表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界転生 (練習作品)  作者: れてぃ
6/9

6話


異世界に来たばかりなのだけど



僕は今ゴブリンの群れの中にいる


というか、捕まっている。


縄は掛けられていないけど、2、3匹ほどのゴブリンに見張られて脱出はできそうにない。



「ギャッ!ゲギャギャ!」


 

周りはゴブリンだらけだ。



どうしてこうなったのかと言うと


異世界に来たとき意識を失っていたらしく


そのまま、ゴブリンに運ばれたらしい。


いきなり異世界に放り出されたあげく、こんな状況で


しかも守ってくれるはずの女神様も消えてるし……


もう最悪な気分だ……。



下卑た鳴き声に混じって、鉈で何かを断ち切るような鈍い音が聞こえる。


何かを作っているのだろうか……料理かな?


そして僕も具材にされてしまうのだろうか


なんて事を考えていると、あっという間にその時が来た


鉈を持ったゴブリンが目の前にやって来たのだ



「……こ、こんにちは。」



ひきつった笑顔で挨拶を試みるも。全く手応えがない


そしてゴブリンに連れられるようにして、歩かされる。


一体どこへ向かうのか……?


嫌な不安は的中する


たどり着いた先は火がかけられた大鍋、いまも様々な材料がグラグラと煮えているところだ


背中をトンと小突かれる、やっぱり来るんじゃなかった……なんて


後悔してももう遅い。


大鍋の前に立たされる


思えば短い人生だった……


電子マネーの残額が足りなくて電車に乗れず遅刻したり……


皆で食事に行った時、僕の食べた牡蠣だけ痛んでたり……


――って、ロクな思い出ないな!



がしっと腕を捕まれ、目をつむる


その瞬間を覚悟した……


……………


…………あれ、なにもおきない?


代わりに、美味しそうなスープが入った器を手渡される


さらに口のはしを大きく吊り上げ、ニコニコと木のさじを手渡してくれるゴブリン


しばらく困惑していると、反射的にお腹が鳴ってしまう


――そういえば、朝からなにも食べてないや……


料理にされないと安心した僕は、一さじだけすくってみる


なんか、青色のミカンやトゲトゲした豆腐とか入ってる


いや……まて、食べても平気なのか?


もしかして、ピンチに変わらないのでは


おそるおそる口に運んでみる



「う、むぐぅぅ!」



口の中がパチパチして、強烈な匂いが鼻を突き抜ける。


……が、味は悪くない!


いやむしろ、かなり美味しい?


と、考えているうちに平らげてしまった。


それを見たゴブリンは嬉しそうに飛び回る


もしかして、すごく友好的な種族なのでは?



「あ、あの……ありがとうごさいました!」



お礼を言って器を返そうとした瞬間だった


目の前のゴブリンが上空に吹っ飛んでいく



「大丈夫ですか?お助けするのでお待ちください!」



そこには胸当てを身に付け、身の丈を越えるほどのハンマーを手にする凛とした姿の少女が立っていた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ