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笑顔神社  作者: 亀乃長命
198/288

笑顔神社(198)自給自足

今日の予報は、

〈乗る 時々 話す〉

Soul Bar 黄色三日月のカウンター席に座ってスパイシートマトジュースを飲みながら〈Michael Jackson の Human Nature〉を聴いていると、鶴さんが現れました。

そしていつものように話し始めました。


【山奥で自給自足の生活をしていると、「大変そうですね」と人からよく言われます。

けれども自分は、ほとんど何もしていません。

種だけ蒔いて、あとは自然が育ててくれています。

その種も去年の秋に自然からいただいたものです。

本当に他力のような感じです】


亀さんは、今の今まで鶴さんが山奥で自給自足の生活をしているということを知りませんでした。

しかも、ほとんど何もしていなくて自然が育ててくれているとか、他力のような感じとか、鶴さんは本当にすごい人だなぁと思いました。


亀さんが目を丸くしていると鶴さんは再び話し始めました。


【と、どこかのお坊さんがおっしゃっていました。これは鶴さんのお話ではないですよ】


ビックリした亀さんは、口に含んでいたスパイシートマトジュースを吹き出しそうになりました。

てっきり鶴さんのお話かと思っていました。


けれどもこれはとても大切なお話です。

というのも亀さんは街という人工物の世界に住んでいます。

そこに野生の自然はほとんどありません。

自然の中にある命に触れ合う機会はほとんどありません。

つまりこのことに気づきにくい環境にあったのです。


確かにその通りです。

自然が育ててくれているのです。

そしてこのことは種だけではありません。

鶴さんも亀さんも、カウンターの中にいるマスターも同じです。

すべて自然に育てていただいているのです。

そしてあらゆるものは自然の一部です。

みんな繋がっているのです。


と、自給自足のお話からそんな当たり前のことを実感したのでした。

ようこそお参りくださいました。

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