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Episode:視線合わせ(完成!アイテム”擬人化器官”)

二度目の地球の叫びを聞く前日、一同は弐本の地下研究施設の大広間に集まっていた。


博士は康美のサポートを受け壇上に立っている。


「みなさん、いつもありがとう、さて、厄災を乗り越えて、私たちは今に生きている、残念じゃが、地球のメッセージ以上の対策は打てんじゃった、しかし、弐本国民誰も命を落とすことなく、この日を迎えられたのは、みんなのおかげじゃと思うとるよ、改めて礼を言わせてくれい、”ありがとう”。そうしてこれからのこと、みんなの近況などをお披露目し、夢を語る場にしたいと、今日は思うておる、じゃぁ、成神君、後をよろしくのぅ」


続いて成神が壇上に立ち「まずは、博士、一日も早いご回復をされるよう、無理はしないでください。みんなも博士に余計な心配をかけないように、お願いしますね。」


「では、早速、近況報告から、最初は、康美さんから、お願い」と成神は壇上にいる康美に手招きした。


壇上で最初に康美は、父の看護のために、Teamsの活動から離れたことをみんなの前でお詫びした。


「康美です、父の看護のため、活動を一時離れていること、ご迷惑をおかけします。看護をしながら、今は擬人化器官の調整を行い完成させました、よりヒトらしく、できるだけデザインも指定できるようになり、永久的に擬人化することも可能になりました。またその器官をセイバースーツのベルト部分に付加しています。残念ながら、まだ、擬人化器官そのものは、ドゴーラに複製させても、完全に稼働させるまでは複製できないという問題があり、今は、ローズッド星での採取にかかっています。」


「そして、新しいメンバー、タルトとQクロウです、そしてローズウッド星の最後の一人ウドノさんです、タルトとQクロウは私のサポートを、ウドノさんは父の主治医をお願いしています。皆さんこれからもよろしくお願いします。」


タルトは恥ずかしそうに「タルトです、スキルはタイムスキップ、未来に行くことです。でもまだ未来から帰ってこれません」と言うと、会場から、笑いと”かわいい”という声援が飛んだ。


続いてQクロウが「私、Qクロウ、皆さんよろしくお願いします。私のスキルもタイムスキップ、タルトと違い過去にしかいけません。もちろん戻ることもできません。でも、私とタルトが力を合わせれば時間旅行が可能になります、これから二人で力を合わせてスキルを研いて行きたいと思います」と頭を下げると”がんばれー”と言う声援と拍手が二人に向けられた。


続いてウドノが中央に立ち、挨拶を始めた。


「わたくし、姓は ”ウドノ” 名は ”タイボク” と申します」と自己紹介すると、会場は大爆笑となった。


「誰だ名前つけたの・・・想像つくがな」との声援に、また大爆笑となり、ウドノは自己紹介を続ける。


「さらに成神さんから”ウッディ” の名を、榊さんからは ”ザイモック” と言う名を、御神さんからは ”マルタン” と言う名まで沢山頂きました」というと、「やっぱり”独活の大木”って付けたのは・・・・か」の一声で会場は何度目かの大爆笑となった。


そんな時、泣きそうな顔でタルトは康美とQクロウ二人の顔を見上げ、「ずるいよぅ、たくさんもらって」と訴えていた。


そこへ神原が、ツカツカと壇上に上がり、「次は私ね、ご想像の通り名付けの親は私よ、ほら、ボーっとしてないで、そこどきなさいよ、ほんとに独活の大木なんだから、次からば ”ボー”って呼ぶわよ」と言うとウドノは「今度は神原さんからも ”ボー” というニックネームまで頂きました、私は果報者です」と言い更なる笑いを誘った。


「そして断層切断の進捗だけど、やはり大津波の影響は避けられないみたい、となると大国4国の同意がないと進められないわ、ただ、惑星リザッドの彼ら、右からリザレッドと、しっぽが切れてるのがシッポーナ、で自称賢者のミエハルと一緒に一番影響の少ない方法をシミュレーションしてるわ、以上」すると、リザレッドが「皆様、今、ご紹介に・・・」と言い始めると、神原は「成果の出てない私たちは、自己紹介しなくていいのよ」と言って三人を押し返すような姿が、また会場の笑いを誘っていた。


「つぎは俺と御神の活動だな、最初は康美も入って三人で惑星資源の探索を始めたんだ、しょっぱなの作業は行ってきた星々に衛星監視キットの設置だな、リュート、ガリュー、リザットには設置したよ」


「とまぁ、ここまでは順調だったんだが、博士が倒れちまって、康美が抜けてよー、二人じゃ手が足りなくて、おまけにローズウッドのザイモックをスカウトしてきたら、それも主治医に採用されちまったから、開店休業状態だ、なっ、御神よー。」


「だから今俺は、防衛装備品の開発をやっているよ、まぁ、よろしく頼むぜ、みんな!」


すると榊の横に、御神も立ち「はい、そう言うことです。皆さん御神望です、と言うことで、私は今、開発品目のリストの作成と、ひょーっとすると特許を取ることになってもいいように、世界基準の申請をする準備を進めてまーす!よろしくお願いします。」と続いた。


最後に成神が壇上に立ち「最後は俺かな?」というと”待ったました!”と掛け声と、大きな拍手で会場が沸いた。


「えーっと、私からは絶滅危惧種救済活動についてです。」


「私たち、ガルム隊長、コダイリーダー、エルダー、グリム、ザットン、エルム、ジーラの8人は、喫緊の救助が必要な種族がいる5つの惑星を探索し、それぞれ生命体、精神体の保護と衛星監査キットの設置を行ってまいりました。」


「バラージ星とビラージ星からは、昆虫型生物の保護を」と言いかけて、成神はある一角を指さし紹介した。


「ビラージ星のサソード王とサソルナ王妃、そしてカブトムシのように見えるのはキングオー、アリ型は、アントール、そしてクワガタムシ型の、クリッパー、スズメバチ型は、クインビーです、皆さんよろしくお願いしますね」


「それからあと200体ほどの仲間と、500個ほどの卵も保護しています。」


「続いては、ローズウッド星の、ウドノさんね、もう紹介はいいよね」・・ハッハッハーと笑いが起こる。


「つぎは、ガンロック星のメテオールさん」というと、メテオールは「他にも王がおるのか、今度手合わせを・・」と言うかけると、成神は「メテオールさん、そういうのはいいから」と言い、脱線しかけた話を戻した。


「そして最後はオートニアのJOジョー族の28個体、今日はその中のリーダーをやってもらうレイに来てもらった、レイさんです」


レイはかしこまって挨拶した「レイです、命を救って、いや作ってもらってありがとうございます、これからよろしくお願いします。」


そして成神は未来の話を始めた「皆さんレイを始めとする28体は、これからオートニア星を創られた地球、オートニアースに改造する作業をしてもらいます」


「きっといつか必要な時が来ます、みんなで知恵を出し合い素晴らしい地球を創って行きましょう」と言うと大歓声となり、近況報告会は幕を閉じた。


「これで、スタッフを含めみんなの未来への目線が合ったのぅ、この結束の力は強力じゃて、わしは安心じゃょ、成神くん、榊くん、神原くん、御神くん、娘を、スタッフみんなを導いてくれぃ」


すると神原が例の調子で「博士、なーにきれいにまとめちゃってんの!、死ぬんじゃないわよ、ちゃんと病気直しなさいよね」


「それと、榊と成神!あんたたちのヤルことナスことが、一番博士の病気に影響するんだから、しっかりしなさいよね、わかった!」と二人を笑って見つめていた。


その頃、地球からさそり座の方向におよそ150光年離れた地球によく似た星、ガイアック星があった。


ガイアック星の大きさは地球とほぼ同じ、ただし大気は二酸化炭素およそ80%、窒素20%、他という成分で構成されいるが、そこには赤い目をした、人間が存在していた。


ある夜、ガイアーク人シズビーはガイアーク星の残留思念を感じ取っていた。


「大変、ドーラ起きて」とシズビーは妹のドーラを起こした。


「なに、シズビー」とドーラは尋ねると、シズビーはガイアークが、環境構造変化を起こし、ガイアーク星の生物が死に絶えるという思念を感じ取ったと話した。


「ドーラは何も感じないの」とシズビーが聞くと、ドーラは意識を集中させ未来予知を始めた。


するとガイアークが死んでいく姿が見えた。


それは赤い星だったガイアーク星が青く、大気も酸素と窒素の星となり、とてもガイアーク星の生物が生きられる環境にない悲惨な姿が見えた。


「大変、提督に知らせないと・・・その前にデニーゼ兄さまに!」二人は身支度を整え、総統府に使えるデニーゼのもとへ急いだ。


「おお、シズビーとドーラじゃないか、なんだいこんな時間に」二人は兄デニーゼに感じ取った事をゆっくり落ち着いて話した。


「そうか、話だとよく伝わらんな、”入るがいいか”」と二人に尋ねると、二人は頷き目を閉じた。


この三兄弟はあるスキルをもって生まれてきた。


兄デニーゼは憑依能力トランス、長女シズビーは残留思念サイコメトリー、妹ドーラは未来予知プロディクションのスキルを持っている。


デニーゼは二人に憑依し、それぞれが見たものを、感じたものを、実体験したのだった。


「こっ、これは、ギール提督に知らせなければ」とデニーゼは正装に着替え提督のもとへ向かった。


幼いころから寝食を共に過ごしたギール提督はデニーゼに全幅の信頼を置いていた「なんだ、デニーゼか、一体こんな時間にどうした」


「今から見せたいものがある、トランスするがいいか」と言うとギール提督は、この三兄弟の能力を幼いころから知っていたため、躊躇わずに「いいさ」と答え、トランス状態の中で、シズビーとドーラの体験を確認した。


彼らの言うことは今まで一度も間違わないことを知っているギール提督は「大変じゃないか」とデニーゼに詰め寄った。


「それはいつだ」とギール提督はさらにデニーゼにさらに詰め寄ると、デニーゼは「いつかははっきりしないが、ドーラの未来予知のイメージを見ると、ガイアック星の南の氷の様子が3回変化しているのがわかる」というと、ギール提督も「おぉ、確かにそう見える、では、今より3暦と少しと言うことになるな、このイメージだと、防ぐことが出来ないと言うことでいいな」と確認をするようにデニーゼの答えを待った。


「あぁ、そうだな」と言うと、デニーゼは改まって「ギール提督、私たち三兄弟に、次なるガイアーク星を探す許可と、宇宙を渡る艦隊の使用許可をお願いします」と膝をついた。


「何を言う、私も行くぞ、場合によっては、惑星間交渉、最悪戦争にも発展しよう、その判断は星の代表、私の仕事だ!幹部全員に指示を出せ、艦隊の半数をこれに充てると」と言うギール提督にデニーゼは「ハハッ」と敬礼をした。


その後わずか三日で準備を整え、ガイアーク艦隊は第二のガイアーク星を求め旅だった。

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