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第33話 面接の試験



 受験三日目。


 ついに試験も最終日だ。

 この面接の試験如何によって、上位に食い込めるかどうかが決まる。


 僕とリノア姉さんは、例のごとく、面接が行われている教室の前に置かれた椅子に並んで座り、順番が回ってくるのを待っていた。


「面接って何を聞かれるのかしらね?」


 リノア姉さんは、さっきからそわそわとして落ち着かない。

 畏まったことは苦手だからね。しょうがない。


「当たり障りのないことだと思うよ。この学園を志望した動機とか」


 前世では、高校受験、大学受験、そして、入社試験と経験してきた。

 この世界の面接も、内容は大して変わらないだろう。


「私は、何としてでもSクラスに入りたいの。絶対に失敗はできないわ」

「リノア姉さんなら大丈夫だよ」



二人でそんな会話をしていると、面接を受けていた少年が教室で出てきた。


「次、リノア・フォン・アイシュリング」

「はい!」


 誘導係の呼びかけに、立ち上がりながら元気よく応じ、リノア姉さんが、教室に入っていく。



 それから、十五分程──。


 リノア姉さんが教室から出てきて、「次、デュアル・フォン・フォルマ」誘導係のその呼びかけに、「はい」と答えて立ち上がった。


 教室の前に進み、ドアを三回ノックする。


 中から、「どうぞ」といらえが返ってきた。


「失礼いたします」


 奥の横長いテーブルには、五人の面接官が並んで座り、こちらへと視線を向けている。


 教室に入り、ドアの前で面接官に向かって一礼。その前に置かれている椅子の横に立ち、「どうぞ」と促され腰を下ろす。


「では、まずは自己紹介から始めてもらいましょうか」


 中央に座る丸眼鏡をかけた温和そうな男性の面接官に求められ、話し始めた。


「はい。名前は、デュアル・フォン・フォルマ。アイシュリング伯爵家の嫡男で、昨年の秋に男爵に叙爵され、国王陛下より、フォルマの姓をいただきました。今年で十五歳になります」

「その若さで男爵とは、過去に例を見ない。素晴らしいことだね」

「ふん。たかがそこそこ目新しい発明を何点かしたぐらいでしょう。そこまで評価される理由が私には分かりませんな」


 右端に座る痩せた男性が、爬虫類を思わせる切れ長の目を細めながらあげつらう。


「それだけではなく、盗賊団の壊滅においても多大な貢献をしたらしいですよ」


 丸眼鏡の男性は、とりなすようにそう補足してから、


「では次に、この学園を志望した理由を聞かせてください」

「はい。僕の理念を果たすのに、この最先端の魔導技術を結集したシステムによって成り立っているウァリエタース王立学園が、最も相応しいと考えたからです」

「ほう。その理念とやらを聞かせてもらおうじゃないか」


 左端に座る金髪碧眼をしたエルフの女性が、楽しげに声を弾ませる。


「はい。僕は、”美しい生き方”を追求したいと考えています」


 僕が答えると、


「あはははっ! これは面白い! 長年面接官をやってきたが、そんな珍奇なことを言い出したのは、君が初めてだ!」


 大笑いされてしまった。

 これは評価としてはどうなんだ?

 エルフの女性は、さも可笑しげにその美しい顔を綻ばせているけれど⋯⋯。



 その後は、卒業後の夢や目標などを聞かれて、面接は終わった。



   §



「合格発表は、三日後かぁ。でも、分かるのは合否だけで、どのクラスに配属されるかは、四月の入学式になるまで分からないのよね。焦れったいわ」


 試験を終え、宿の部屋に戻った僕達。

 Sクラス入りを目指すリノア姉さんは、やきもきしているみたいだ。


「たぶん、僕達全員がSクラス入りしてるんじゃないかな。見たところ、他の受験者たちで目立った活躍をしていたのは、数人程度だったからね」


 と僕。


「私は試験内容には自信があるんですけど、ハーフエルフであるということで、無下にされ、評価が落とされてしまわないかが、唯一の懸念です」


 とレティシアが眉尻を下げつつ。


「私、実技で実力を発揮できなかった。鎌を用意していないなんて、配慮が足りない」


 ニベアが不満げに。


「レティシアは、魔法も武芸も満点でしょうからね。ニベアも、それなりにはやれていたじゃない」


 リノア姉さんが二人を励ます。


「もしクラスが違っていても、昼食は一緒に摂れるだろうし、住む家も同じなんだから、離れ離れになるわけじゃないさ」


 と僕。


「それもそうね。それじゃあ、そのことを考えるのはもうやめにして、合否発表の日までは、王都を遊び尽くしましょうか」

「「「賛成です」」」




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