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第四話 お金と命

「根本的に考えると、お金は命だわ。」

赤髪の美少女蘭子は続けた。


「そもそも、命というのは何?」

「うーん、肉体?」

命、生命として考えた。

そう考えると、肉体という事になると思う。

肉体活動が終わると、命が終わるからだ。


「確かに、それもあるわ。肉体が健全であることは、一番重要なこと、ではある。ただ現代技術だと、肉体は多くの場合健康に保たれるわ、となると何が重要かしら?」

肉体が健全であることを蘭子は説明してくれた。現代社会はどんどんテクノロジーが進んでいき、いままで当たり前ではなかったことがドンドン当たり前になっていく。毎日ごはんを食べれることが当たり前になり、毎日誰かと連絡がとれるのが当たり前になり。と今までの常識は一瞬でいれかわる。

その上でもう一度考えなおした。


「うーん、時間かな。」

僕は、なんとか、考えだして、答えた。


「そう!時間が命だわ。80年生きるとして。80年×365日=29,200日。さらに一日24時間だから700,800時間。つまり 70万時間、これが命よね」

「なるほど、面白い考え方だ。」

素直に納得した。おもしろい考え方だ。寿命が決まっている以上こうなるはずだ。寿命がいきなり2倍になったりしたら、また変わるかもしれない。テクノロジーは実際にその方向に向かっている。


「これが時給1000円で寝ないで働き続けたとすると、700,800,000円だわ。およそ7億円。命の値段は7億円なのよ。」

「断言すると、いきなり怖くなるなー。」

どんどん暗算してく赤髪の美少女の断言がいきなり突拍子もないものになったので、突っ込んでしまった。


「ふふふ、そうね、でも極端な思考は、我々の生活を豊かにするのに役に立つわ。この原理を無視して、なにかをジャッジするのは大変危険なことだわ。」

「なるほど、7億円か。想像つかない値段だけど、なんとなく、そんな気もするなー。という値段だね。」

極端な思考をして置くとジャッジがしやすいというのは、僕も賛成だった。現代のジャッジは複雑になりすぎて、結局好みで決めるしかないという事になってしまう。

でもそれは危険だ。人間の思考は最近の事を強く認識するようになっているので、計算すると、全然感覚と違ったということはよくある。


「我々の命は時間でてきていて、それをお金と変換しているのよ。時給1000円で全部交換したら7億円。7億円あったら私を変えるわけではないと思うけど、私が7億円普通の得ようと思ったら人生の全てがかかる。というのが7億円ね。いつでも交換がかのうなわけではないというのが、またお金の面白いところなの」

「へぇ、お金に詳しいんだね。確かにそこまで考えたことなかった。」


お金についてこんなに考えたことがなかったので、結構面白かった。あとでいろいろ検証する必要はあるかもしれないけど。原理に照らし合わせて考えていくのは、重要なことかもしれない。


「超能力に頼り切るわけじゃないのがおもしろいね」

僕は、この長い打ち合わせでそういう感想を抱いた。

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