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シティーガールハンター  作者: 椎家 友妻
第五話 赤髪の狩人
35/40

2 大ピンチ

が、それより一瞬早く、社長の前に長身の男と小太りの男が立ちはだかった!

 「おおっと、乱暴はあかんでお嬢ちゃん」

 「どうしてもここを通りたいなら、俺達を倒してからにしな♪」

 「くっ!」

 バレてたか。

こうなったら刺し違えてでも黒スーツの男達をぶっ飛ばす!

 そう思った私は、間髪いれずに長身の男の顔面に正拳突きをお見舞いした!すると、

 ボッゴォッ!「ぐへぇっ⁉」

 それは見事なまでにその男の顔にジャストミートし、男はそのまま床に倒れて失神した。

 「あれ?」

 驚きの声を上げたのは私だった。

まさかこんなにあっさりやっつけられるなんて。

もしかしてこいつらって、私より弱い?

 とりあえず私は、小太りの男のブヨブヨしたお腹に回し蹴りをお見舞いしてみた。すると、

 ドフゥッ!「ぐほぉっ⁉」

 小太りの男は悶絶(もんぜつ)し、そのまま前のめりに倒れた。

やっぱりこいつら弱い。

ていうか私が強いの?

とにかくこれならいける!

ここから逃げ出せる!

と、思ったその時だった。

 バゴォッ!

 という衝撃音とともに私の脇腹に強烈な回し蹴りが炸裂(さくれつ)

私はそのままぶっ飛んで壁に激突した!

 「しぃちゃん!大丈夫⁉」

 床に倒れ込んだ私の元に、由奈ちゃんが慌てて駆け寄って来た。

ちなみに結論から言うと全然大丈夫じゃなかった。

蹴られた部分に激痛が走って息もできない。下手したらアバラが折れてるかも。

 痛みに顔を(ゆが)めながら私が顔を上げると、そこにパンチパーマの男が仁王立ちしていた。

 あの男は強い。けた違いに。

 するとその男の(かたわ)らに立った社長が、さも愉快そうに言った。

 「ハッハッハ!残念だったねお嬢さん!

少しばかり腕に自信があるようだが、こいつは元々自衛隊の人間でね。

お嬢さんじゃあ到底歯が立たないよ」

 「フン、そうみたいね」

 必死に痛みをこらえ、精一杯の虚勢を張って私は言った。

それに対して社長は勝ち誇った顔でこう続ける。

 「物分かりのいいお嬢さんだ。が、少々おイタが過ぎたようだね。

そんな悪い子にはオシオキが必要だ。

君は大事なうちの商品だが、もう少し痛い目にあってもらおう」

 社長の男はそう言うと、アゴでクイッとパンチパーマの男に指示を出した。

すると男はコクリと頷き、指の関節をポキッ、ポキッと鳴らしながら、私の方に歩み寄って来た。

 もしかしなくても絶体絶命の大ピンチ。

こうなったら由奈ちゃんだけでも無事に逃がさないと。

 そう思った私は由奈ちゃんに言った。

 「由奈ちゃん逃げて。私の事はいいから」

 しかし由奈ちゃんはガバッと私に抱きついて叫んだ。

 「そんな事できないよ!しぃちゃん一人を置いて逃げるなんてできる訳ない!」

 そしてパンチパーマの男の方を見てこう続けた。

 「お願いです!もうこれ以上しぃちゃんにひどい事をしないでください!」

 しかし男はそんな由奈ちゃんを、その太い左腕でなぎ払った。

 「きゃあっ!」

 「由奈ちゃん!」

 吹っ飛ばされた由奈ちゃんを見て、思わず声を上げる私。

そしてこみ上げる怒りで以てガバッと立ち上がった。

 「ほう、まだ立ち上がれるのか。流石に今時の女の子は根性があるねぇ」

 からかうような口調でそう言った社長をよそに、私は目の前のパンチパーマの男を睨みつけた。

 この男だけは許さない。何としても一発ブン殴る!

 が、さっき蹴られた脇腹のダメージがひどく、正直立っているのが精一杯の状態だった。

 そんな中パンチパーマの男は右の拳を振り上げ、ちゅうちょなく私の顔面めがけてそれを振り下ろした!

 だめだ!やられる!

 そう思って歯を食いしばった、その時だった!



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