4話 試し撃ち
冒険者登録を済ませて、<アンダークラス>の冒険者になった私は、ギルドを後にした。
安めの宿にチェックインを済ませて、その日はすぐに眠りについた。
次の日
私は宿の朝ごはんを食べている。
卵をパンの上に乗せて焼いたエッグトーストだ。
これがとても美味しかった。
「今日の宿もここにしよう」
私はそう心に決めて、宿を出た。
今日は予定が入っているのだ。その予定とは
戦闘である…!
私が今立っているのは、メレー草原。
そして私の前にいすわるのは1匹のスライム。
静かな風が、草原の風を揺らしていた。
睨み合いが続く中、スライムが跳ねて飛びかかってきた!
私はそれを避けようとするが、交わしきれず攻撃を受けてしまう。
尻餅をついたが、大した怪我はないようだ。
「やってくれたな…」
私はスライムに謎の商人「ベン・トーテモン」から譲り受けたリボルバー「Black Penguin」を構え
パァン!!
スライムに銃弾を打ち込んだのだった。
その後もスライム相手に練習を続けていた。
街で昼食を取った後は、また草原へ。
その日は、空が夕焼けに染まるまでスライムと戦った。
「そろそろ日が暮れるな。宿に戻るか」
私は日が完全に沈む前に、宿に戻る事にした。
メレー草原とオールドメレーを繋ぐ巨大な門を潜り抜け街に入り、緩やかな坂を下っていく。
昨日入った宿に入って店主と軽い雑談を交わしながら、今日もチェックインを済ませた。
宿の階段を上がり、廊下を歩いていくと階段を上がってすぐの部屋から声が聞こえてきた。
その中で気になる単語が聞き取れた。
「奴隷」
私はこの単語が、引っかかってもう少し盗み聞きする事にした。
「今回のは高く売れる…」
「へへっ、銀髪だもんな」
「早く売っ払いましょう!兄貴!」
「慌てるな、今いい取引相手がこの街に来てる。売るのは明日の朝だ。それまで…感づかれんじゃねぇぞ」
「へへっ、当たり前です」
私はこの会話を最後に自分の部屋に駆け込んだ。
「奴隷、売っ払う、明日の朝…」
間違いない。私が聞いた声の主は
「人売り」だ。