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神様!お願いします!  作者: ハロ
四章 天国と地獄
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76話 神様!異世界の神様とお会いしましたわ!

「やぁ、お困りかい?」


「え!?」「むう!」


「警戒しないて。僕味方だよ」


皇帝が着るよりも豪華な服を着ていた。

髪は白く背中まである。顔は整っており、今まで見た誰よりも美しい。


この精神へは2人までしか来れないのだ。

手が2つしか無いかららしい。魔法でここに来る事は出来ないし、どう対応して良いか分からない。


「普通はさ、信じないものさ。人間は疑う事から始める生き物だからさ。でもね。これだけは言える。ハオを助けたいならば、僕の言う事を聞いてくれないか?」


「その前に、貴方は何者なのです?」


「ああ、この世界の違う異世界の神様さ。地球の神様と名乗っておこうかな」


「か、か、神様!?」


「ほぅ、これは素晴らしい」


「君達は名乗らなくていいよ。知っているから。それでは改めて礼を言おう。ハオを今まで助けてくれて」


「今までではありません。これからも!です」


「あははは!うん!いいね!」


「で、地球の神よ。どうするのだ?」


「あ、そうだったね」


地球の神様は説明してくれた。

異世界の神様がハオと接触した。

ハオの精神崩壊を魔法で凍結させたらしい。

魔法はやがて溶ける。そうなれば、また精神崩壊が進み、もう取り戻せなくなるとの事だった。


時間もあまり無い。

ある部屋に案内された。そこを開けると、腕が床から伸びている。ん?床では無い。沼の様な、水の様な。


「この腕がハオのだよ」


「え!?」


地球の神様は腕を伸ばし、制止させた!


「この沼に落ちたら最後。もう二度と出られなくなるよ。それでも助けてあげられるかい?」


わたくしは縦に頭を振った。

この扉から、何とか腕を伸ばせば届く!左手で扉付近の壁を持ち、右手を伸ばす!何とかハオの腕を掴む事が出来た!


「俺も力を貸そう!」


クラウド公爵が扉に近付く!

が、それは出来なかった。


「ぐああ!何だこの灼熱の様な痛みは!?」


「これがハオの感情だからだよ」


「何故、わたくしは平気なのです?」


「愛だからだよ。愛する故に、ね」


「すまぬ!これ以上は無理だ」


「いえ!クラウド公爵!ありがとうございます」


わたくしの力で、何とか頑張ってみる!

が、ヌルリと滑り上手く掴めない!少しずつだが、ハオは沈んで行く!ダメ!それだけは!


「ハオ!ハオ!ハオ!!!わたくしの手を掴んで!お願い!」


何も聞こえない。

響かない。届かないのだ。この手の温もりさえも。


「いや!ハオ!沈んじゃイヤ!うう!お願い!」


手首から手のひらへ。

そして、今は指を辛うじて掴んでいるに過ぎない。


「ハオが沈めば、もう助ける事は永久に出来ない」


地球の神様が言う。

神様が出来ないのだから、そうなればわたくしでは無理なのだろう。


「この沼に落ちたら、もう二度と戻れない」


そうか。

わたくしは間違っていたのだ。


指からハオの手が滑り落ちた!

ああ、やっと分かった。自分がどうすればいいのかを。


わたくしは飛び込んだ!

沼に落ち、ハオを抱き締める!何とか頭を引き上げ、わたくしは決意した!もう二度と離さない!この精神世界から出られなく。ハオと一緒ならば、何処でだっていい。


「ハオ!もう離さない!絶対に!」


沼が光る!

激しく輝き、そこには何も無くなっていた。


いつの間にか、あのベッドの上に居る。

わたくしは三角座りのハオを抱き締めていた。頭を何度も撫でて、嗚咽を吐くハオを慰める。


「ああ!ああああ!ぼくはこれを望んでいたのだよ!あはは!奇跡!これこれ正にそう言うに値する!神の力を超えたこの光景を!奇跡と呼ばず、何と言えばいい!!そうだろ?異世界の神よ」


「そうだね。約束を破ってすまない。地球の神よ」


「愛する力。愛するが故。

愛に溺れ。愛に悲しみ。愛に怒り。愛に嫉妬し。愛に苦しみ。愛に憎しみ。愛に期待し。愛に恐怖し。愛に後悔し。愛に焦燥し。愛に絶望する。

そして、愛に目覚めるのさ。

人は愛無しでは生きてはいけないのだよ。その力は神をも超える。それを見れて、僕は満足、いやご満悦だ。

それに、君は約束を破ってはいない。彼はキチンと断っただろ?異世界の神よ」


「何でもお見通しか。そうだね。あの時もそうだった」


「すまぬ。異世界の神様と地球の神様よ。ここからは出られそうなのか?」


「ああ!すまない!君は出てもいいよ!ほい!」


「え!?あ!?ちょま、て!?」


「無粋だなぁ!地球の神よ」


「このアツアツな二人の邪魔をする方が無粋さ!異世界の神よ」


「なぁ、もう暫くここに居てもいいだろ?この奇跡という名の愛を見届けるのを」


「嫌と言われても、後ろから覗いてやるさ!」


「そうだね。次見れるのは、何時になるのだろうね」


こうして、二人が満足するまで、見届けるのであった。

僕達には無い薄れた感情を確かめる様に。羨ましくもあり、妬ましい。でも、こういうのも久しぶりに悪くないと思う。

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