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魔王が滅ぶその日まで…  作者: 空白


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1/1

序章

ある日、その少女はこの世界に生まれた。

しかし、その子は忌み子として扱われる事となる…


王国「サンレオ」ここが、物語の始まりの舞台である。

王国を統べる、現国王「ローレル・キュグリバー」は政治力、経済力、軍事力ともに優れた采配ができる素晴らしい王であった。

しかし、どんな人間にも欠点は存在する。

ローレル王の場合は、過剰すぎる色欲である。

本来、王家であれば正室として由緒正しき貴族の娘や、属国や友好国の姫君を迎える。

しかし、ローレル王は正室を迎える事はなかった。

ローレル王は場内のメイド、街娘、遠征地など、あらゆる場所で好みの娘がいると、側室に迎え入れた。

その中には、奴隷の身分であった者もいた為、この国では王に見染められれば側室ではあるが身分が格段に上がるとして、皆娘を重宝する文化が形成されつつあった。


王家「キュグリバー」家は、金色の髪と空のように澄んだ瞳が特徴の一族であった。

また不思議なことに、王家の血が入っていれば誰と結ばれようともこの特徴が出る。

この不思議な現象のせいで、神の加護で守られた王家だと、この国の人間は信じている。


そんな王家に、忌み子が生まれたのは、王が33歳の時の出来事だ。

その子は、漆黒の髪と漆黒の瞳を持って生まれた。

12代続いている王家で一度も起こったことのない、由々しき事態であった。

そこで、王はその子の母親と子供を、城の地下に幽閉した。

この件は、国内に知られる訳にはいかない、王家の加護を揺るがす。

そのくらいの非常事態であった。


母親の名は「フェン」

元は奴隷の身分であり、出身も親も知らない。

12歳の時、奴隷として売られていたとこに、王が通りかかり王に買われた。

暮らしは一変した。衣食住の全てが安定し常に清潔でいることができた。

側室同士のいざこざに巻き込まれた事もあったが、人と関わるのが苦手であった為、自室に籠るか隅で大人しくしていた。

些細ないじめにもあったが、元々奴隷であるが故なのか、全く気にもならず。

面白くないのか、すぐにいじめはなくなった。

王は、50人程度の側室がいるが、一人の名前も顔も忘れない。

城にいる日は、誰かが必ず呼ばれる。

城に住んで、数年たった頃にフェンは王の子を身籠った。


王はフェンが子供を生んで直ぐに、地下牢に幽閉した。

名前も付けてもらえずに。

フェンには知識が足りなかった。

優しかった王が、

なぜこのような仕打ちをするのか…

なぜ名前を付けて下さらないのか…

自分が何か悪いことをしたのか…

答えはわからない。しかし、目の前の我が子を守らなければ、そう誓ったのだった。

「あなたの名前は…レーヴァ、」

そうフェン呟くと、その子が微笑みかけてくれたように思えた。


これが、魔王誕生の話である。

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