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シティーガールハンター  作者: 椎家 友妻
第五話 赤髪の狩人
37/40

4 ワタシ、ツヨイデスヨ

 社長がそう叫ぶと、事務所の入口から、これまた屈強そうな黒スーツの男達がゾロゾロと現れた。

そして奥の部屋や天井裏、机の下、床下、掃除道具入れからも男達が現れ(ていうか何でそんな所に?)、

十人以上の男達が綾芽の周りをグルリと取り囲んだ。

そんな男達に向かって社長の男が、

 「シティーガールハンターといっても所詮はただの小娘!これだけの数が居れば──────」

 と、言い終えるより先に、綾芽が自分を取り囲む男達のうちの一人の顔面に、

強烈なストレートパンチをお見舞いした!

 ボッゴォッ!「ぐふぁあっ⁉」

 すると男はそのまま真後ろに吹っ飛び、

事務所の窓ガラスをグヮシャアアン!と突き破って、そのまま下に落下した。

 「なっ⁉」

「げぇっ⁉」

「マジかよ⁉」

 あまりに凄まじい出来事に、屈強な黒スーツの男達も流石にたじろいだ。

するとそんな男達に、綾芽はゾッとするような冷たい笑みを浮かべて言った。


 「私、強いですよ」


 その、静かながらもえも言えぬ迫力がある言葉に、事務所の中が(こお)りついたように静まり返る。

 あれが、あの綾芽なの?

 助けられている私でさえも、綾芽に対して少なからぬ恐怖を覚えた。

するとそんな沈黙を打ち破るように、社長の男が叫んだ。

 「ひ、(ひる)むな!数は圧倒的にこっちが多いんだ!()れ!ぶっ殺せ!」

 それと同時に黒スーツの男達が同時に綾芽に襲い掛かった!

 「綾芽っ!」

 思わず声を上げる私。

しかし綾芽はそれより一瞬早く真上に飛び上がり、空中で一回転して正面の男に回し蹴りを食らわせた!

 「ぐはっ⁉」

 そしてその男が床に倒れ込むより先に、綾芽はそのまま隣に居た男に回し蹴りをお見舞いした!

 「ぐへぇっ!」

 二秒も経たないうちに二人の男を片付けた綾芽は、

その勢いのまま三人目の男のわき腹にストレートパンチを放ち、

それをまともにくらった男はお腹を抱えて床につんのめった。

すると綾芽の背後から別の男が襲いかかった!

しかし綾芽は再び上に飛び上がり、男の頭上で宙返りをし、その背後に着地した。

 「え?あれ?」

 完全に綾芽を見失った男。

その男の首元に綾芽が鋭く手刀を打ち込み、男は気絶して床に倒れ込んだ。

 「す、凄い・・・・・・」

 私はそう呟き、綾芽の戦いに目を奪われていた。

 何て奴なの。とても同い年の女子高生とは思えない。

本当にあいつって何者なの?

 そんな事を考えているうちに、綾芽は十数人居た男達をあっという間に片付けた。

そしてこれだけの人数を相手にしたにもかかわらず、綾芽の体には傷ひとつなく、

それどころか息も切らしていなかった。

 「ひぃいっ!こ、こいつ、やっぱり化物だ!信じられねぇっ!」

 そう言って恐怖におののく社長の男。

なるほど、シティーガールハンターと聞いただけであんなに怯えていたのはこの為だったのか。

 と妙に感心していると、社長の男はスーツの内ポケットから拳銃を取り出し、その銃口を綾芽に向けた!

 「なっ⁉」

 反射的に声を上げる私。

いくらあの子でも拳銃相手にはどうにもできないでしょ!

 「綾芽逃げて!」

 私は綾芽に向かってそう叫んだが、

綾芽は「大丈夫ですよ」と言って、社長の男の方に向かって歩み寄って行った。

 「と、止まれぇっ!さもなくばお前の心臓を撃ち抜くぞ!」

 社長はそう言ったが綾芽は歩くのをやめず、至って軽い口調でこう言った。

 「あなたに私は殺せません。その逆は可能ですけど(・・・・・・・・・・)」

 「うっ、くっ・・・・・・」

 それを聞いた社長の手元は完全に震えていて、まともに引き金を引ける状態じゃあなかった。

すると社長の男は「くそぉっ!」と叫び、

近くに居た由奈ちゃんを捕まえ、その銃口を由奈ちゃんのこめかみに押し付けた!



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