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『ツインソウル物語3』“初恋”  作者: 大輝
第2章《さあ初日だ!》
2/24

初恋2

【体育館】


朝礼が始まる。


何故か男子達の視線が痛いように感じるが…


まあ、気のせいか。


【舞台】


璃子と僕が新任の教師として紹介された。


おっと、学校ではちゃんと、璃子の事を高梨先生と呼んでるよ。


そして、朝礼が終わると…


【体育館】


途端、生徒達に囲まれた。


「鐘城先生」


「東京から来なったんですよね?」


「高梨先生と噂になって学校辞めたって本当?」


「本当はどういう関係?」


来た来た、その話しか…


「君達が期待するような甘ーい恋の話しなんて無いよ。ただの幼馴染み」


あ…遠くであの子が見てる…


校長先生のお孫さんみたいだけど…


名前何て言うんだろう?


朝風って呼ぶわけいかないもんな…


「響ちゃーん」


「コラコラ諏訪。ちゃんはよせ」


「ほらほら香。私達も聞きたい事聞いちゃおっ」


「うん」


「響先生がこの町に来て、一番最初に会ったのが香って、やっぱり縁が有ると思うのよ」


「最初に会ったのは、校長先生だぞ。それから晶子さん。あー、その前に荻乃湯の人達か」


「え?荻野愛佳が先?」


「いや、生徒には合わなかったぞ。あー待て待て、一番最初は駅の人だ」


「先生って、ボケキャラ?」


「いやいや」


「やっぱり、生徒では香が一番最初だと思う」


「おい、皆んな!授業が始まるぞ!早く行け!」


「ああん、もう、一本木先生。本当朝からテンション高いんだから」


【職員室】


ああ良いなあ~


この職員室、何だか落ち着く。


この木の感覚が良いんだよな。


「鐘城先生。4時間目まで授業ないんでしょう?今のうちに健康診断に来てくださいって、言ってましたよ」


「はい、行って来ます!」


「はあ…体育科の先生みたいだな」



【中町学園前】


えーっと、こっちかあ?


【池】


おっ、釣りが出来そうだな。


おっと、早く行かないと!


【診療所前】


ここだ。


【診察室】


「鐘城さん、どうぞー」


「はい」


おおっ、看護師さんの池畑美令さん。


可愛い。


いかんいかん。


健康診断に来たんだった。


「はい、脱いで」


「はい、って、え?」


晶子さんだ。


「私、この町唯一の診療所の医師なのよ」


「そうなんですか」


そして、診察してもらった。


「はい、着て良いわよ」


「ありがとうございました」


「ああ、言い忘れてたけど、学校給食無くてお弁当なのよ。用意して無かったら、そこの浅田商店で何か買って行くと良いわよ」


【診療所前】


まだ時間有るかな?


良し!浅田商店に行ってみるか。


【浅田商店】


「いらっしゃい。あら、鐘城先生」


「こんにちは」


「うちの子がお世話になってます。浅田未来の母です」


そして、今日のお昼に食べる物を買いに来たと言ったら、浅田のお母さん由紀さんは、海苔巻きとお稲荷さんをすすめてくれた。


お婆ちゃんが毎朝暗いうちに起きて作るんだって。


お昼には売り切れるそうだ。


美味しそ。


浅田のお婆ちゃん特製海苔巻きとお稲荷さんゲット!


うちの近くにも有るんだ、美味しい店。


おじさんが作るんだけど。


やっぱりお昼には売り切れ。


あ!名前も被ってる!


浅田屋さん。


【職員室】


良し!初授業。


行きますか。



【音楽室】


「ママからメール来たのよ。さっきうちの店で海苔巻きとお稲荷さん買って行ったんだって」


「お弁当作りそうにないもんね」


「未来のお婆ちゃんの海苔巻きもお稲荷さんも、すっごく美味しいもんね」


「香、お弁当作ってあげたら?」


「食べてくれるかな?」


「ガヤガヤ」


「えーやだー」


「うるせーな、お前は」


「何だいな、きゃあ」


「そんな事言ったって」


「あ、先生来なったじぇ」


そして、中町学園での初授業が始まった。


生徒数が少ないから、音楽の授業は全学年一緒。


誰だ?


「音楽の先生に見えない」なんて言ってるヤツは。


まあ、良く「体育の先生でしょう」って言われるけど。


「ですか?」じゃなくて「でしょう」だもんな。


最初から決めつけてるし…


人は見かけに寄らないんだよ~


今日の授業は、混声合唱。


「人数少ないから、ピアノのそばに集まろうか」


ちょっと男子の数が少ないけど、皆んな一生懸命歌ってる。


一生懸命も良いけど、楽しくね。


音楽は「音を楽しむ」って書くんだから。


良し良し。


良い感じになってきたぞ。


混声合唱を楽しんで、無事初授業終了。


【放課後の職員室】


今日の授業終わり~


「鐘城先生。明日釣りに行きませんか?」


魚路先生に釣りに誘われた。


「良いですね」


「私も行くー」


「だったら、俺も行こうかな?」


璃子も一本木先生も行くって。


「ちょっとええかえ?」


あ、校長だ。


「鐘城先生。部活の顧問引き受けてごしならんか」


「はい、大丈夫です」


って、言っちゃったぞ。


「月曜日からお願いしますけ」


と言う事で、引き受けちゃたから考えておかないとな。


音楽に関係有る事で、誰でも気軽に入部出来る部活だそうだ。


楽器も無いし、合唱には人数少ないし…どうするかな?


まっ、今日は金曜日だ。


月曜までに考えておこう。



【響の宿舎】


と言うわけで、早起きして釣り~


あの学校と診療所の間に有る池で待ち合わせだ。


璃子はもう起きてるかな?


【隣の家】


「おい、璃子。出かけるぞ」


「待ってよ。お化粧がまだなのよ」


「そんなもん、してもしなくても変わらないだろ」


「何だって?」


いやいや。


「さあ、行くわよ」


【池】


僕達が池に到着すると、2人は先に来ていた。


「この池には、色んな種類の魚が居るんですよ」


「釣りの事なら、魚路先生に聞け。だよ」


さあ、釣るぞ。


「ああん、エサ付けてー」


「俺が付けてあげますよ」


「ありがとう」


璃子と一本木先生は、向こうで仲良く釣ってる。


僕は、こっちで魚路先生とだ。


「おお、釣れた!」


「オイカワですね」


「こっちも、釣れたわよー」


「ああ、あれはウグイだ。もう少しすると、ナマズも釣れますよ」


お昼になった。


魚路先生は奥さんの、一本木先生はお母さんが作ったお弁当が有るみたいだ。


僕は璃子と一緒に、浅田商店に行く事にした。


【浅田商店】


「いらっしゃい」


未来のお母さんだ。


「しょうのけ飯炊いたけ、味見てごしないな」


ああ!噂のお婆ちゃん多喜さんだ。


「しょうのけ飯って何?」


「炊き込みご飯だな」


「良くわかるわねー」


「うちのお婆ちゃんが、言ってた」


「響のお婆ちゃんの出身、この近くだったわね」


「どこだえ?」と浅田のお母さんに聞かれた。


「関金です」


「やれやれ、ほんにえ、関かいな」って多喜お婆ちゃん。


皆んな僕達と話す時は、わかりやすく話してくれるけど、慣れて来たら方言出てるよな。



「はい、お婆ちゃんのしょうのけ飯」


「あわ、美味しそうだな」


「山菜の炊き込みご飯ね」


「食べてみて」


「いっただきまーす」


「うーん」


「美味しい」


そんなワケで、多喜さん特製のしょうのけ飯をゲット!


「あ、でも、生徒のお宅から頂いちゃまずいわよ」


また問題になって、ああだこうだ言われるか?


「さーなこまい事ぁ、だれんも言わーしぇんけ」


【池】


池に戻ると、2人はお弁当を食べずに、僕達を待っていてくれた。


お昼を食べていたら、猫が来た。


「キャー可愛い」


「コイツ町猫なんだ」


「あ、ダメダメ、味の付いてる物あげちゃ」


「えっ、いつもやってるぞ」


「塩分多いと長生きしないから」


「響猫好きなのよ。家にたくさん居るの」


僕は、釣った魚を猫にあげた。


本当は、ちゃんと煮てからあげたいんだけど…


「俺のも食え」


「猫の事は、響に聞け。よ」


【響の宿舎】


家まで猫が付いて来た。


真っ白な女の子だ。


「シロ」


「ニャー」


まんまなネーミングだけど、きっと皆んなにそう呼ばれてるんだろうな。


あ、キャットフード買って来よう。


コンビニに行けば有るだろうな。


【中町】


急がないと、遅くなるとこの辺りは真っ暗だからな。


【下町】


僕は、階段を駆け下りて駅前のコンビニへと急いだ。


【コンビニ】


店に入ると…


あれ?


あそこに居るのは…


ああ、やっぱり、朝風香だ。


「香」


「えっ?響先生」


やだ、私の事名前で呼んだ。


あ…私もだ。




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