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第1話 プロローグ

※2017/12:『平和への呆れ』の年の間違いを訂正

  ある日、人類史は終わりを告げる。

  正確には、新たな人類史が始まる。つまらない神の気まぐれで。

 

 ────────────

 

  人類が誕生し、国が誕生する道のりの中で人々は幾度と無く、争った。そんな戦争も終わり、大戦の残火として起こっていた紛争も技術の進歩によって長い年月を掛け、世界は平和となった。

  西暦2035年。人々は様々な自然災害・人為災害すらも乗り越えた。他の惑星の移住も可能にした。

 

  しかし、神は平和をよしとはしなかった。争いを求めた一人の絶対神は世界を破壊した。

 

  後に「平和への呆れ」(英称「Amazed to Peace」)と呼ばれるこの天変地異は不意に襲った────


 引用:『混沌に巻き込まれる世界』

 著作:ジョーンズ・カーネス

 

 ────────────

 

  西暦2035年、神によって滅ぶ世界は科学を失う。神は平和を導いた科学という存在を消し去った。そして神は争いを生むために『魔法』を創造した。西暦2035年────またの名を魔法暦0年。魔法の文明が始まる。

 

  今は魔法暦5000年。西暦に直せば7035年である。

  神が世界に天変地異を起こして既に5000年も経過しているのである。魔法文明は栄えに栄え、現在は停滞期となっている。

  魔法技術士はとても貴重な存在である。魔法を使えるものは多いが、魔法を研究するものは少ない。5000年の間に研究し尽くされているからである。

  人々は意味もない争いを今日もする。

 

  バカげた話だ。まさか寝ている間にこんなことが起こっていようとは。


 ────────────


  街の石畳の道を一人の少年が歩いていた。彼は17歳である。

  彼には親戚の類はいない。というよりも朝起きたら何も無かった。この街の郊外の廃墟にいた。

 

  ここはどこなんだ……。俺が住んでいたのは日本なはずだ。記憶に残っている最後はごく普通の学校生活だった。しかしその日の正午から記憶が一切無い。

 

  ……タイムスリップ??

 

  道を歩く人々は少年の服を見て、不思議そうな顔をした。

  「どこの国の人なんだ?」「分からない。」とでも言っているのだろうか。何語かも分からない。

 

  しばらくすると背が高い男二人が来た。

 

  二人は何やら話していたが、しばらくして俺に話し掛けてきた。しかし、言葉は分からない。

 

  とにかく不思議そうな顔をしていたのだろう。男二人は俺を不憫そうに見た。そして、腕を引っ張られた。付いて来い、ということだろう。

 

  大人しく付いていくと警察署のようだ。正確には警察署のような所だろう。

 

  警察官……らしき人達が何やら話している。想像だが、孤児と思ったのだろう。正解だ。しかも、言葉が分からないのは教育的な問題だと思ったのだろう。そこについては訂正しておこう。親は優しかった。きちんとした教育を受けさせてくれた……はずだ。

 

  小1時間ぐらいだろうか。時計が無いから分からない。話はついたようだ。女の人が俺の手を握った。

 

  ……ちょっとニヤけてしまったが、まぁバレてないだろ。

  女の人が少しひいた顔をしたのは、見間違いだと思いたい。

 

  それから通りを来た方向とは違う道へ進んだ。そして、大きな建物の前で止まったのだ。女の人は俺に何か……おそらく、この建物の事だろう、言おうとしたが、俺が言葉が分からない事を思い出したのだろう。口を噤んだ。

  そして、俺と女の人は建物の中に入った。

 

  建物内も広かった。そして、人で溢れていた。商人……だろうか。何やら話しているのも多く見受けられた。

 

  女の人は受付らしき所に行って、何かを伝えた。受付のお姉さんは頷いて女の人に案内をしていた。

  ……受付のお姉さんは可愛いかった。

 

  女の人は俺を連れて、奥に向かった。やばい、そろそろ手汗をかきそうだ。流石に長時間手を繋ぐと緊張する……。

 

  おっと目的地には付いたようだ。何やら魔法陣みたいのが……。

 これはまさか……本当の魔法陣……?俺もエクスペクト・パ〇ローナムとか言えるのか?言えちゃうのか?もしくは契約して魔法少女になったりしちゃうのか……?あっ、俺、男だ。

 

  もしくは……あれか。ド〇えもんー!!!って言いながら、の〇太が泣きついて、ポケットから出すあれか?頭の中に例のアイテムを出す時のBGMが流れたじゃないか。

 



  結果を言うと転移魔方陣でした。


 ────────────


  テレポート先は、どこかの田舎。先程の街は、少し都会っぽい場所がちょくちょくあったけど、こっちは無いな。あれだ、ド田舎だ。

 

  ナントイウコトデショウ。何やら大きな敷地があるじゃないですか。あー察したぞ。ここ、孤児院だな。

 

  その通りだった。女の人は契約的なのを済ませて去っていった。まさかの孤児院だよ。ごく普通の一般家庭で生まれたはずなのにいつの間にか孤児だよ。

  ちょっと、奥さんこんなの信じられますぅー?無理でよねぇ?

  今のは正直、キモかったです。反省しています。

 

  どうやら吾輩、今日から孤児院暮しでやんス。

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