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神様!お願いします!  作者: ハロ
四章 天国と地獄
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70話 神様!処刑されます!1

この話には拷問された内容が含まれています。

閲覧する際は、注意して下さい。

鞭の音が響く。

しかし、そこには叫び声は無かった。


ポタッ。

ポタッと、水が床に落ちる。


カツンカツンと足音が響く。

ユフィが牢屋へと入って来た。


「お前達!何をやっている!!止めろ!」


「ゆ、ユフィ様!?申し訳御座いません!」


兵士は手を止めた。

鞭で叩かれた男に、意識は無い。


「ハオ!大丈夫か!?」


返事は無かった。

目には光がなく、真っ黒な影を潜めている。


「姫様!どうなさいます?」


アルフレッドがユフィに問う。

この意味はあまりにも大きい。アーサー王への反逆行為に当たるからだ。


「私の部屋に連れていけ」


「仰せのままに!」


手錠が外され、肩に背負われる。

帯びただしい傷や火傷、そして血が付着していた。


アザも相当なモノだ。

全身に隈無く青アザが帯びている。どうすればここまでなるのか?そう思えてしまう程だ。


ユフィが兵士を睨む!

すると、兵士は俯き、兜を直す。見張りの兵士は、何人か報告へ行っただろう。それは仕方ない事だ。


「ちっ!とりあえず治療が先だ」


ユフィは下唇を噛み締める!

歯の後が付くくらいに。あの姿を見てしまえば、そうしてしまうのも無理はないだろう。


事の始まりは、密告からだ。

ハオがマチルダを抱いた。それがアーサー王の耳に届く。


普通ならば、妾程度でお遊びに過ぎない。

妻が体だけの関係を持つのも、仕方ない事だ。


が、今回は訳が違う。

クラウド公爵と約束した。それは処女である必要があるのだ。今度のダブル満月に妻を娶り、その純白を貰い受ける儀式がある。


儀式は処女でなければならない。

そうでなければ、力を授かれないからだ。精霊達との契約には、これがとても重要となる。もし、処女でない女性と儀式を行えば、契約は二度と行えない。


アーサー王は怒り狂った!

だから、ハオに拷問をし処刑する事で、クラウド公爵への示しにする積もりだ。


処刑は3日後。

いや、もう後2日も無い。


ハオを助ける事が出来る人物は、ユフィただ一人。ミネアもフローラもここには居ないのだから。




アルフレッドにハオを自室のベッドに寝かせる様に指示する。

傷の手当てや、服を交換するのはメイドに任せた。状態があまりにも酷く、包帯で全身が巻かれている。


勿論、魔法や薬品も使った。

が、状況はあまりにも良く無い。


魔法は万能では無いのだ。

治癒力を高めるだけ。炎症や傷口を抑える程度で、ゲームみたいに瞬時に治る事は決して無い。通常であれば、完治するのに半年掛かるのが、2カ月程度に短縮されるくらいだ。また、欠損には効果が無い。


「ハオは意識を取り戻さないのか?」


「それが───」


目を開けているから、死んではいない。

心臓も機能している。が、肝心の自我が無いらしい。虚ろな瞳には、何も写らないのだ。精神崩壊している。


「馬鹿な!!」


バーン!!


ユフィの部屋にノックも無しに入る無礼者がいた!

アーサー王とその取り巻きだ!つかつかと上がり込み、ユフィをギロリと睨む!


「これはどういう事か説明して貰おうか!」


ユフィは黙る。

色々な言い訳を考えるからだ。何を言えばハオを助けられる?長くは時間が貰えないだろう。


「こいつは私の婚約者です。これくらい当然の事をしたまでです」


アーサー王はユフィを威圧した。

それでも、ユフィは怯まない。ここで引き下がっては、もう助ける事が出来なくなるからだ!ハオには借りがある。そして、期待もしているのだ!ここで恩を売り、また旨い料理を披露して貰う義務が発生するとユフィは思った。


「婚約者?貴族でもない平民とか?」


「平民では御座いません。男爵位を与えると聞いておりますが」


「そんなモノ認める訳が無いだろ!!こいつの仕出かした事は、鷲の顔に泥を塗ったのだぞ!?その罪は償うのが当然だ!」


「ならば!ならば、私がマチルダの代わりとなります!」


「ふん!お前程度で、マチルダの代わりが務まるか!!花火やあの料理、そして新しい馬車をお前が用意出来るとでも言うのか!?それにお前はもう処女ではあるまい!!」


「そ、それは………」


それをやったのはハオだ。

だが、その功績はマチルダの物となる。何故ならば配下の行いは、上司のモノとなるからだ。


ハオを手元に置けば、マチルダよりも貢献出来るかもしれない。

しかし、この状況で手元に置せて欲しいと言うのは無理がある。


2日以内に先程述べた事、以上を示すのは不可能だ。


ユフィの顔が歪む。それをアーサー王は見逃さない。


「出来まい!ならば、そいつを渡してもらおうか!」


「くっ!」


「連れていけ!」


「「はっ!!」」


ユフィは自分の無力を悔やんだ。

ハオは連れて行かれ、牢屋に再び閉じ込められるだろう。そして、また拷問されると思うと、悔しくて涙が出そうになる。






ハオが連れていかれ、30分が立つ。


「アルフレッド、私はハオと共にこの国を出る」


「姫様」


「止めるなよ?アルフレッド」


「いえ、私めは姫様の騎士ですから。何処までもついて行きます」


「すまぬな。アルフレッド」


ユフィは部屋を出ようと扉に手をかける。


ガチャガチャ!ガチャガチャ!


「な!?」


扉は魔法で閉められていた!

ここからは一歩も出る事は出来ないだろう。


「や、やられた」


「ふん!」


ガキーン!キーン!


アルフレッドが扉を斬りかかる!

が、傷1つ付ける事は出来なかった。


この部屋には窓も無い。

脱出は不可能である。


ユフィも剣を抜く。

扉や壁に斬りかかるが、魔法の前では無力であった。剣が折れるまで、いや、抗う心が折れるまで、ユフィもアルフレッドも剣を振るった。


結局、二人は処刑日もそこから出られなかったのだ。

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