18 賢人会議
ちょっとエッチなシーンがあります。
苦手な方はご注意ください。
「これより、第二千四百三十三回、定例賢人会議を始める」
ほのかな明かりが灯るだけの暗い部屋に、数人の男女が集まっていた。
仮面を着けているので老若男女はわからないが、幅広い年代を伺わせる服装をしている。
ここは賢人会議中立国。
ニュートラルテリトリーにある、自由連合にも魔族帝国に属さない第三者的な中立国だ。
その表向きの権力中枢とは別にある、裏の意志決定機関。
それが、賢人会議だった。
「さて、議題は山積みだが、ひとつずつ検討していこう」
議長らしき人物が口火を切ると、まずは老婦人らしき人物が発言した。
「アルビナフォン要塞が落とされたのは、看過できないわ」
「だが、連合に傾いた戦力バランスを正してくれた。これは意義のあることだ」
賢人会議中立国は、バランスを好む。
この戦争がどちらの勝利ともならず、永久に続くことで利益と安全を担保されるというのが不文律なのだ。
「そこなんですけどねぇ、帝国に面白い人材が現れたというのは本当なんですかねぇ」
「本当だ、元連合の軍人で、勇者の参謀をしていた人物だが、帝国に捕らえられ、主を乗り換えたようだ」
「その人物がアルビナフォン要塞を落としたと?」
「皇女殿下のお気に入りだと聞いたが?」
「皇女殿下の身辺はガードが厳しく、完全には裏を取れなかったが、子飼いの部下だという話だ」
「戦力バランスが拮抗したのはいいことだが、皇女殿下に力が集まるのは頂けないわね」
「とはいえ、魔族帝国もこのままというわけにいくまい。いつかは、権力が一本化されるだろう」
今、帝国は勇者に討ち取られた魔王の後任を、誰にするかで揉めている。
前魔王の弟であるアッシャー元老院議長、前魔王の長男であるリュデイガー元帥、そして第三皇女であるルイーゼロッテがその主役だ。
連合との融和を図っていた前魔王は、この戦争を対話で終わらせようとしていた。
だがそれは、多くの人を幸福にして、いくらかの人に損をさせる試みであったのだ。
「この戦争を終わらせてしまいかねない……という程ではあるまい?」
「戦況が傾くのは仕方がないが、傾きすぎないようにはしなければな」
「一方で、勇者はしばらく使えんか」
「私としては、丁度良かったと思っているわ、しばらくは帝国に戦況が傾いて貰ってもいいでしょう」
「では、この件はエレオノラに一任する。皇女殿下のお気に入りには手を着けておいて頂きたい」
ずっと発言をしなかった、一番年若そうな女性が静かに頷いた。
「艦長、お疲れですか?」
「え、ああ……トリシア中尉か……って、えええっ!?」
下着姿のトリシアが、ベッドに寝ているエリオットに覆い被さるようにしていた。
何が起きているのか理解が追いつかない。
これは……夜這いなんだろうか?
「疲れているなら、マッサージが大事」
「ユ、ユーナ少尉も!?」
可愛い下着のユーナが、エリオットの下半身に取り付いて手を伸ばしてくる。
「んくうっ、ああっ!」
貞操帯が、いつの間にか外されていた。
僕の分身は、エレクトして自由になっている。
あの窮屈な空間は、もうどこにもない。
「艦長、結構、声がかわいいじゃないですかー」
マルリース少尉が、上半身裸で僕の隣に寝そべり、胸の辺りをコリコリと弄っていた。
「うっ、おうっ、うううっ……」
「あんまり急かしちゃ駄目ですよ、提督は、今日一日、ゆっくりと過ごすんですからね」
「そ、ソフィア少尉……」
僕はいつの間にかソフィア少尉に膝枕をされて、その豊満なバストを仰ぎ見る形になっていた。
「一日ですかー? 僕は一週間くらいこうしていたいですけどねー」
「一週間じゃ短い、一ヶ月は疲れを取らないと」
「い、一ヶ月……うううっ……!」
「艦長……したい……ですか? 私は、してもらいたいです……」
いつも、僕をゴミのように見てくるトリシアが、妙に優しくて、積極的になっていた。
そういえば、要塞を奪取したら、みんなでしてくれるという約束をしていたことを思い出す。
まさか、こんなことまでしてくれるなんて……。
「す、する……でも、初めてじゃないのかな?」
「勿論、私だけじゃなくて、みんな初めてですよ……艦長に、初めてをもらって貰いたいんです……」
「中尉、ずるいですよ、あたしが最初にします」
「お姉ちゃん、今日は譲れない」
「じゃあ、四人でいっぺんにしてもらいましょう」
四人が、ベッドの上で四つん這いになって並ぶ。
小さなお尻も、大きなお尻も、みんな魅力的だった。
「艦長の好きなようにしてください……」
「私たちの準備は、もう終わっていますから……」
じゅ、準備万端整っているのか!
僕は、四人に襲いかかるようにして、その身体を貪り尽くしていった。
無限のスタミナを得たように、僕は元気なままだ。
四人は自分の身体を余すところ無く使って、僕を喜ばせてくれた。
そしてそれは、一週間、一ヶ月とつづいて……食事中もトイレも風呂も、全て密着した状態で過ごしていった。
もう満足、堪能しきったと思ったのは、どれくらい時間が経った頃だろうか。
僕は気が付くと、四天王艦の艦長室のベッドの上で寝ていて……貞操帯をべっとりと汚していた。
「あっ……」
皇女様に貰った怪しい薬瓶が見えている。
もちろん、それは空だ。
「こ、こういう薬だったのか……ん?」
頭の中に、急なイメージが沸く。
見たことのない女の子のスカートがめくれるイメージだ。
どうやら、僕はこの子と出会うことになるらしい。
一体誰なのか、想像も付かないけど……取りあえず酷い夢だった。
体感時間としては三十日以上だったけど、実際には八時間ほどの、普通の睡眠だ。
良かったような残念なような、複雑な気持ちのまま、僕はベトベトの下半身をシャワーで洗い流しに行った。




