3 アイツが来た
グヮッシャァアアアン!
いきなり事務所の窓ガラスが割れたと思ったら、そこから一人の人物が飛び込んできた!
そしてその人物は床に着地すると同時にクルッと前転し、
そのまま飛び上がってパンチパーマの男の顔面に強烈な飛びひざ蹴りをお見舞いした!
ボゴォッ!
というえぐい衝撃音とともに男のサングラスが砕け、
男はそのままドスゥン!と床に倒れ込んだ!
「なぁっ⁉」
あまりに突然の出来事に、目を見開いて言葉を失う社長の男。
それは私も同じで、今何が起きたのか全く理解できなかった。
ただ私の目の前に、私より少し小柄で、真っ赤な髪を腰まで伸ばした少女が立っていた。
上下にシテ高指定の黒のセーラー服を身にまとい、
膝よりかなり短いプリーツスカートの中に黒のレギンスを穿き、
背には死神を思わせるような漆黒の大きなマントを羽織っている。
一体どうやって二階の窓から飛び込んで来たの?
おまけにパンチパーマの男を一撃で倒しちゃったし、この子、一体何者?
半ばパニックになりながらそう思っていると、そんな彼女を指差しながら、社長の男が声を荒げた。
「な、な、何者だお前は⁉」
するとその少女は、長い赤髪をファサッとなびかせながらこう言った。
「なぁに、私は通りすがりの、ただの女学生ですよ」
しかし社長の男はその少女を指差し、目を大きく見開いてこう続けた。
「長い赤髪に大きな黒マントを背負った女学生・・・・・・
ま、まさかお前はあの、『シティーガールハンター』なのか⁉」
ん?シティーガールハンターってどっかで聞いた事があるような?
と思っていると、赤髪の少女は不敵な笑みを浮かべて答えた。
「まあ、そうとも呼ばれてますね」
「ひぃいっ!」
少女の言葉を聞いた社長は途端にその場で腰を抜かし、そのまま後ずさる。
ていうかシティーガールハンターって、まさか、まさか・・・・・・。
「あんた、綾芽なの?」」
私がそう尋ねると、その少女は私の方に振り向き、ニパッと笑ってこう言った。
「はい♡そうです♡」
や、やっぱりそうか。
でもいつものビン底眼鏡にみつ編み頭の時とは、見た目も雰囲気も全然違う。
いつもはおバカでドジな天然キャラって感じだけど、
今は狩人のように研ぎ澄まされたオーラを放っている。
これがシティーガールハンターとしての、綾芽の姿。
そんな綾芽に、私は思わず息を飲んだ。
すると綾芽は再び社長の男の方に振り向いてこう言った。
「まあそういう訳なんで、この二人は返してもらいますよ」
「ふ、ふざけるな!いくらシティーガールハンターが相手だからって、
そう簡単に大事な金のタネを返せるか!野郎ども!出て来い!」




