1 リムジンでティータイム
私は今、これまで映画やドラマの中でしか見た事がないような、黒のリムジンの後部座席に乗っていた。
まるで高級ホテルのロイヤルスイートのような内装に、ドッシリとした大きなソファー。
そこにちょこんと腰かける私は、あまりに場違いな気がして落ち着かなかった。
すると隣に座る園真会長が、これまた高そうなティーカップでお茶をすすって私に言った。
「そんなに緊張しないで、そのお茶を飲んでリラックスしなさいな」
「あ、は、はい」
そう言って頷き、目の前のテーブルに出されたティーカップを見つめる。
確かに今の私は緊張しているせいで、喉と口の中がカラカラだ。
でも今はそれよりも、園真会長に聞きたい事が山ほどあった。
なので私は
「あ、あのっ──────」
と言いかけたが、それをさえぎるように園真会長は言った。
「今はお茶を楽しんでリラックスする時間よ。必要な事は事務所に着いてから話すわ」
そう言われるとそれ以上突っ込んで聞く事もできないので、私は
「そう、ですか」
と頷き、目の前のティーカップを手に取り、その中のお茶をすすった。
すると口の中にほのかに甘い風味が広がり、緊張した私の心を幾分落ち着かせてくれた。
さて、私はこれからどんな所に連れて行かれるのか?
そう思いながら私は、もう一口お茶をすすった。
ずずっ。
おいしい・・・・・・。




