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4 盗賊団

 雨蛙と小娘が旅をしていると、盗賊団のアジトを見つけた。黒蜘蛛城に行くためにはここを通らなければならない。

 盗賊団は女を平気で強姦するような危険な連中で、あや子がこのまま通り抜けるのは危険だった。そこで、あや子は服を脱いで丸めて、落ちている子供服を着込み、男装することにした。

 盗賊団は血も涙もないやつらで、五歳児のあや子といっても襲われる危険があったからだ。髪をしばりあげ、帽子の中に入れてしまえば、あや子は格好いい五歳児の男の子に見えた。そして、雨蛙と男装の小娘は、情け容赦ない盗賊団のアジトを通り抜けることにしたのだった。

「声を出すなよ、あや男」

「わかってる、雨蛙」

 そして、男装した小娘と雨蛙は、酒を飲んで酔っ払っている盗賊たちの間を通り抜けていこうとした。

「やい、なんだ、この巨大な雨蛙は」

 注意を引いたのは、むしろ、雨蛙の方だった。等身大の雨蛙である。人里を通れば、嫌でも目に付く。

「気にするな。ちょっと通らしてもらうだけの旅の者だよ」

「しゃべれるのか、この雨蛙」

 あまり盗賊団の注意を引くと、隣にいるあや子が心配だった。子供相手にどんな悪戯をするかわかったものではない。

「どうなんだ、坊主。おまえの連れか」

 聞かれて、びっくりしたあや子は、

「そ、そうだ。気にしないで。害はないよ」

 と弁明した。

 このまま、盗賊団のアジトを通り抜けようとした雨蛙とあや子だったけど、ちょっと問題が起こった。今、目の前で女の人が三人、盗賊団に力づくで服を剥がされようとしているのだ。これは見捨てておけない。

 男装のあや子は、女の人三人を助けるべく、盗賊団に棍棒で殴りかかった。

「なんだ、坊主。邪魔するな。おまえのちんちんをさらして吊るし上げるぞ」

 汗がだらだら流れたあや子だが、毅然と対決した。

「旅をする女性をかどわかして襲うなんてとんでもない卑劣漢どもだ。成敗してくれるから、覚悟しろ」

「おれも協力するぞ、雨蛙だ」

「ふざけるんじゃねえや、坊主。こっちはお楽しみだってのに。クソ餓鬼が」

 怒った盗賊があや子の服をつかもうとしてきた。その前にすかさず、棍棒で叩きつけるあや子。痛がる盗賊は起き上がれなくなったみたいだ。

「クソッ、この坊主、冗談じゃねえぞ」

 残りの盗賊たちも、慎重に距離をとって、棍棒で一撃を与える作戦で、一人、また一人とやっつけていった。汗が、流れる。筋肉が痛い。

 しかし、なんとか、男装のあや子と雨蛙で、盗賊団をみんなやっつけてしまったようだ。

 助けてもらった女性たちがきゃあきゃあ喜んでいる。

「ねえ、雨蛙。盗賊たちの宝があるよ」

 見ると、家の中に財宝が山のように積まれていた。

「これは、盗賊団をやっつけたあなたたちのものですよ」

 と女性がいう。

 一躍、大金持ちになってしまった雨蛙とあや子は、ひとまず、財宝を荷車に積んで、持って行くことにした。

「なあ、やっぱり、財宝をちょろまかしたらいけないんじゃないのか。このお金は、おれたちで貧しい人のために使おう」

「うん、そうだね。それがいい。こんな大金、持ち運んで旅なんてできないよ」

 そこで、雨蛙とあや子は近所の宿無したちに全額寄付することにした。

「え? こんなお金、もらっていいのかい」

「どうぞ、どうぞ。たぶん、あなたたちが盗まれたお金ですから」

 財宝を受けとった宿無したちは泣いて喜んでいた。

「さて、そろそろ、もとの服に戻ろうかな」

 そして、あや子は男物の服を脱いで、ちょっとおめかしした女の子の格好に戻ったのでした。


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