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シティーガールハンター  作者: 椎家 友妻
第二話 登校初日
8/40

1 仲良くスリッパ登校

 私が今日から通う私立四()(てい)阪田(はんた)高校は、私が住んでいた(・・)マンションの最寄りのバス停から、

バスで二十分くらい走った所にあった。

そこそこの学力があれば充分入学できるけど、この学校には特別進学クラスというものもあり、

国内でも有数の秀才や、凄いお金持ちの御曹子(おんぞうし)なんかも入学してくるとか。

要するに私のような平々凡々な生徒から、超が付くようなエリートまで、

様々な種類の生徒が集う学校なのだ。

 そんな四邸阪田高校の校門に、私と花巻さんは到着した。

するとそんな私達を、周りのシテ高の生徒達がジロジロ眺めながら通り過ぎていく。

それは私が女子にしてはひと際背が高い(正直な所百七十五センチくらいある)というのもあるだろうけど、

それ以上に、私と花巻さんが足に()いている物に大方の原因があった。

 そんな中、私達の足元を見た女子生徒の二人組が、ヒソヒソ話をしながら通り過ぎて行った。

 「ちょっと見てよ、あの二人スリッパで学校に来てるよ?」

 「ホントだ、チョーウケる。ツッコミ待ちってやつ?」

 そう、周りの人達が私達の事をこんなにジロジロ見て行くのは、花巻さんが用意したこのスリッパのせいだ。

家の中で履いている分には全く問題はないけど、ここは学校の校門の前だ。

そんな所でスリッパなんかを二人して履いているもんだから、やけに目立つ存在になってしまっているのだ。

こんな事なら靴下のままの方がまだよかった。

しかし一方の花巻さんはそんな事を全く気にする様子もなく、

シテ高の校舎を眺めながら嬉々とした声を上げた。

 「うわ~っ、私達、今日からここの生徒なんですねぇ。ワクワクするな~」

 「楽しそうね、花巻さん」

 私がげんなりしながらそう言うと、花巻さんはニコニコしながらこう返す。

 「やだなぁ、綾芽でいいですよぅ。私と詩琴さんの仲じゃないですかぁ」

 いつの間に私と彼女はそんなに親しくなったんだ?

しかもこの子はもう私の事を下の名前で呼んでるし。

 いささかイラッときた私だが、それを何とかこらえてこう続ける。

 「綾芽、さん。始業式に遅れるといけないから、そろそろ行かない?」

 このままここに居ても恥ずかしい思いをするだけなので、私はそう言った。

すると綾芽はニコニコしたまま

 「あ、そうですね、行きましょうか」

 と言ったので、私達は校舎へ向かって歩き出した。

そして少し歩いた所で、

 「あ~っ、しぃちゃん(・・・・・)だ~」

 という可愛らしい声が背後から聞こえた。

そしてその声の方に振り返るとそこに、私より頭一つ半ほど小柄で、

明るい茶色の髪をお団子にした、シテ高の制服を着た可愛らしい女の子が立っていた。



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