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シティーガールハンター  作者: 椎家 友妻
第三話 始末屋の正体
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9 奥義・パンツ拝借拳

 な、何ていうスピード。

おかめ仮面の動きがほとんど見えなかった。

でもあの一瞬でおかめ仮面は何をしたんだろう?

私が見る限り、ボンバーシスターズがダメージを受けた様子はない。

それが証拠に東倉さんと木野さんはすぐに振り返り、おかめ仮面に声を荒げた。

 「ケッ、何をするのかと思えば、ただ単にオレ達の脇を通り過ぎただけじゃねぇか!」

 「ふざけんじゃないわよ!そんなんで勝った気にならないでよね!」

 するとおかめ仮面は、

 「それはどうでしょう?」

 と言って振り返り、右手に持ったある物を差し出した。

ちなみにそのある物とは、


 いちご模様のパンツだった。


 「え?」

「は?」

「何?」

 それを見た私と東倉さんと木野さんは、同時に目を丸くして声を上げた。

 え?何故にここでいちごパンツ?

そんなモンどっから出したの?

と疑問に思っていると、おかめ仮面はそのいちごパンツを差し出したままこう叫んだ。

 「見かけによらず可愛いパンツを穿()いてますね!」

 しかしその言葉に誰も反応しない。

するとおかめ仮面はもう一度叫んだ。

 「見かけによらず、可愛いパンツを穿いてますねっ!」

 あいつは一体誰に言っているんだろうと思っていると、おかめ仮面は三度(みたび)叫んだ。

 「見かけによらず!可愛いパンツを穿いてますねぇっ!」

 するとその時、今までおかめ仮面に背中を向けたままだった哀原さんがうつむいたまま振り返り、

おかめ仮面の元に歩きだした。

 「え?紀和(きわ)()(ねえ)さん?」

 「ど、どうしたんですか?」

 驚きの声を上げる東倉さんと木野さん。

しかし哀原さんはそれに構わずおかめ仮面の前まで歩み寄った。そして、

 「悪かったわね!」

 と叫びながらそのいちごパンツをふんだくった。

と、いう事は、そのいちごパンツって、哀原さんの?

 「「「えええええっ⁉」」」

 同時に声を上げる私と東倉さんと木野さん。

ま、まさかあの黄金バットの哀原さんがあんなパンツを穿いていたなんて。

しかもおかめ仮面はあの一瞬のうちに、哀原さんが穿いていたパンツを抜き取ったの?

凄い。

全く尊敬できないけど、凄い。

 一方の哀原さんは、顔を真っ赤にしながらおかめ仮面を指差してこう叫んだ。

 「こ、こんな事で勝ったと思うなよ⁉」

 そして哀原さんは踵を返し、一目散に走り去って行った。

 「ああっ!紀和美姐さん!」

 「待ってください!」

 その後を追って、東倉さんと木野さんも走り去って行く。

そしてこの場には、私とおかめ仮面の二人だけが残った。

なので私はとりあえず、おかめ仮面の脳天にゲンコツをお見舞いした。

 ゴチン。

「あ痛ぁっ⁉い、命の恩人に何て事するんですか⁉」

 そう言ってこっちに振り返るおかめ仮面。

そんなおかめ仮面に、私は両手を腰に当てて声を荒げた。

 「どこが命の恩人よ⁉そもそもこうなるように仕組んだのは綾芽でしょうが!」

 「ええっ⁉どうしておかめ仮面の正体が私だって分かったんですか⁉」

 「バレバレよ!ていうかあんた、哀原さんに何て事するのよ!」

 「え?『奥義・パンツ拝借拳』の事ですか?」

 「奥義にするな!拝借するな!」

 「でもこれで、私のボディーガードとしての実力がお分かりいただけたでしょう?」

 「分かんないわよ!そもそもボディーガードにパンツを抜き取る能力は全く関係ないでしょ!」

 「そうですか、では今度は男子生徒のズボンを奪い取る奥義を──────」

 「やめんか!どうしてあんたはそんなおバカな発想しかできないの!」

 「え~?だって読者サービスにもなるし~」

 「何の話よ⁉」

 等と言い合っていた、その時だった。

 「あ~や~め~・・・・・・」

 というおどろおどろしい声とともに、綾芽の背後に怒りに満ちた表情の園真会長が現れた。

その瞬間綾芽は「ひっ⁉」と声を上げ、園真会長の方に振り返って尻もちをつく。

 「ま、况乃さん。ど、どうしてここに?」

 震える声で尋ねる綾芽を覗きこみ、園真会長は言った。

 「綾芽あんた、学校では騒ぎを起こすなっていつも言ってるわよね?

あんたがシティーガールハンターだっていう事がバレたら色々面倒なのよ?」

 「だ、だからこうしておかめのお面をかぶって、正体を隠したんじゃないですか!」

 必死に言い訳する綾芽。

しかしそんなものが通用するはずもなく、園真会長は

 「そんなお面を付けてたら余計に目立つでしょうがぁああっ!」

 と叫び、綾芽の額に強烈な空手チョップをお見舞いした!

するとその瞬間おかめのお面が縦に真っ二つに割れ、綾芽は目を回しながら地面に倒れ込んだ。

その姿を見て、私は改めて思った。

 こんな子がボディーガードで、私は本当に大丈夫なんだろうか?



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