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笑顔神社  作者: 亀乃長命
147/288

ようこそ笑顔神社へ(147)鬱のときは鬱でいる

今日の予定は、

〈遮断 時々 通信〉

鬱によって思考がだいぶ不安定になってきました。

こんなときは、すべての刺激物を取り込まないのが鉄則です。


そうは言っても、耳の隙間からスルリと入ってくるのです。


「つらい」


〜・〜・〜・〜・〜


「つらい」


以前、とある皮膚科の先生にそう零したときに先生はこのようなことをおっしゃいました。


「つらいということは生きている証拠です。生きてる!!感謝!!素晴らしい!!」


亀さんは瞬時に、あまりのハードな動き、勢いのある大声に爆発的なエネルギーを感じたのですが、まわりにいた看護士さんたちはクスリともせずに淡々と業務をこなしていました。

どうしてこんなに面白いのに笑わないのだろう?

ちなみに亀さんは爆笑しています。


きっと、いつものことなんでしょう。


先生がカーテンの奥に入ってからも亀さんは爆笑していました。

すると、待ってましたかのようにひょっこりと現れて、


「つらいということは生きている証拠です。生きてる!!感謝!!素晴らしい!!ガッツ!!ガッツ!!ガッツですよ〜!!」


と今度は身振り手振りで3連発のガッツまでしてくれました。


診察を終え、オフィスのトイレの洗面台で先ほど処方されたばかりの薬を手に塗っていると、ガッツ先生は脇目も触れずブースに入るやいなや、

〈バキバキッ!!バキバキッ!!ボキボキッ!!ぷすぅ〜ん〉

そして、カランコロンと数枚のトイレットペーパーを巻き取りサササッと拭いて、扉を蹴破るように出ていき、洗面台で手を洗い、こちらをチラ見して去っていきました。


それは30秒間の出来事した。


〜・〜・〜・〜・〜


どうして急に皮膚科の先生が頭の中に現れたのかは分かりませんが、それにしても空想の中でも破壊力は抜群でした。

しかし、鬱の人に「ガッツ!!」と叫ぶ無神経さが笑えます。


亀さんのまわりに、皮膚疾患が治らないと困っている人がいたら、必ずそこのお医者さんをお勧めするのですが、「どうでした?」と聞くと、「治ったけれど、多分もう行かないと思う」と必ず言われます。

理由を聞くと、「ちょっと先生がぁ」


なんとも不思議な先生です。


※鬱のときは、のんびりとぼ〜っとしているのが一番です。

〇〇しなければならない、をしなくても大丈夫です。そんなことはどうだっていいのです。


ようこそお参りくださいました。

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