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ラスボスの物語  作者: 初心者です
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一話

初めまして。 この文章は下手で読みにくく、よく分からないところもあるでしょう。 そこは優しく指摘かスルーしてくださる嬉しいです。

 ミーンミーンと蝉が鳴いているのを鬱陶しく思いながら森に囲まれた道を歩く。 もう夏休みも終わり頃に入り、元気はほとんどないといってもいい。 そんな中、元気そうな様子を見るだけで悪態を吐きたくなる。 しかし、ふと思い直した。 蝉も寿命は短い、今のうちに好きにさせておいてやろう、と。

 そんなことを思って、ふと何を馬鹿なことを考えているのだろうと、自分に対してため息を吐きたくなった。


「暇潰しに神社に行こうなんて考えたのが間違ってたんだ。 てか、なんで気温がこんなに高いのかな? もう8月も終わりだぜ? くぅ、本当なら今頃家でお菓子食べながらゲームしてたのに。 それもこれも神社が急に壊れるから悪い」


 悪態を吐いていないとやってられない気分だった。 気温は40度を上回り、異常気象といっても間違いなかった。 そんな暑い中神社に行こうと思ったのも、急な大雨で神社が崩れたというニュースを見たからだった。


「すごい大雨だったけど、あんだけで神社がどうにかなるとは思えないんだよなぁ。 まるで何かに押し潰されたような壊れ方だったし、少し見ておきたい」


 こんな暑い中外に出たのも、ひとえにこのことが原因だった。 神社もそこそこ古い建物だったし、崩れてしまうことはあるだろう。 しかし、映像で見た崩れ方だけは納得がいっていなかった。


 頭の中で考えながら歩いていると、神社についた。 そこに目を向けると、やはり映像で見た、何かに押し潰されたような神社の建物があった。


「やっぱ、おかしいね。 てか、見てもさっぱりわかんないし、僕の知らない間に工事でもしてたのかな?」


 見てみてもわからず、頭をひねっていると腕に冷たい感覚が走った。 空を見てみると暗く雲っており、これから雨が降るだろうことが予想できた。


「まじかー。 もう濡れるのは確定かなぁ? せっかくここまで来たのに僕の頑張りを返してほしい」


 切実にそう願うと、雨はすぐに大降りになった。 これが僕の頑張りへの報酬だろうかと、またも馬鹿なことを考えると、背後に轟音と共に雷が落ちた。

 激しくなる鼓動を感じながら、直感がすぐにここを離れろと警鐘を鳴らす。 しかし体はいうことを聞かず、硬直したままだ。 ふと、何かがひび割れる音が聞こえ、空を見上げて呆然としてしまう。 そこには文字通りひび割れた空があった。

 ふっと諦めるように息を吐き、目をつむる。 その直後衝撃を感じ、意識が飛んだ。


ーーー


 ふと、何か大きな音が聞こえ、目を覚ます。 そして次の瞬間、見た光景に驚愕した。


「たまげたなぁ。 まさかドラゴンが存在していたとは。 あんな巨体でよく飛べるもんだなぁ」


 そんな皮肉の言葉を吐くも、現実は変わらない。 そこには体育館と比べてもまだ大きいサイズのドラゴンがいた。

 急いで立ち上がり、逃走を開始するもドラゴンの口から突如極光が飛び出し、辺りを巻き込みながら進むそれを避けれず、もろに受けてしまった。


 めちゃくちゃ熱いし、痛いしなんなの? てか、いきなりビームってドラゴン自然破壊大好きマンかよ。


 そんな悪態を心の中で吐くと、とてつもない熱と衝撃に襲われながらも生きていることに驚き、考えごとができていることにさらに驚いた。

 ドラゴンのブレスがやむと、血だらけの、しかし凄い速度で再生している体を見た。


「うわぁ、グロい。 てか、僕の肌こんなに白かったっけ? てか、なんか真っ黒な変なのが僕の体から出てる。 なんか力を感じるし、まるで体の一部みたいな……」


 自分で自分の体がよくわからず困惑する。 その黒い何かはどこか馴染み深く、とてつもない力を感じた。 空を飛んでいるドラゴンをよく見ると、自分と同じような黒い何かを纏っているのが見えた。


「これはなんなんだろ? エネルギーか、ゲームとかによくある魔力とかかな? さっきドラゴンがしてきたブレスもこの力を使っている気がするな。 ということは放出ができるのか。 しかも、僕の体を丈夫にして、さらに再生までさせた。 それならこれはとても万能な力なのかな? これを使えば僕もあのドラゴンを倒せるかな?」


 そこまで口に出して、この状況を打破する方法をさらに考える。 少し余裕ができたからか、はたまたこの非現実的なことに対する逃避か、冷静に思考することができている。 しかし、時間に余裕はないようだとわかり、ドラゴンの方へ走り出す。 この不思議な力の扱いが少しわかり、ドラゴンの不思議な力……魔力と命名するこれが激しくなったのがわかったからだ。


 ドラゴンはこちらに向かって急降下すると、そのまま尻尾を振り下ろしてきた。 脚に魔力を込め、とてつもない速度で迫ってくるそれをなんとかかわすと、その尻尾が叩きつけられた衝撃で飛んできた岩を踏み台にし、ドラゴンの眼に向かってジャンプする。 闘争による興奮と殺してやるという殺意で魔力を全身に籠めると、そのまま眼を突き破り、ドラゴンのブレスを真似た極光を放った。 するとドラゴンの体を焼き焦がし、ドラゴンは絶叫を上げ、その後脱力すると、地面に落ちながら魔力へと体を変化させていった。


「おおっと。 高いところから落ちても平気かぁ。 僕も体は人のものではなくなってるのかな? にしても死んだら死体は残らないのか。 角とか玉とか欲しかったな。 装備作って黒龍装備ってね。てか、この魔力を残しておくと復活しそうでやだなぁ。 やっぱり少し濃さは違うけどほとんど僕の魔力と一緒だね。 なら取り込んだりとかは……できた。 これ、ほんとに魔力ってことでいいのかな。 まぁ、マジックじゃなくても魔の力っぽいからいいか」


 精神的に疲れたため、地面に大の字に寝転がる。 その効果はあったようで、すぐに疲れは吹き飛び、心地よい気持ちよさがあった。 そのまま空を見ると、そこには浮かんでいるはずの月がなかった。 それを見て、やはり地球ではないんだな、とわかりきっていた答えと、どこか切なさを感じた。

 日本にいた頃には見たことがなかった、とても暗い空と、しかしそれでも視界がはっきりしていた。 よく目を凝らしてみると、空にはポツポツとさっきのドラゴンよりは小さいドラゴンが飛んでいた。 


「ドラゴン多いなぁ。 さっきのドラゴンに知性とかはなさそうだったし、他のも似たようなもんかな? こんなに狂暴な生き物がいて、人とか生活できてんのかな? てか、そもそもいるかな? なんか居ない気がしてきた」


 あちゃー、と額に手をやり、少し残念な気持ちになる。 疲れていたからか、心地よい眠気に襲われ、目を瞑ると気が遠くなっていった。


「にしても、さっきのドラゴンの魔力、なんか薄く感じたなぁ」


ーーー


 ドラゴンやら巨大な芋虫やらわ狩りながらこの星で過ごして結構な時が経った。 時間感覚は曖昧で、1年が経ったか3年がたったかあまり判別はつかなかった。 幸い空腹になることもなく、娯楽はないが変わった生き物やら魔力が思ったよりも万能でいろいろなことを実験しているとすぐに月日は経っていた。 それだけの時間を過ごしてふと気づいた。


 このままでは一生人と話せずに終るのではないかと。


 肉体だけでなく精神的にも変化は出ており、一人でもそこまで孤独を感じることはなかった。 生き物の殺傷に対する忌避はなく、殺しても罪悪感を感じることはなかった。 闘争による恐怖もなく、死に対する恐怖も薄れていた。

 それに加えて、魔力は万能であり、それによる食べ物や衣服の創造もできた。 とはいっても本物とは異なり、飴を作れば口のなかで溶けるおいしい味のする似たような何かであり、同じと呼んでいいかはわからなかった。 学校の教科書を作れば、中身はほとんど白紙であり、なんでもかんでもできるわけではなかった。

 しかし、とんでもない量の魔力を使えばできるのではないかという感覚もした。


 そんなわけで、生活が充実しており、ふと遊び半分で魔剣だーとか言って製作したものを見ながらわれに帰った。 その理由はしょぼく、これを自慢したくなって、自慢できる相手いないじゃん、となったからである。


 思い立ったが吉日であり、すぐに行動すべきだ、ということで空を飛んでいるドラゴンを魔力で引っ張る。 すると、凄い速度でドラゴンは地面に激突した。

 見る人がみれば明らかな虐待であり、動物愛護法がどうたらと言い出す人が出るだろう。 それほどにドラゴンがかわいそうに見える光景だった。


 ドラゴンを捕まえると、すぐに魔力で作った鎖を首に巻き、ドラゴンの傷を治すと背に座った。


「"飛べ”」


 魔力を籠めて命令すると、ドラゴンは飛び上がった。 そして、頭の中のイメージを送り込むと、そのイメージ通りにドラゴンは飛行した。 どうやら成功したようだと安堵する。 というのも、この星で見たドラゴンは、魔力の塊から生まれてくるものと、繁殖によって卵から生まれてくるものがいるのだ。 卵から生まれてくるものは知性があるのだが、魔力の塊から生まれてくるものは知性をほとんど持たない。

 いや、持っているのかもしれないが、ほとんどが暴力的であり、手当たり次第に破壊を繰り返している。 さらにそれを捕まえて従わせたとしてもただの魔力の塊がその姿をとっているだけで、自分の力を使った場合とほとんど変わらない。

 そのため、魔力の塊の方はハズレと言ってもいいのだ。


「うーん、快晴だね。 良いお空飛び日和。 まぁ、雨降ってても雲散らせばいいし、濡れないようにもできるんだけどね!」


 気楽に空から探していても中々見つけることができず、すぐに探すことに飽きていたため、ドラゴンに人や建物があったら止まるように指示して眠りについた。


ーーー


 眼が覚めると、ドラゴンが進まずに止まっているのがわかった。 真下の様子を探ると、人っぽいのがいるのがわかった。


「おおーよくやった、さすがはドラゴン。 僕が寝起きなだけに飯前かってね。 おーし、それじゃダウンタウン、降りてー」


 僕は下の様子を見ると、慌てているのがわかった。 頭に疑問符を浮かべていると、少しして思い至った。


「ああー、そうか。 ドラゴンなんて明らかに狂暴そうだもんね。 暴れられたら迷惑か。 じゃあ、君は今日から自由の身だよ。 お疲れ様」


 ドラゴンはその言葉を聞くと、心なしか目を輝かせて飛び立った。 それを見てちょっといたずら心が沸くも、やめておくことにした。


 ドラゴンの背から飛び降りると、地面付近で一気に減速し、着地する。 そのまま降りても問題ないが、何か壊してしまったりしないように配慮したためだ。


 僕は少しわくわくしながら辺りを見ると、そこには武器を構えた角の生えた人たちがこちらを睨み付けている姿があった。

 とりあえず友好的にいこうと思って手を上げると、角の生えた人たちはビクリとしながら後退りした。


 そんなに怯えなくてもいいじゃん。


 心の中ではそう呟くも、仕方がないかと納得する。 そして、魔力を使い、意思の伝達をできるようにする。


「僕は怪しい人ではあるかもしれませんが、危害を加える気はありません。 実は今旅をしていまして、村を見つけたため立ち寄らせていただきました」


 僕がそう説明をすると、正面の男性は訝しげに僕を見つめる。 僕は疑われないよう、最近ほとんど使っていなかった表情筋を使い笑ってみる。

 すると、ヒェッ、と息を飲む声が聞こえてきた。

 正面の男性は厳しい目で僕を見ると、ため息を吐いた。


「旅なんてできるのは怪物ぐらいだ。 その怪物もそれよりもヤバい怪物にやられて死んじまう。 外にはそんなヤバいのがゴロゴロといるんだ。 あんたはそれか嘘つきのどちらかだが、どうやら本物らしい。 この村は今まで逃げてきてやっと手に入れた安息地なんだ。 水と食糧が必要なら渡す。 寝床が必要なら提供しよう。 だが、こいつらや女子供だけは生かしてやってくれ。 それがダメなら命を捨ててでも抵抗させてもらう。 ここに集まってるのは自分が死んででも仲間を守りたいっていう馬鹿なやつらなんだ。 そんなやつらを俺は死なせたくない。 だから、どうかどうか」


 僕はそれを聞いてむっとなる。 別に命乞いされてるのはまぁいいとして。 問題はこの厳しすぎる世界だ。 僕が闘ってきたやつらの強さはだいたいが魔力で決まっていた。 まぁ当然だ。 魔力はそのまま力になるのだから。 しかし、今目の前にいる人たちの魔力はお世辞にも多いとは言えない。 ここまで差があると、集団で襲いかかっても勝つのは厳しいかもしれない。 そして、それをこのまま放置していればいずれは人が絶滅してしまうかもしれない。 それほどまでに厳しい環境なのだ。


「別に殺したりするつもりはないですよ。 ただ、しばらか住まわしてはいいだけませんか? その代わりに僕がここをしばらく守護します。 僕はただ一人でいるのが嫌なだけなので、そう難しく考える必要はないですよ?」


 正面の人は僕をじっと見ると、頷いた。 僕はほっとし、とても優しい人たちなのかもしれないと思った。


「家はすぐには用意できないから、しばらくは俺の家でいいか? それと、村を案内しよう」

「家は自分で用意しますから大丈夫です。 なので、建てて良い場所とか教えていただけますか?」

「わかった。 ではこっちだ」


 僕はこの人、アオさんという名前で村長をしていると聞いたーーに案内してもらった。 その道中気味悪そうな目で見られたり、怖がられたりしたが、罵倒してくる人はいなかった。 僕はどうにか暮らせそうだと安心する。


「では、これでいいか? それと、本当に飯と水はいいのか? もし必要になればいつでも言ってくれ」

「はい。 親切にありがとうございました。 僕は魔力でなんとでもなりますから」

「そうか。 では何かあれば俺の家に来てくれ。 ではな」

「はい。ではまた」


 僕は家を建てると、そこで村の地図を作る。 そして今日見て気になったことを思い出す。

 まず、全体的に痩せ細っている気がした。 その原因は食糧の調達があまりできないことだろう。 畑を見たが、あまりしっかりと育っているようには見えなかった。

 これは、この村一帯の魔力が少ないからだろう。 生物はみんな魔力を持っているようで、それは植物も例外ではなかった。 僕が一番初めにいた場所なんかはここと比べると天と地ほどの差がある。 しかし、これがここが安全である理由でもあるのだと思う。そのせいで村人たちは魔力があまり増えないのかもしれない。


 ということで、僕はまずは作物……はよくわからないから、動物を狩ってこようと思う。 これが一番安全だと思う。 まぁ、僕が作ってもいいんだけど、作ったものは魔力に戻ってしまうから栄養になったりしないんだよね。 あと、僕も畑を作ってはみるけども、それは後々だ。

 その次に……。

 僕が変に動くと、きっと村の人も安心できないだろうから、武器とか動物で魔力増加実験とか、目立たないのにしよう。

 まずは信用を勝ち取らないとね。

どうでしたか? あまり勝手が分からず手探りの状態ですが面白かったなら幸いです。

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