ようこそ笑顔神社へ(51)鶴編
これは空想の神社です。
創建は、令和三年十二月三十日。
主祭神は、亀乃長命です。
自分のことを、亀さんと呼びます。
この神社の御利益は、笑顔です。
たくさんの人に参拝してもらえたら嬉しいです。
※笑顔神社の造り方は、1話から書いています。
※たまに友人の鶴乃長命も登場します。
とあるBARのカウンターで、〈Sade の Kiss of Life〉を聴きながら、スパイシートマトジュースを飲んでいると、鶴乃長命さんが現れました。
亀さんは、とても嬉しくなりました。
というのも先日、二度と会えないかも知れない、みたいなニュアンスのことを言われていたからです。
鶴さんを、まじまじと見る限り、先日とはさほど変化はなさそうでした。
鶴さんは、言いました。
【あれから鶴さんは、将棋の勉強を始めました。最近、駒の動かし方が分かるようになったんですよ】
これは先日、鶴さんが言っていたことでした。
というのも先日会ったときは、将棋のことなどまったく分からなかったのに、今では将棋の駒の動かし方が分かるようになっていた、ということなのです。
つまり、今、目の前にいる鶴さんは、先日の鶴さんではないのです。
なんだか不思議な気持ちになったと同時に、生きてくれていてよかったと思いました。
そして亀さんもあれから少し変化がありました。
それは、毎朝、美味しいコーヒーを飲むようになったのです。
鶴さんから見ても亀さんは、以前の亀さんではありません。
お互いさまです。
鶴さんは、言いました。
【これを言葉にすると、〈一期一会〉になります】
この言葉に、そんな深い意味があったとは、今の今まで知りませんでした。
マスターは、選曲をしながら微笑んでいました。
もちろん、マスターと亀さんとも一期一会ということになりますね。
ようこそお参りくださいました。




