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笑顔神社  作者: 亀乃長命
105/288

ようこそ笑顔神社へ(105)対人恐怖症

これは空想の神社です。

創建は、令和三年十二月三十日。

主祭神は、亀乃長命かめのながのみことです。

自分のことを、かめさんと呼びます。

この神社の御利益は、笑顔です。

この神社が、必要な人の所に届きますように。

参拝方法は、二礼・二拍手・笑顔・一礼です。


※笑顔神社の作り方は、第1話から書いています。

※たまに友人の鶴乃長命つるのながのみことも登場します。

 自分のことを、つるさんと呼びます。

就労継続支援B型作業所で、いろいろな訓練をしました。

(常に自分でテーマを決めていたのですが、後から考えると、何も考えずにそこにいるだけで訓練になっていたと思います)

そして、〈表面的〉に克服できたことがたくさんあります。


〈表面的〉というのは、人の持って生まれた性格は根本的には変わらない、という意味です。


その中のひとつ、対人恐怖症がどのように表面的に克服できたのかを書こうと思います。


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


まず、初日から話しかけてくれる人(利用者)が一人いたということが大きいです。

大人数に馴染めない性格の亀さんにとって、その人は本当にありがたい存在でした。

運がよかったとしか言いようがありません。


そして、その人はいつも亀さんより早くくるので、亀さんが行ったときにはその人は必ずいるのです。

つまりそれは、亀さんが一人でポツンとならない状態ということです。

そのことは、通所する上で本当に助かりました。


そしてその人は、必ず亀さんの向かいに座ってくれるのです。

そうこうしているうちに、すぐにもう一人増えました。

そしてその人(利用者)も優しくて、亀さんの恐怖心を呼び起こす要素はゼロでした。

やがて、いつの間にか亀さんは三人でいることに慣れていたのです。


三人での会話は、だいたい野球やドラマの話でした。

今、思うと話題は何でもよくて、肝心なのは〈三人で喋る〉ということなのです。

このことは亀さんにとって大きな自信になりました。


そして、無言でいても特に気を使うことはありません。

いつも、その二人は亀さんの向かいに座ってくれました。

毎日です。

必ずです。

この絶対的な安心感が、亀さんの恐怖心を取り除いてくれたのです。


これが、対人恐怖症を克服するまでのお話です。

ようこそお参りくださいました。

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