくれ!


 この人、っていうかソフィアって、それで感じてるの!?


「はい、妄想はそこまでよ、では、グルーン鉱山へ」


 トリシアは、マイクを持つと艦内放送のスイッチを入れた。


「全艦員に告げます、本艦はこれよりグルーン鉱山へ向かいます。すみやかに所定の位置に付きなさい」


 さあ、なんだか変な感じだったけど、これからが本番だ。


 緊張が高まってくる。


「機関……定格起動を確認」


 ユーナが操舵手だから、エンジン周りを担当するんだろう。


「コンポジット出力、およびアクティブフィラー通電」


 ソフィアは、艦内の状況を確認していく。


「フロー制御正常……」


「大型バルジのホールドを解除」


 トリシアの言葉と共に、身体ががくんと揺れる。


 支えられている主軸が外されて、陸上艦が竜脈の上に浮かんだんだ。


「生命維持装置、正常に機能中」


 生命維持装置? 四天王艦にはそんなものまであるんだ。


 具体的にはなんだろう? 魔力供給とかなのかな? それとも徐々に体力が回復していくとか?


「メインエンジン点火……システム……オールグリーン」


「四天王艦の各部署との連携確認。確認取れました」


「各精霊砲、全衝撃緩衝エレメント正常だよー」


 武装周りはマルリースの担当か。


 ちょっと気が抜けてるけど、そこは追々かな。


「核融合開始……ジェネレーター出力正常……」


「地圧浮力弁、および全兵装レピテート正常~」


「フルゲージ!」


 トリシアが合図する。


 準備完了ということだろう。


「メインゲート開放来ました」


 四天王艦の前のゲートが開いていく。


 ドックから、外に出られるようになった。


「艦長、発進準備整いました」


「あ、では、発進」


「四天王艦グリュックエンデ発進!」


 あ、そういう名前だったか……。


 そんなことを思いながらも、生白いぱんつを思い出して、トリシアを見てしまう。


 すると、凄い嫌な顔で睨まれて、僕はひゅんとなっていた。


本日は、もう一話分を投降します。


よろしくお願いします!

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