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プロローグ

新しく書き始めました。読んでいただければ幸いです。完結までは持っていきます。前作は無理かもですけど…。

「まさかあいつに裏切られるなんて」


 先のことを思い出し、悔しさで唇を噛む。どこで間違えたのだろうか。


「よし、休憩終わり。暗いのはやめやめ。私らしくないものね」


 そうと決まればと潜んでいた物陰から出る。周りに気配はしない。しかし、警戒を怠るわけにもいかない。細心の注意を払わなければならない。


「あ!」


 注意をしなきゃしなきゃと思いながらも足をほんの少し滑らせる。


 あたりを飛び交うライトが私の足にへと当たり警報が鳴り響く。あと数十秒もすればあっという間に囲まれてしまうだろう。そうすれば私に逃げ切ることなど不可能に近い。ならばと少しでも距離を誤魔化すために走り出す。


「せめてあの人がいれば…」


 なんて思ったところであの人は帰ってこない。裏切ったあいつに殺されてしまった。無惨にも首をへし折られ…。これ以上はやめておこう。


「それにしても数が多すぎる。逃げ道を全て塞がれてると考えた方がいいかもね」


 しかし、逃げ道が無いにしてもどうにかして逃げなければいけない。


「ふぅー。落ち着け私。こういう時は正面突破しかないでしょうに」


 ズバリ目指すはこの天界より地上へと現界するための扉しかない。


 目的の扉までは残り二百メートル程。この角を曲がればあとは直線。


「踏ん張りどころね」


 すでに扉の前には待ち伏せをしている神とその使いや天使がいる。


 無論、あちらもこちらに気づく。だが、残り150メートル。


「シールド展開。砲撃準備」


 飛んでくる魔法に対し、最小限の守りの術を使う。それと同時に対抗手段を用意する。


「点火ぁ!」


 私の周りに出現した砲台は色とりどり魔法を発射し、飛来する魔法を打ち消す。残り100メートル。


 火系の魔法には水を、水系には火系を同威力でぶつけることで霧を発生させる。残り75メートル。


「このまま突っ込めれば…!」


「悪いな。お前さんはここで退場だ。なぁに悪いようにはしないぜ」


 霧の中から突然現れる存在に驚きながらも突き出される武器を手持ちの盾でうまく逸らす。


「軍神アレスっ」


 アレスは槍も剣を上手く扱い私に後退以外の選択肢を選ばせない。


「こちらも負けられないのよ!!」


 手段を選んでいられない私は


「左腕くらいならくれてやるわよ」


 槍を避けずに左腕を犠牲に押し通る。


「な!テメェやりやがる」


 ジクジク痛む左腕だが気にしている暇はない。残り50メートル。


「数が多いわね。もう二つくらいは失うことを覚悟した方がいいかしら」


 そんな時、多数の弓が空から降り注ぐ。


「アルテミス!死んだはずじゃなかったの!」


「いいから行きなさい。私もそろそろ限界なのよ。他の神を止めるのも無理があるし」


 見ると他の神は鬱陶しそうにバリアを張るなどして矢から身を守っている。残り20メートル。


「…ありがとう。アルテミス」


「また数百年後会いましょ?あとは私とニュンペーに任せておきなさい」


 アルテミスのお供をしているニュンペーも体を張ってまで私を逃がそうとしてくれている。


 私は扉の前までなんとか辿り着く。


「流石に降りるところまで決められないか…」


 扉の前で私は振り向きアルテミスたちの勇姿を目に焼き付け、背中から扉をくぐり、地上へと落ちていく。


「覚えておきなさい。私はこう見えても根に持つタイプなんだからね」


 私、アテナの意識も落ちていく。

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