第二章 並び立つ関係
ご覧いただきありがとうございます。
第二章は二つ以上の概念から関係は生まれ、
その中での理想的な人物はどのように動くのが望ましいかを説いています。
人間とは欲深いものだと以前話をした。
その結果物事を決めつけてしまう。
特定の誰かが美人だとかと決めたとしよう。
誰かを美人と決めてしまうから、それと対を成す形で醜い人が生まれてしまう。
特定の事柄についてそれを善い事だと決めたとしよう。
これを善い事だと決めてしまうから、それと対を成す形で悪が生まれてしまう。
このように、二者以上の物事が並び立つことによって関係が生ずるのだ。
有無の関係、難易の関係、長短の関係、高低の関係、
音と声の関係、先と後の関係。
これらの二者の関係は存在した時から変わることのない道理である。
その関係を決めてしまうのは、結局は欲である。
そういった道理の中で聖人(又は理想的人物)はどういった対応を取るのか。
何かを決めつけるという二者を並び立たせないよう、無為の立場に身を置くのだ。
そして長ったらしく言葉を並べるのではなく、
いっそのこと言葉を断ち、態度で示す。
そうすることによって周りの人間が活動しても自分は何かを成そうとはせず、
成果を出してもその結果に頼ることも誇ることもしない。
何か地位を得たとしても胡坐をかくことなく安住しない。
何かが動いていようとも、
それに影響されず自らを変えようともしない。
以上が第二章の内容の独自解釈である。
様々な人間がいる中でいろいろな関係が生まれるのは必然ではあるが、
それはごく自然なことであるとして無為自然とした態度で居続ける。
人為が及ぶと欲望が生まれるからそれを排除し、流れに身を任せる。
なるほど、そうした方が上手くいくこともある。
自分で何かを成し遂げようと必死になって無理しても仕方がない。
時には無理せず、成り行きに身を任せるのもいいかもしれない。
読んでいただきありがとうございます。
二人以上いれば優劣が生まれることは当たり前の事のように思われますが、
結局は人間のエゴが生み出した概念だと言えますね。
他の生物に置き換えれば、それはごく自然なことであり何ら意味を成さない。
人間はもっと自然な生き方を知るべきだと思います。