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Episode:異星の救済レポートⅡ(木々の星ローズッド)

雷鳥号の一室、成神はメンバーに向けて話を始めた「次の星は木々の星ローズッドだね、木々と言うからには、植物が群生する星なんだろうけど、絶滅の危機と言うからには、この星同様最悪な状況も考えておこう」


ガルム隊長も資料を読みながら「植物といっても、吸血、毒を吐く、食虫植物のような肉食などのやばい奴も多い、それに種族の救済か、星からの救出かという事情も行かないとわからない、状況を把握するためにツーマンセル(二人一組)で行動してもらう」


「エルダーはこの星との件もある、成神さんは、雷鳥号に残り3チームの調査状況をまとめて欲しい、よって、エルダーと成神さんの二人は雷鳥号で待機だ、私とジーラ、コダイとエルム、グリムとザットン、これで行こう、いいね!」


成神が「では行こう、いつもの確認だ!、ガルム隊長、全員揃ってるね!コダイリーダー、準備OKかい」と尋ねると二人は揃って「大丈夫だ!」と答えた。


続けて成神が「のぞみスコープ、ロックオン完了、かみはらワープ!」というとバラージ星から雷鳥号がワープした。


「・・・・・・・到着だ!」


到着した雷鳥号の中に、神原翔子が突然現れた「ふーン、ここがローズッド星、見渡す限り木ねぇ、んで?ここで、何探すの?」


「神原さま、よくいらっしゃいました」と名づけの親である神原の訪問にコダイは感激していた。


「あっ、そうだ!エルダー、康美が呼んでたよ、だからこの星の時だけ交代ね!たまには私も外で体伸ばしたいわ、地下仕事は、いるだけで自然と体が丸くなっちゃうから」


「では、私たち3チームは、雷鳥号を中心に三方に分かれて調査を始めます、雷鳥号のすぐそばには大木があるのでちょうど目印になるな、ではお互い交信をしながら、始めよう!」とガルム達は三方にわかれ活動を始めた。


「成神もケッコー楽しいことやってンじゃん、どう彼らは?」


「そうだね、ガルムを筆頭にあの7人は、十分に成長してるよ、それぞれ単独行動しても、成果を十二分に出すだろうね」


「へぇー、評価高いのね、あいつら。うちは、リザレッドと、しっぽが切れてるシッポーナと、自称賢者のミエハル、最初に出会ったあの3人くらいね、一万二千もいるのにね」


「相変わらず見たままのネーミングだな、センスなのか? まぁいい、リーダーの育成が喫緊の課題だね、そうだ、教育AIを作ってみようか?寝ている間に勉強させてみよう」


「あんたも相変わらずね、寝たいときには、寝かしてあげなさいよ、それ虐待だからね」


「ところで神原、今日来た本当の理由は何だい?」


「さすがクールね成神、少し外で話さない?・・・外のあんたたち、しばらく通信切るわよ!よろしく」


「じゃぁ、この木の下で話そうか、それにしても大きな木だな、でも、この辺にでかいのはこの木だけだな」と成神は見上げた。


「成神!気づいてる、最近の博士」


「康美さんが、最近、体調がすぐれないって、言っていたよ・・それがなにか?」


「こういうことには鈍いわね、重い病気を患っているみたい、今回の、厄災のことで疲労が重なって、病状が進んだみたいよ」


するとどこからか、「それは、お可哀そうに、ここでも同じことがおきまして、どーやっても治療薬が見つからなかったのです、薬草や医療に関しては宇宙一と自負していたのですが、こんなにもある植物は、昔はみんな言葉を発していたのに、自我があるのは、もう私だけになってしまいました」


「その博士の病気も私の医療技術で何とかして差し上げたい所なのですが、物言わぬ木々たちが足に絡まって身動きも取れず、どうしようかと悩んでおりました、そうしておりましたら、また、このでかいもの(雷鳥号)がやってきて、ちょうど、私のつま先を抑え込むように降りてきたわけです。あのー、ちょっと、どかしていただけないでしょうか」


「ふーん、それは悪かったわねぇ、って誰、あんた」と神原は木を見ていた。


「別に名を持つものでは、ございません」と大きな木が目を開けた。


「それじゃあ、こっちがやりにくいのよ、いいわ、付けてあげるから、私は、神原翔子よ、苗字は神原、名は翔子、そして別名 ”リザレの神” よ、ちゃんと覚えなさいよ」


「いーやー、彼女が名付けするのは、ちょっとどうかと思うぞ、断ってもいいんだぞ」と成神は即座に反応した。


「名前とはいいものですね、興味がわきました、是非に名づけを!」


「そーねぇ、見た感じからだと、苗字は ”ウドノ”、名は ”タイボク” って感じかしら」


「あ~ぁ、やっぱりそうなるよね、おい、いいのかい・・・」と成神が言いかけると、「ウドノ、タイボク・・なんて素敵な、これが私の名前、気に入りました。これから会う人みんなに、名前を披露できます、自慢できますね」とウドノが喜びを伝えると成神は「さすがにフルネームでは呼びにくいし、どっちを呼んでも見た感じから想像できちゃうから、わたしは別名を付けさせてもらって”ウッディ”って呼ばせてもらうよ」


「別名まで頂けるなんて、ウッディ・・ありがとうございます」


「成神はセンスないわね、どこにでもある名前ね」


「ところでウッディ、聞くけどこの星に自我を持った生命体は君だけかい」


「さようでございます、もう皆自我はありません、ただ増えるだけのようです、このようになってから、ずいぶん時間がたちますが、私だけは、その病に罹らずにおります」とウドノが寂しそうに話した。


「それにさっき、歩くっていってなかったかい」と成神が根元を眺めながらウドノに尋ねた。


「さようでございます、あなたたちのように、擬人化し二足歩行が可能です、休む時は擬人化を解き、根を伸ばし立ったまま就寝するのです」


「なんでよ、メンドクサイ、人間のように横になって寝ればいいじゃん」と神原が言うと「そういわれましても、生まれながらの習性でございまして」とウドノが答えた。


「それにしても大きいね、僕ほどの大きさに小さくはなれないの?」と成神もすぐに次の質問を始めた。


「もちろんできますとも、擬人化のプロセスに大きさを加えるだけですから」とウドノが答えた。


「そのスキル、ビラージの彼らにも使えるな、ドゴーラボスやガルム、リザレッド達に使ったらどんなになるかな、興味湧いてきた」


「ウッディ、この液体に向かって、その擬人化ってやつを大きさ条件も加えて使ってもらえるかい」と成神はスキルコマンダーの入った瓶を手に取った。


「いいえ、それは能力ではなく、私たちの体の器官の一つとしてあるのです」とウドノが答えると神原が「えっナニ、私たちでいうと、胃とか肺とか、心臓みたいに?グロイわね」と舌を出した。


「そうか、体の器官なのか、それじゃドゴーラで増やすとすべてを複製してしまうな、別に種を増やすことはいいんだが、その器官だけを僕たちにも使えないかと思ったンだけど、諦めるか」と成神がブツブツとつぶやいている。


「ご入用ではないのですか、その器官は大したものではないのです、採っても擬人化ができなくなるだけで命が立たれるわけではありません、ここには自我を失った多くの仲間が今は動かすにおります、それこそ数万、数百万も、彼らからもらえば良いのです、もう使わない器官なのですから」とウドノが提案をしてきた。


「じゃぁ、盲腸みたいなものね、ヤッパグロイけど」と、また神原は舌を出している。


「ウッデイ、擬人化してみてよ、それと、その擬人化器官はどこにあるんだ、もらって行くがいいかい」と興味深く成神はウドノに話している。


すると、ウドノは「大きさのプロセスは登録しましたので、いつでも擬人化できますが、その前に、この塊をどけていただけないでしょうか」


「そうだね、ごめん、今、雷鳥号を動かすよ」・・・「これでいいかい!」


「ハイ、十分でございます、では擬人化を」というとみるみる小さく、そして人に近いものになっていった


神原はヒト型となったウドノを見て「なにそれ、おかしい、あんたスタイル良くないわね、頭も大きいし」と笑っている。


「これでも、この擬人化のプロセスは、当時流行りのものでしたが、変でしょうか」とウドノは二人の顔を見ている。


「プロセスを書き換えられるのなら、人間の男女を見て研究しなさいよ、いいわね!」と弐本の雑誌を神原はウドノに渡した。


「でっ、どうやって摘出するんだ、その器官を・・・」と成神はウドノの体を見た。


「とりあえず、このウドノがいくつか取っておきます、それから摘出方法も記しておきましょう」


「あぁ、ウッディ頼んだよ」と成神はウドノの肩あたりを”ポンッ”と叩いた。


「それより、成神、あいつら何やってんの? 何か探し物?」と今さらながらと神原は探索に出た各チームを思い出して、成神に尋ねた。


「いけない、もうここにいたんだ!連絡しなきゃ」と成神は慌てて連絡を取った。


「もっと早く気づきなさいよ、成神!そういうとこよ、いつもよ!、それにウドノも重いものがつま先に乗っかったら、痛いとか反応しなさいよね、ボーッと突っ立てるだけなんで、ほんと、独活うど大木たいぼくね」


「それをいっちゃ・・・」 成神は3チームに帰還命令を出した。


「皆様、改めまして、わたくし、ウドノ、タイボクという名をいただきました、よろしくお願いいたします」


「成神さん、探してたのって、アレ? 目の前にあったやつなんですか」とガルムが怪訝そうな顔をして話してきた。


「ハハッ、そうみたいだね、すぐに連絡取らずに申し訳なかったよ」と成神は頭を下げた。


「いいえ、あいつらを見てくださいよ、外を走り回ったんで、あんなにイキイキしてますよ、いい息抜きになったと思えば、いいんです。あと二つの星、どんな厳しいものになっても、今日の息抜きがあれば、乗り切れますよ」というガルムが一番嬉しそうに尻尾を振っていた。


「へぇー、尻尾って正直なのね、成神、今日のところは帰るわね、例の件、気にしておいてね、じゃねっ」と言って神原は戻っていった。

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