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『ツインソウル物語3』“初恋”  作者: 大輝
第21章 恋愛祈願?
21/24

初恋21

【神社のお稲荷さんの鳥居】


「残さないで、食べなさいよ」


「ニャー」


「あら、チャコちゃん。こんな所まで来てるの?」


お姉ちゃんが、ご飯をあげてる。


【境内】


「皆んな、いらっしゃい」


今日は、お姉ちゃんの神社に、合格祈願に来たの。


〈絵馬を書いて奉納する3人〉


「え?未来は縁結びも?」


「だって、中々良い人居ないんだもん」


「だよねー。私もお願いしよう」


「眞澄は、縁結びの前にほどき紙じゃない?」


「やっぱり?」


「うんうん。気が多いから、すぐ好きになって、コロコロ変わるもんね」


「香は良いよね、1年の時からずっと響ちゃんだもんね」


私は一途。


だって、中学の頃から夢で見てた人が、目の前に現れたんだもん。


夏休みに響先生とデートした事、親友の2人にも話してないの。


晶子伯母ちゃんに知られたら、また先生が怒られちゃう。


だから知ってるのは、お姉ちゃんだけ。


「パワーストーンも良いよね」


「そんなのどこに有るのよ?」


「スマホで検索」


「神様の前では失礼だから、出てからね」


【神社入り口の階段】


「ほら、見て」


〈スマホのホームページを見る香、未来、眞澄〉


「吉祥寺のfleur(フルールだって」


「吉祥寺って、どこ?」


「東京じゃない?」


「白い馬可愛いわね、桜花賞馬のコユキだって」


「パワーストーンの店なら、倉吉に有るんじゃない?」


「ああ、有る有る」


「じゃあ、行こう」


「先に打吹公園に行って、ほどき紙?」


「うん、そうだね」


「そろそろ紅葉が色づき始めてるわね」



【打吹公園】


ほどき紙に、忘れたい過去と、これからの願いを書いて、羽衣池にそっと浮かべるのよ。


そうすると、紙と一緒に過去が水に溶けて、思いを昇華させてくれるんですって。


ほどき紙とお守りがセットになってるんだけど…


「やっぱり赤でしょう」


「うんうん」


「え?香は青?」


赤は良縁で、青は仕事や健康。


私はもう、巡り会ってしまったから、縁を呼び込む必要は無いもの。


「スッキリしたところで、パワーストーン見に行こう」


【パワーストーンショップ】


色々有るわね…


「恋愛は、ピンクの石よね?」


「うん、ピンク系の石が多いみたい」


「インカローズ、クンツァイト、ローズクオーツ、ロードナイト…」


「うーん、どれが良いのかな?」


「同じ石でも、微妙に違うのね…」


【テナントビル前】


買っちゃった。


ローズクオーツ。


fleurのホームページに、直感で選んだ方が良い、って書いて有ったの。


優しいピンク色が綺麗で、どうしても気になったから、その子にしたのよ。


「フフフ」


「クンツァイトは、デリケートな石で割れやすいので、取り扱いに注意だって」


「インカローズも、そうだね」


ローズクオーツは、直射日光で褪色する場合が有るので注意。


外部の波動を溜め込んで、開放するのが苦手なので、ネガティヴなエネルギーを溜め込むと、割れてしまう事が有ります。


こまめに浄化してあげてください。


そうなのね…


水に濡れても大丈夫なのは良いわね。


「香、どこ見てるの?」


「fleurのホームページ」


「それって、東京じゃない。この店のは?」


「有るわよ…ここ」


「お店の人も色々教えてくれたけど、買う前に、もっと調べれば良かったかな?」


「直感で選んだなら大丈夫よ。そう書いて有る」


「どこに?」


「fleurのホームページ」


「あ、オーナーの葉月菱さんだって。あ、こっちは白い馬と写ってる」



【香の部屋】


〈fleurのホームページを見る香〉


パワーストーンは、魔法の石ではないので、自分では何もしないで願いを叶えてくれるわけでは有りません。


幸せになるサポートをしてくれるパートナーです。


浄化はしたから、プログラミングをして、石に願いを伝えれば良いのね。


〈ローズクオーツと一緒に瞑想する〉


お願い、響先生と結ばれますように。


【神社の中の部屋】


〈パソコンで調べる涼子〉


ツインソウルは、以前住んでいた場所や行動範囲が同じだったりする。


ああ、横浜に居た時ね…


ツインソウルは、良くシンクロする。


同時に同じ事を考えていたりする。


同じ時に物が壊れたり、同じ時に風邪をひいたりする。


偶然何度も会ったりする。


まあ、偶然と言えば偶然だけど、この町で会うのはともかく、お父さんの所に行って会ったりは、びっくりよね。


浩一郎お爺ちゃんと都子さんの事も、不思議な縁を感じるな。


でも、魂の関係って言ってもね…


ソウルメイトだとかツインソウルだとか、そんな物に振り回されるのって、どうなのよ?


やっぱり香は、知らない方が良いな。


【響の宿舎】


〈朝ーーーっ〉


「コッコッコッコッ、コケーッ!」


はあ、コッコちゃんおはよう。


って、その前に、マエストロが僕の顔の横でゴロゴロ言うし、シロは顔を舐めるし…


お腹空いたから早く起きろ、って言ってるんだよな。


【香の部屋】


ローズクオーツは優しいエネルギーで、つけて寝ても大丈夫って書いて有ったから、一緒に寝ちゃった。


恋愛だけではなくて、慈愛も有るし、自分自身の癒し効果も有るのね。


美肌効果も有るんですって。


何だか女の子には嬉しい天然石ね。


「学校は一緒に行けないから、お家で待っててね」


【校庭の桜の木の下】


浩一郎お爺ちゃんの初恋は叶わなかったけど、私の初恋は叶うかしら?


響先生のお婆ちゃまって、どんな人かな?


会わせてもらえば良かった。


「あ、響先生」


うわっ、また捕まっちゃったぞ。


学校で2人っきりになるのは、避けてたんだけど…



「先生のお婆ちゃまって、どんな方ですか?」


「86だけど年寄りの自覚ゼロで「おばあちゃん」て言われるの嫌がるんだ」


「へー、可愛い」


「若い頃の話しなんて、武勇伝ばっかりだよ」


「関金に居た頃ね」


「倉吉の役場でも警察署の刑事部屋でも、知り合いの偉い人に「おい○○」なんてやるから、皆んな「え?!」「やれやれ、また来ただか」って…」


「フフフ」


「まあ、相手は親戚の人だけどな」


「それから?」


「筋が通らなければ、すぐに啖呵切ってやり込めるし…」


「曲がった事は許せない感じね」


「まだ10代か20代の頃、オジザン相手に啖呵切ってるのを、垣根の陰から見ていた曽祖母が「ありゃあ、だらっだらあかい(バカだろうか)利口なだらあかい?」って、大伯父に言ったそうだよ」


「姉御タイプ?」


「そうなのかな?ナンパなんかする男には「10年早い」で終わり」


「アハハ、浩一郎お爺ちゃん、良く「10年早い」って追い返されなかったわね」


「ああ、本当だね」


「お元気なんですか?」


「うん。今はただのんびりで、僕には昔の武勇伝が信じられないね」


「フフフ」


お元気で、良かったわ。


いつか…会えるかしら?


【東京の鐘城家】


「璃子も来年は29才よ。30才までに子供を産む、って言ってたのに、まだ相手も決まってないのよ」


「今は、遅い人たくさん居るからね」


「響君、貰ってくれないかしら?」


「私だって、璃子ちゃんがお嫁に来てくれたら仲良く出来て良いけど…」


瑠璃ちゃんのとこなら、親戚付き合いも気兼ねないし、良いんだけどね。


こればっかりは…


璃子ちゃんは、昔から響の事好きだったのは知ってるけど、響の方は…


兄妹みたいに育ったから、あまりに近くに居て、わからないみたいよね。


男の子は、いくつになっても中身は少年のままだから…


どうなのかしらね?



「いつまで奥山町に居るつもりかしら?」


「さあ…?」


「もう、三郷ちゃんは、のん気なんだから」


【奥山町の居酒屋】


〈璃子の携帯の通知音が鳴る〉


「ああ、またお母さんからメール」


「良いのか?ほっといて」


「どうせまた「早く結婚しなさい」とか「いつ東京に帰るの?」ってやつよ」


「まあ、正月には帰るんだから、そう言っておけば良いじゃないか」


「そうじゃないのよ。帰るって、そういう意味じゃなくて、こっちの学校辞めて帰るって事」


そうか…


そんな事考えてもみなかったな。


いつかは、東京に帰るのか?


中町学園を辞めて?


まあ、過疎化が進んでるからな。


近隣の学校が廃校になって、中町学園が小学校から高校まで一緒になったんだよな。


その年に、僕らが来たんだけど…


もし中町学園も廃校になったりしたら、東京に帰るんだろうけど、そうでなければ、僕は居るつもりだ。


定年まで居る気か?


まあ、先の事はわからないよな。


なるようになるだ。


でも、瑠璃おばちゃんは、璃子に東京に帰って結婚してもらいたいみたいだな。


どうするつもりなんだろう?


「響はいつも「なるようになる」よね」


ジタバタしたって、なるようにしかならないだろう。


いつもそう思うんだ。


あのお婆ちゃんの孫だよな。


お婆ちゃんは、困った時はいつも「なんとかなるなる」って言うんだよな。


だから伯父が「出たよ、お母さんの「なんとかなる」が」って良く言ってたっけ。


困った時は、そう言って笑い飛ばすんだ。


僕も似てるとこ有るよな。


でも…


璃子の結婚て…



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