彼氏ためなら~番外編~
どおしても、先輩と別れるのは嫌・・・
だって・・・初恋だったから・・・―
入学式、貧血気味な私は今にも倒れそうな
青白い顔色だった・・・
階段を降りていると、
いきなり、
「顔色悪いけど、大丈夫?新入生だよね?」
・・・先輩だった・・・
第一印象がチャラかった・・・
「・・・はい。大丈夫です・・・」
「本当に?保健室まで連れて行こうか?」
私はこの人が苦手だった・・・
見栄をはって、
「自分で行けます・・・」
と、言ってしまった。
階段を一歩踏み外し、
あと、16段は有るだろうところから、
落ちたその瞬間!
先輩がジャンプして私を抱きかかえて
階段から落ちたのだ・・・
一生懸命私を守ってくれた―
私を守ってくれた人・・・
感謝の気持ちでいっぱいになった・・・
でも、そんな気持ちよりも
[愛しい気持ち]
でいっぱいになった・・・―
私のせいで、サッカーの試合のレギュラーから外されたらしい・・・
でも、決して嫌な顔は一切しなかった・・・
「おはよ!」
先輩だ・・
「おはようございます」
「襟がおかしいぞ!新人なんだから、制服はちゃんと着ろよな!」
私は下を向いていた・・・
・・・・・・・顔が真っ赤だったから・・・
「・・・・・・はい。」
「しんどいのか?階段から落ちるなよ!まあ、俺も人のこと言えねえけど!あはは」
「気をつけます。」
「おう!じゃあな!」
お互い手を振った・・・
[胸が締め付けられるような感覚・・・]
多分、私はそのときから先輩のことが―。