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シティーガールハンター  作者: 椎家 友妻
第五話 赤髪の狩人
34/40

2 ひとりで乗り込む

 それから約三十分後、私は自転車で黒丸金融のビルの前にたどり着いた。

そしてすぐさま自転車から飛び降り、ビルの玄関をくぐった。

 黒丸金融の事務所はビルの二階にあるらしく、私は二階への階段を二段飛ばしで駆けあがった。

すると階段を上がってすぐの所に、『黒丸金融』と書かれた部屋があった。

 私はその部屋の前に立ち、大きく深呼吸をした。

そしてほんの少しだけドアを開け、中の様子を覗きこむ。

すると部屋の中に、以前私をさらおうとした黒スーツの二人組と、

今日由奈ちゃんをさらったパンチパーマの男が居た。

今のところ事務所に居るのはその三人だけ。

という事は由奈ちゃんは、別の部屋に閉じ込められているんだろうか?

 と、思ったその時だった。

 私はポンポンと背後から肩をたたかれ、振り向くとそこに、

グレイのスーツを着た白髪頭の男性が立っていた。

そしてその男性はニッコリほほ笑んでこう言った。

 「私の会社に何か用かな?お嬢さん」

 私の会社、と、いう事は、この男が黒丸金融の社長か!

 そう悟った私は、咄嗟(とっさ)にその場から逃げだそうとした。

が、それより一瞬早く男が私の右腕をガシッと掴み、それを後ろにひねり上げた!

 「くぅ・・・・・・」

 痛みに顔をゆがめる私。

歳の割にこの男の腕力は強く、私は完全に動きを封じられてしまった。

すると男は笑みを浮かべたままこう言った。

 「君は習志野(ならしの)さんの娘さんだね?こんな所まで一人で来たのかい?」

 それに対して私は、社長の男をキッと(にら)んでこう返す。

 「この会社の人にさらわれた、私の友達を返してもらいに来たんです」

 「友達?ああ、あの小柄でお団子頭の可愛らしいお嬢さんの事だね。

わざわざ助けに来るなんて友達思いだねぇ」

 「あなた達が狙っているのは私でしょう?だからあの子は解放してあげてください」

 「いいともいいとも。それじゃあ友達に会わせてあげるから、とりあえず中に入りなさい」

 社長の男はそう言うと、私を強引に事務所の中に連れ込んだ。

するとそれを見た長身の黒スーツの男が、驚いた顔で言った。

 「社長!その子、何処で捕まえたんです⁉」

 「なあに、わざわざうちの事務所まで来てくれたのさ。

お前らが間違ってさらって来たこの子の友達を返して欲しいそうだ」

 「へぇ~、泣かせる話ですねぇ」

 そう言ってわざとらしい泣きまねをする小太りの男。

すると社長の男はパンチパーマの男に言った。

 「おい、このお嬢さんのお友達を連れて来てやれ」

 「分かりやした」

 パンチパーマの男はそう言うと、部屋の奥にあったドアを開け、その中に入って行った。

そしてしばらくするとそこから、パンチパーマの男とともに由奈ちゃんが現れた。

 「由奈ちゃん!」

 私は社長の男の手を振り払い、由奈ちゃんの元へ駆け寄った。

すると由奈ちゃんも

 「しぃちゃん!」

 と声を上げて私の方に駆け寄って来て、私達はガバッと固く抱き合った。

 「しぃちゃん、怖かったよぅ・・・・・・」

 そう言って涙ぐむ由奈ちゃん。

私はそんな由奈ちゃんの頭をなでながら、

 「よしよし、もう大丈夫だからね」

 と言って社長の男の方に振り向いた。

 「それじゃあ約束通り、この子は解放してもらうわよ」

 すると社長の男はニタァッとあくどい笑みを浮かべてこう言った。

 「残念ながらそれはできないよお嬢さん」

 その言葉に私は静かに問い返す。

 「どうして?私がここに来たんだから、この子はもう関係ないでしょ?」

 しかし社長の男はあくどい笑みを浮かべたままこう続けた。

 「そうはいかない。そのお友達が他の人間に告げ口でもしたら大変だからね。

だからここから逃がす訳にはいかないんだ」

 「・・・・・・」

 社長の言葉に口をつぐむ私。

ある程度予想はしてたけど、やっぱりこうなったか。

マッタク、悪党ってやつはどうしてこうやる事がワンパターンなのかしら?

なんて考えててもしょうがない。

こうなったら力ずくでもここから逃げ出さないと。

 そう思った私は、部屋の入口の方に目をやった。

今その付近に立っているのは社長の男だけ。

あれさえ何とかすれば、ここから逃げ出せる。

私はこれでも中学までは空手をやっていた。

黒スーツの男達は無理だとしても、あの社長くらいなら何とかできるはず。

 そう判断した私は、迷わず社長の男に殴りかかった!



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