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輪廻の扉  作者: ゑ兎
第3章
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第35話 消えぬ霧




今、僕に出来ることは何がある?


僕がアストレアに貢献できることは何だ?


ソラとミナトは前世持ちと戦っている。他の皆も人形を倒しきろうと必死になっている。

皆戦っているのに僕だけ何も出来ていない。

僕はどうやったら戦力になることが出来るだろうか?


来世の能力。

僕の能力はどう応用することが出来るのだろうか。

僕の意思が能力の効果に多少の変化を生むかもしれない。だけど、そんなもので今この窮地を打開できるだろうか。


僕にも何か、、、、。


【誰かの力になるよりもまずは自分の心配をしたらどう】

「、、、、?!」

「先輩下がってください!」

スミハのその声で僕はハッとした。

考え事をしていたせいでいつの間にか前進していた。

慌ててスミハとコウスケの元へ戻る。

僕が退いた瞬間、それまで立っていたところに霧が立ち込めた。

1秒でも遅かったら僕は霧に呑まれていただろう。

渦を巻く霧の中から1人の少女が出てきた。


「関わるなと忠告したのに無視したのね」

「お前がシェイクスピアか、、、、!」

「先輩、気をつけてください!」

「私は私。シェイクスピアは私であり霧である。それは存在を隠し、接触不可視の私、、、、」


ウィルの両手に霧が集まり、両腕を包み隠した。

「先輩、あの霧に触れたらその部分が消えてしまいます!」

スミハは能力を使ってウィルの霧のことを教えてくれた。

「分かった、ありがとう!」

あとは僕の戦いだ。

あの霧が呪術の類であるならば僕の能力で防ぐことが出来る。

そう思い込むことにした。


ウィルがこちらに走ってくる。

僕に掴みかかり、存在ごと消してしまおうと両腕を前に突き出してくる。

僕は自分の腕でそれをいなす。

僕の腕は消えなかった。

僕の能力はしっかりと働いていたことが今はっきりと分かった。


「何故、、、、!なぜ消えない!」

ウィルがいくらハルキに接触してもハルキの体が欠けることは無かった。

ウィルは段々と焦りの色を見せ始める。


「お前達なの、、、、!?お前達が私の能力を無効化しているのか!!」

ウィルの怒りの矛先は僕の後ろで戦いの行く末を見守っているコウスケとスミハに向かった。

しかし、その考えは見当違いだ。

ウィルの霧が効かないのは僕の能力によるものだ。


「あぁもう面倒くさい!」

ウィルが叫んだ。

ウィルの体が再び霧に包まれて消える。


【こっちに引きずり込んで終わらせる】


僕の周りを深い霧が覆った。コウスケとスミハは走ってくるが間に合わなかった。


僕は霧に取り囲まれて気がついたときには僕は駅前にはいなかった。



僕はどこかの森にいた。

灰色な雲が空を覆い尽くしている。

木々は全て葉が落ちてしまって、足元は枯葉で埋まっていて地面は見えない。

霧が出ていて遠くの景色を見ることは出来なかった。


「誰かをここに呼ぶのなんて初めてよ」

霧からウィルが現れる。


「何で僕をそこまで戦いに参加させたくないんだ」

「貴方が邪魔だから。私達の活動の支障になるものは全て邪魔」

「それなら僕じゃなくたって皆そうだ!」

「そう、お前達全員が邪魔。その中で1番弱いのは貴方。何をしてくるか分からないのが貴方。だから先に私が潰す、それだけ。話すのも面倒だからこれで最後。今ここで死ぬか何もかも忘れて家に帰れ」


何とも身勝手な言い分だった。

その上意味の無い選択を強いてくる。

そんなもの、僕の答えは1つだ。


「どちらも断る。僕は僕の意志でお前を倒す!」


「そう、なら私はお前をここで倒す」


より一層濃くなった霧の中から無数の腕が伸びてくる。

僕は、いくら能力で体が消えることはないとしてもそれがどの範囲なのか分からなかった。

腕だけしか無効化出来ないのかもしれない危険性があるため全て避けないといけなかった。


「数が、、多い、、、、!」

「捕まえろ!」

「しまっ、、、、!」


顔に迫る腕の対処に気を取られていて足首を掴まれてしまった。

僕はその場から動けなくなる。

1度捕まってしまうとその後は堰を切るように腕が集中的に伸びてくる。

一瞬のうちに僕は四肢を動かせなくなってしまった。


「呆気ないわね」

「、、、、っ!」

ウィルを睨む。

ウィルは勝ちを確信して薄く笑っている。


結局僕はこんなところで死ぬのか。

こんな、よく分からない空間で僕の命は終わるのか。


その時、僕の頭の中に声が響いた。


「さぁ、終わりにしようか。さよなら」

ウィルが僕の胸めがけて腕を突き出した。

僕は叫ぶ。


「才智万華!!」


僕の胸にウィルの腕が刺さった。コアが欠ける、何とも言えない吐き気がした。


そして、ウィルが血を吐いた。


「ガッ、、、、あ、、、、!」


ウィルは僕の胸から腕を引き抜いた。ウィルの胸から血が溢れ出てくる。

僕の四肢を掴んでいた腕が消えた。

僕の体が自由になる。


「カハッ、、、、お前、、何をした、、、、!」

「お前の能力をそのままはね返した」


僕は能力名を叫ぶ瞬間、能力を無効化させるのではなくはね返すことを意識した。

その結果、僕のコアを破壊したウィルの腕はウィルのコアを破壊したことになったのだ。


「う、、、、くそ、、!」

周りの景色が駅前のものに変わった。

僕は輪廻の世界に戻ってきた。


「お前は、、絶対私が殺す、、、、!」

そう言い残してウィルは霧に包まれて消えた。

コアが欠けてもまだ能力は使えるようだった。



「ハルキ!」

「先輩!無事だったんですか!?」

コウスケとスミハが駆け寄ってくる。

「うん、何とか、、。シェイクスピアは撃退した」

「はい、お疲れ様でした、、、、!」


僕ら3人の前に道は開かれた。

「さぁ、先に進もう!」


僕らはまだ見ぬ戦場へと足を進めた。



少し長くなりましたが、その分大きな展開を書くことが出来たと思います

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