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異世界転生 (練習作品)  作者: れてぃ
3/9

3話



うつ伏せに寝そべっている僕の背中をぐいぐい押してくる。

触れられる度に、言葉にならない声が僕の口から漏れる。



「異世界ですよ~? とっても楽しいですよ~☆」



しかし、なんと言われようと今日は休日、だらけ放題が許される日なのである。

本当に申し訳ない、そう思いながら僕は体のスイッチをオフにした。



「う~ん、駄目そうですねぇ… 」



人差し指を口に当て思案する女神様。

しかし、女神様と言えどこの状態の僕をどうすることも出来ないだろう…



「そうだ、こうしましょう♪」



何かを思い付いた女神様は、ベットに腰掛けていた状態から僕に覆い被さるように体勢を変え、右手をわっしと掴んできた。

まどろんでいた意識がだんだんとはっきりしてくる。


手のひら越しに女神様の熱がじんわりと伝わり。

質量をもった大きな何かが背中に押し付けられる。

そして僕の耳元でこう囁いた。



「ちょっとだけ、楽にしててくださいね……♪」



唐突な状況に理解が追いつかない。

全身が強張り、頭が真っ白になる。

そして心の準備を迎えることができないまま、女神様に抱擁……ではなく羽交い締めにされる。



「え!起きるから、ちょっ。」



恥じらいと、もどかしさと、息苦しさの中で逃げようと試みるが、がっちりと掴まれていて身動きが取れない。なすがままである。

あとは結構重い……が嫌な予感がしたのでこれは言わないでおく。

そして全身プレスに耐えきれず、しばらくバタついていたら体力が尽きた……。



「ふふふ、とっても満足です♪」



だいぶ揉みくちゃにされてしまった……。

しかし、ぐったりと無抵抗のままだとまた何かされかねない。

力を振り絞り、ふらふらとよろめき上がって女神様を見上げる。

すると笑顔でこう答えてくれた。



「異世界は危険ですから、魔法使いにしてあげました♪」



え、どういうこと。

魔法使いと呼ばれる年齢にはまだ遠いはずだ。

なんて、どうでも良いけど悲しいことが頭をよぎる



「それじゃあ、こういう風に指をくるっと回してくたさい♪」



言われるまま、身ぶり手振りで真似してみる。



「タフィ ルシス!」



同じように言葉を続ける



すると、はめた指輪から強烈な光が発せられ、体が熱くなる。

あまりの閃光に目が眩んでしまう。

しばらく続いたあと、光はだんだんと収まっていき、やがて指輪は普通の状態に戻った。

突然の現象に驚いたが、初めての体験に心が弾む。



「い、今のはなんですか?」



好奇心を抑えきれずに僕は訪ねる。

すると女神様はとても笑顔になり、こう答えた。



「いまのは女の子になる魔法です。」



そんなことも出来るのか、魔法ってすごいや。



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