筆記試験
一日と少し遅れましたね…。
土曜くらいにはまた投稿出来ればな…と思ってます。
それから、毎日の日課である森の探索や読書、アランとの勉強などをしていれば学園への入学試験はあっという間だった。
「ほんとに大丈夫?ちゃんとペンは持った?ハンカチは?…」
母はこういうところでは心配症だったが生憎、昨日から何回も準備をして来た私に心配することなんて一つもない。
強いて言うならば、あの日以降左腕が急速に使えなくなり始めたことが悩みではあった。
とは言っても重いものが持てない、たまに痛みを生じるくらいなもので生活に困るほどでもないため、大きくは考えていない。
「アランは?まだ来ていないようだけど、大丈夫かしらね」
門の前で待ち合わせをしていて中々来ないと思っていたが、既に来ていて門のところで隠れていたらしい。
「アラン、行きましょうか?」
「う、うん…。大丈夫かなぁ?」
アランも随分と心配そうにしているがおおよそ半年間見て来たが心配する要素なんて一つもないので大丈夫だろう。あの性格の変わるのも興奮しない限り出て来なくはなったし。
「はいはい、次々に並んで下さい。左から順に剣術、魔術、複合のクラスになっています」
「んじゃ、また後でね」
「う、うん」
案内に従い、進んでいくと大きな講義室があり、学力テストとなる。
やはり、私のような平民はあまりいないようで貴族が多い。ちらほら平民らしい子も存在するが落ちそうな子が多い。
始めの合図でテストを解いていくが、問題自体はそこまで難しくはない。魔法の基礎的なこと、獣や葉の特徴、礼儀事項なんかが主となる。
「それでもたまに難しい問題を入れて来るあたり優しくないわよね」
魔法の原理を説明しなさいなんて問題は大人でも難しいと思う。私も理解していないことが多い。と言うよりは天界と下界では魔法の使い方が違う。神の魔法は神が創造するもので下界では精霊による創造。もっとも、それすらも下界では魔素とやらを空気中で掻き集めて放出するなどと間違ったものとなっている。実際はもっと詳しく言わないといけないらしいが。
結局のところ、地上では精霊が魔法を創り、天界では神が魔法を創る。それが真実だ。これは最近分かったことだけれども。
なんて、その問題以外をしっかりと解き、見直しまで済まし、今後の動きについている軽く考えていく。
入学する理由は大きく言って二つ。
一つ目は教育の場としての利用。純粋に神と人とでは身体の運用なんかも違って来る上に常識も何もかも違う。その知識を増やして行きたい。
二つ目は、情報を集めること。図書館なんかは家なんかよりも多くの本で情報も桁違いだ。出来れば、中央の学園まで行ければ一番いい。
今のところはこんなもの。
「よし、ペンを置け。筆記試験は終わりだ。このまま剣術、及び複合の試験を中央広場にて行う。ついてきたまえ」
筆記試験は実技試験へと試験は移る。