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神様!お願いします!  作者: ハロ
四章 天国と地獄
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71話 神様!処刑されます!2

この話は短めです。

エインテールの丘を越え、山と山の間に切り開かれた高地。茶葉が有名で、ここで生産された物の90%が賄われている。


茶葉は、熟成が違うと変化するのだ。

元は全て同じ。烏龍茶も紅茶も日本茶も。意外な事に、あまり知られてはいない。


熟成期間で、お茶の名称は変わる。

0%ならば、烏龍茶や日本茶に。50%ならば紅茶へと。


お茶にジャスミンの花を混ぜると、ジャスミン茶となるのだ。


朝早く、農夫達は茶葉積みをしている。

霧も深く、1メートル前が見えない。高地ならではである。


わたくしはそれを眺め、深い溜め息を付く。

これからクラウド公爵へ嫁ぐのだ。その為に、馬車に乗っている。


いや、違う。

結婚を断りに行くが正しい。


わたくしはもう処女では無いのだ。

クラウド公爵の求める女性ではない。だから、謝ろう。土下座しても何をしても。結婚を取り止めてもらえるまで。


馬車に揺られ、1日半が過ぎた。

ようやくクラウド公爵の屋敷に到着する。


屋敷は広く、庭も広大だ。

手入れもしっかりと施されており、真ん中には噴水がある。薔薇の花が咲いており、赤や青と列により仕切られていた。


馬車から降り、屋敷に案内される。

執事やメイド、その他大勢。全部で20人はいるのではないだろうか。


「ようこそ!おいで下さいました!」


「「お初にお目にかかります!マチルダ様!」」


全員が声を張る!

玄関も広く、そこに響き渡るのだ。


荷物を部屋に持って行ってもらい、クラウド公爵の元に案内される。


部屋の前に立ち、緊張するのだ。

これから結婚を断る為に。そう思うと、心苦しくなる。


「クラウド様。マチルダ様がおみえになられました!」


「うむ。入っていい」


部屋に通され、クラウド公爵はこちらを見た。

わたくしは机の前に立つ。すると、クラウド公爵は立ち上がり、わたくしの前に近付いてくるのだ。


「クラウド公爵、申し訳御座いません。結婚をお断りしに参りました」


「ふむ………理由を聞こうか」


「好きな相手がおります」


「それでも構わん」


「………………もう抱かれたので、処女ではありません」


「…………………………………そうか」


クラウド公爵は天井を見上げた。

そして、俯き目を閉じる。わたくしは悪い事をしたと心を痛めた。


そして、土下座する。


「クラウド公爵。誠に申し訳御座いません」


暫くの沈黙が続く。

わたくしにはクラウド公爵の顔が見えない。怒っているのかも、悲しんでいるのかも。声もかけては下さらない。だから、何も判断出来ないのだ。


「ローゼフ、結婚式と儀式は取り止めだ」


「………畏まりました。クラウド様」


「マチルダ様、どうしてアーサー王に言わなかったのです?」


「伝えました。ですが、聞いて貰えなかったのです。申し訳御座いません。クラウド公爵」


「………そうか。ならば、仕方あるまい」


「クラウド公爵、申し訳………うう………御座いません……うっ…でした」


コツコツと足音がする。

遠ざかる音だ。窓へ向かったのか?それとも、部屋を出るのか?


「泣くな。マチルダ様。で、とうするのだ?」


わたくしは涙を拭う。

顔を上げられない。無様な格好でだ。


「はい。城へ戻ろうかと」


「そうか………今日はもう遅い。明日戻ればよかろう」


「ありがとうございます。クラウド公爵」


「ローゼフ!マチルダ様を部屋に案内せよ」


「畏まりました。クラウド様」


ローゼフさんに起こして貰う。

クラウド公爵は窓をずっと眺めていた。


「所で、マチルダ様。誰か連れて来たのか?」


「いえ、誰も」


「血塗れの服がボロボロだな。メイドか?」


「え!?」


わたくしは窓へ駆け寄った!

すると、馬から今にも落ちそうなメイドらしき人物が乗っている!


そう、あれはわたくしのメイドだ!

服が破れ、血が染み込み、意識があるか不明である。

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