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輪廻の扉  作者: ゑ兎
第5章
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第57話 裏切り

更新遅れてすみません




 見渡す限り一面の灰色。青空は全く見えない。葉が1枚もついていない木が幾本も生えている。足元の地面は枯葉で覆われていた。


 試しに地面を強く踏みつけてみたが、この空間が消えることはなかった。つまり、ここはウィルの能力の中なのではなく、実在する場所ということだった。


「隠れてないで出てこいよ」

 深い霧に向かって僕が叫ぶと、後ろから落ち葉を踏む音が聞こえた。

 振り返ってみると、そこに立っていたのはウィルではなくアマセだった。


「何でアマセがここに?」


「ハルキ、ヒナノさんを渡してください」


「、、、、は?」

 聞き間違えか何かだと思った。だって、アマセの口からその言葉が出るはずがなかったから。だから僕は聞き返した。


「ヒナノさんを私達に渡してください」

「私達って、、、、?」

 僕の問いにアマセは少しの間黙っていた。


「、、、、私達ネクストに、です」

「!!」

 アマセの横にウィルが現れた。


 僕の嫌な予感が的中していた。家にアマセと知らない女の子が来たという話をヒナノから聞いた時から何となくそうなのではないかと思っていたが、知らないふり、気付かないフリをして事実から目を背けていた。

 だけど、僕はこの目で見てしまった。現実をしっかりと捉えてしまった。もう逃げられはしない。


 僕は心の底が黒く染まっていくのが分かった。怒りが溢れかえっていた。ヒナノを連れ去ろうとしているネクストに、アストレアを裏切ったアマセに、皆で守るとルールを決めたアストレアに。そして、こうなることを事前に阻止出来なかった自分に、腹が立った。もどかしさで体中を掻きむしりたくなった。


「何でとかは聞かない。これがお前が選んだ道なら僕は止めない。ただ、もう仲間ではないし守らない。倒す」


「私だって、こんな風にあなたと対峙したくはないです!でも!家族を人質にされてるんだから仕方ないじゃないですか!!他に方法なんか無いんですよ!」

 アマセが珍しく感情を大きく出していた。


「そう。ならなおさら僕は全力でお前達を倒す。そっちだって家族を守りたいのは同じなんだろう?だから、全力でかかってこい!」


 これは僕の全てをかけた戦いだ。僕がアストレアをしっかりと引っ張っていくための、アストレアを守るための、ネクストに打ち勝つ力をもつための戦いだ。


「アンタはあの能無しを構っていればいい。私が任務を果す。分かった?フック」

「その名前で私を呼ばないでください!」

 そう叫んだアマセは腕を前に突き出して指を鳴らした。

 僕の足を包むようにして半透明の立方体が広がった。立方体の半分ほどは地面に埋まっていた。

 僕は咄嗟にその場から離れた。

 バチンという音がして立方体は消滅した。立方体が埋まっていたところの地面も削り取られてへこんでいた。僕が動くのが遅ければ僕の足はあのアスファルトと同じように消えていた。


(2人とも消滅系の能力、、。それもアマセの方は呪いではないから僕の能力は使えない、、、、!)

 アマセの戦力がどれほどのものかは分からないが、アストレアに長く居たらしいから場馴れはしているはずだ。


「アンタはそこで足止めしておきなさい!」

 ウィルはその場から離れようとしていた。

「待て!!」

「行かせませんよ!」

 アマセが僕とウィルの間に立ち塞がった。


「どけ!邪魔だ!!」

 僕がそう叫んだその時、ウィルの横を黒いものが横切った。

 その後すぐ、黒い影が僕の横に片手を地面に付けてしゃがみながら滑ってきた。


「コウスケ!」

「あいつに刀は効かないのかよ、、!」

 ウィルを見ると、片腕を霧状に揺らめかせて立っていた。コウスケの持っている刀は刀身が中程から先が消えていた。

 あの一瞬で斬りかかってきたのに反応したというのか。


「それよりどうやってここに!?」

「探してきた」

「でも、ここがどこかなんて分からないでしょ?」

「あぁ、だから地球上の全てを探してきた」

「!?」

 僕が連絡してから今この瞬間までの短時間で地球の陸地1億5千万km²を移動してきたと、コウスケはそう言っていた。

「まぁすぐに見つかったから全てではないけどな。それより、どういう状況なんだ、これは?」

 コウスケが聞いてきたが、今は話している暇は無かった。ウィルが再び消えようとしていたからだ。


「とりあえずアマセを何とかしておいて!!僕はシェイクスピアを止める!」

「後でちゃんと説明しろよ!」

 僕はコウスケのその言葉を最後にウィルが消えた霧の中に突っ込んでいった。




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