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シティーガールハンター  作者: 椎家 友妻
第三話 始末屋の正体
19/40

5 園真会長とシティーガールハンター

 キーンコーンカーンコーン。

 午前の授業の終わりを知らせるチャイムが鳴り響き、私は足早に教室を出た。

そして向かう先はシティーガールハンターこと、花巻綾芽が在籍しているという一年A組の教室。

 昨日園真会長は私にハッキリと言った。

シティーガールハンターは花巻綾芽だと。

 綾芽といえば、始業式の日に私の前に現れた、ちょっと、いや、かなり変わった人物。

彼女が私のボディーガードだなんて、本当に大丈夫なんだろうか?

 そう思っているうちに、私は一年A組の教室にたどり着いた。

そして教室の中を覗き込むと、一番後ろの窓側の席で、綾芽が机に顔を突っ伏して眠っていた。

その綾芽に向かって、私は声をかけた。

 「おーい、綾芽ーっ」

 すると綾芽は一瞬ビクッとした後、ゆっくりと上半身を起こしてこちらを向いた。

かなり熟睡していたのか、ホッペのところにビッシリと制服の(そで)(あと)がつき、

口の端からデローンとよだれが垂れている。

その姿に顔をひきつらせて(あき)れていると、私に気づいた綾芽はパァッと目を輝かせ、

ガタンと席を立って一目散にこっちに駆け寄って来た。

 「しぃちゃん!・・・・・・じゃなくて、詩琴さん!また私に会いに来てくれたんですね!」

 そう言ってガバッと私に抱きつこうとする綾芽。

そんな綾芽の顔と肩を両手で押さえて私はこう返す。

 「ちょっとあんたに用があってね」

 「分かってます!私とヨリ(・・)を戻したいんですよね!」

 「別れたカップルか!そうじゃないわよ!」

 「じゃあ、一体何なんです?」

 「それは──────」

 と、私が言いかけたその時だった。

廊下に居た生徒達がにわかにどよめいた。

一体何だろうと思ってそっちに振り向くと、微笑を浮かべた園真会長が、

優雅な足取りでこちらに向かって歩いて来ていた。

その姿は美しさと気品に満ち(あふ)れ、周りの生徒達をすっかり魅了していた。

が、そんな会長の素顔を知ってしまっている私は、その表面上の美しさに魅了されるはずもなく、

綾芽に至っては露骨(ろこつ)に顔をしかめている。

 そんな中園真会長は私達の目の前までやって来てこう言った。

 「二人とも、ちょっといいかしら?」

 それに対して綾芽は、間髪いれずにこう答える。

 「いえ、よくないです。無理です。だからあっちに行ってください」

 するとその瞬間園真会長のこめかみに青筋が入ったが、何とか平静を保ちながらこう続けた。

 「そんなイジワルな事言わないで。あなたに大切な話があるのよ」

 「私はないです。サヨウナラ」

 綾芽がにべもなくそう答えると、園真会長は表情はそのままに、

周りの生徒に聞こえないくらいの小さな声で言った。

 「言う事を聞きなさい。さもなくば習志野(ならしの)さんがどうなっても知らないわよ」

 「えぇっ⁉」

 その言葉に驚きの声を上げる私。

ていうかこの人は私の事を守る立場なんじゃないの⁉

その人が私を人質にとるってどういう事よ⁉

 と内心パニックになっていると、綾芽は苦虫を()(つぶ)したような顔でこう答えた。

 「話って、何ですか?」

 すると園真会長は、

 「ここじゃあ人目もあるし、もっと静かな場所へ行きましょう」

 と言って、悪魔のような笑みを浮かべた。

 それを見た私は、この人にはあまり逆らわない方がいいと本能的に悟ったのだった。


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