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防人伝(ぼうじんでん)  作者: 班長
2/2

ある夕暮れ

葦の葉に 夕霧立ちて 鴨が音の

寒き夕べし 汝をば偲はむ

『万葉集』より


山の端に日がかかり、辺りに影が落ちた。

村に続く道を少女は足早に駆けていく。

「遅くなっちゃった」

幼い身体を弾ませて、家族の元に帰るのだろう。

少女の後ろから車輪と馬の息遣いが聞こえた。

「お容ちゃん、こんばんは」

お容と呼ばれた少女が振り向くと、そこにはよく顔の見知った青年がいた。

「こんばんは! お仕事終わったの?」

「ああ、終わって帰るところだよ。今日はあんまり売れなかったな」

そう言って青年は売れ残った草鞋を見せた。

「良助さんの作った草鞋、とっても丈夫でいいのにね」

良助と呼ばれた青年は照れ臭そうに笑いながら、頭をかいた。

「へへへ、家に帰るんだよね? 乗っていかない?」

「えっ、いいの? やったー」

お容は良助の車に乗り込み隣に座った。

「あっ、一番星!」

「本当だ」

のどかな秋の夕暮れであった。





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