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20 高級マンション


「ここが、エリオット様にご提供するマンションになります」


「すごいなぁ……」


 車で案内して貰った場所には、魔法の結界と厳重な警備が敷かれた土地にマンションが建っていた。


「ここには、連合と中立国の偉い人も住んでいますので、いわゆる要人という方を集めている場所になりますね」


「アリーナさんは……」


「アリーナと呼んでください」


 ちょっと拗ねたようにしているが、それがまた可愛い。


 明るい色の髪で、連合国寄りの容姿と言える。


 身体の凹凸は、まだ未発達という感じだけど、それがいいと言う人もいるだろう。


「あー、アリーナは、もう運転免許を持っているんですね」


 さり気なく歳を聞く感じで、探りを入れてみた。


 正体不明だと、ちょっと怖い。


「はい、中立国では免許の取得の規制が緩いんですよ、帝国の方も連合の方も来ますし、利便性を重視した形ですね」


 うーん、アリーナがいくつくらいなのか、イマイチわからない。


 僕よりは、確実に年下だと思うんだけど……意外に年上とか?


「では、お部屋に案内しますね」


 駐車場に車を停めると、一際大きなマンションに連れて行かれる。


 買ったらいくらくらいだろうか?


 連合時代の給料だったら、人生の半分くらいは持って行かれそうな高級マンションだ。


 ガードマンに挨拶をして、扉の前に立つ。


「声紋認証をしますので、ここに立って下さい」


「ここ?」


 うながされるままに、僕は扉の前に立った。


「お名前をお聞かせ下さい」


 扉から声がする。


「エリオット・クロムウェルです」


「承知しました、ようこそエリオット様、当マンションはエリオット様を歓迎いたします」


「これでいいの?」


「はい、声紋の他にも色々と身体的な特徴を記録させて頂きました。これで、このマンションは自由に出入りできます」


「そう、なんだ……」


 ま、まぁ、声紋や顔認証くらいは仕方がないだろう。


 でも、さすがは魔法技術の進んでいる中立国だ。


 連合でも帝国でも、こんなものは無いに違いない。


 そして、僕の部屋……マンションの上層部に連れて行かれた。


「ここが部屋になります」


「結構広いね……ひとりだと持てあましそうだ」


「私が、エリオット様の担当になりましたので、困ったことがあったらなんでもご連絡下さい」


「あ、ああ、はい」


「家具や家電などは、気に入らない物があったら取り替えますので」


 至れり尽くせりだ。


 アリーナは、カーテンを開けて窓を開ける。


 すると、暖かい風がふわっと室内に流れてきた。


「きゃっ!」


「…………!」


 風で、アリーナのスカートが思い切りめくれた。


 純白のぱんつ……いや、僕好みにしてたわけじゃなくて、別に普通だと思うけど……。


 そういえば、僕はこの出来事を予知していた。


 まさか、予知を予知していたなんて変な感じだ。


 でも、それよりも、とんでもないイメージが僕の頭に沸いていた。


 ドック入りしている四天王艦が、襲撃されるイメージだ。


「み、見ましたか……?」


「あ、い、いや、白い物がちょっと見えただけで……」


「み、見たんですねーっ!?」


「え、だ、だって、君はハニートラップの人なんじゃないの?」


 僕はもう、ぶっちゃけてそう言ってしまった。


 四天王艦の襲撃といい、この子が絡んでいる可能性もある。


「わ、私は処女です! ハニートラップなんてできません!」


「そ、そうなのかも知れないけど……いきなり美人が近づいてきたら、おかしいと思うでしょ?」


 アリーナが、ジッと僕の事を見つめてくる。


 な、なんだろう……。


「私のこと、かわいいと思いますか?」


「え、ま、まぁ……」


「それじゃあ、大事にして下さいね、多少のことなら……融通を利かせますので……」


 なんだ、融通って……。


 僕に取り入るのが仕事だって言っているようなものじゃないか。


「エリオットさんに気に入られるのが、私の仕事の一部なんです」


「わ、わかったよ、大事にするから……」


「じゃあ……ちょっとですよ……」


 アリーナが、僕の身体に密着してくる。


 ふにゃっと、お腹の辺りにやわらかい物が押しつけられていた。


「ふわっ!」


 あまりにも可愛いと、年齢が良くわからなくなるんだけど、この発達具合からして、同じくらいの歳かも知れないと思い直す。


 なんか……えっちな香りがしていた。


 甘い体臭に香水が混じった、独特の香りだ。


 これ……絶対ハニトラ要員だろう……。


 処女は処女なのかも知れないけど……おかしすぎる。


「今日は、ここに泊まっていきますか……?」


「えっ、ええええっ!?」


 そ、それはヤバイ。


 というか、四天王艦が襲われるとわかっているんだから、ここに泊まっている場合じゃない。


 ちょっと……ほんのちょっとだけ、惜しいと思うけど……。


「か、帰るよ、仕事がまだ残っているから……」


「そ、そうですか……」


 アリーナが僕から離れる。


 赤い顔をしているけれど、すごくナチュラルに思えた。


 演技じゃ……ないかな?


 いや、深く考えたら負けだ。


 僕は、部屋の鍵を貰うと、アリーナにドックまで送ってもらった。


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