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短編集

ボトルトイレ

作者: ゆきびし

 ――もう少しで漏れる。

 電車内。急な便意に襲われた男はそう思った。殿筋を引き締め臨戦態勢に入り呼吸を整える。

 ――洋式はあったか。

 構内図を脳内で展開し便器までの最短経路を導き出す。予想所要時間は二十秒弱。

「降り口はあ右側でいす」

 アナウンスが終わり、目つきを変える。停車は近い。

 ――いま楽に!

 車両扉が開き競歩で駆け抜ける。眼前には男性トイレのマーク。いよいよ便器とご対面! と思いきや鍵のかかった扉には数人の列。万事休す。

 ――考えろ!

 どうすれば便器を使わず排出可能か。思考を張り巡らせ、閃いた。

 ――ペットボトル!

 鞄から飲みかけの容器を取り出し、自らの排出口に当てる。位置確認よし、あとは素肌を晒すだけだが。

 ――さすがに人前ではやばいか。

 その場を離れ改札を抜けるとコンビニを発見。

 ――あそこなら人目につかない!

 急いで店内に入り、店員の挨拶より早く男は叫んだ。

「トイレ借ります!」

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― 新着の感想 ―
[一言] いいオチだったと思います。 もう少し短ければなおよかったです。
2014/08/04 20:35 退会済み
管理
[良い点] 原稿用紙一枚でオチがあるのはいいことだと思います。 文体のスピード感も極力無駄を省くことによって普通より倍速に感じられました。 [一言] それでせっかくのオチですが、作者さんの言う通り、わ…
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