67話 神様!マチルダ様と○○○しました!
誕生際が過ぎた翌日、マチルダ様は国王陛下に呼び出された。多分、クラウド公爵との結婚についてだろう。
僕は心の中のモヤモヤを何とかしたかった。
でも、それはどうしようも無い。マチルダ様と僕とでは身分が違い過ぎる。
僕は平民、マチルダは皇族。
マチルダとキスされた。
好きだと言われた。
結婚したいと言われた。
僕は何とも言えない気分となる。
こんな事なら、キスしなければよかった!好きだと言われなければ!結婚とか、マチルダ様との結婚生活を想像してしまった自分を歯痒く思う。
結婚しなければよかった。
僕は多分、250回は思っただろう。
死ねばいいのには、7000回は心の中で吐き捨てた。嫁との結婚生活を思い出す。
子供が生まれ、2ヶ月。
ビーズのライブに行くと言い出す。来週と告知された。夜は泊まってくるから、子供よろしくと言う。
僕は何度も何度も抗議した。
しかし、それは却下される。
『ビーズのライブ行かせてくれないなら離婚する』
ドクズを超えた発言に、僕は何も言えなかった。
当日、本当に子供を置いてビーズのライブに行ってしまった。残された僕は生後2カ月の赤ちゃんの世話をする。
妹とその友達が遊びに来てくれた。
20時には帰ってしまったが、それでも助かったと思う。
事件はその夜起こる。
ミルクも飲ませ、オシメも替えた。なのに、泣き止まない。僕は慌てた!どうする事も出来ず、抱っこしてあやす。が、1時間立っても、2時間立っても、赤ちゃんは泣き止まないのだ!
そこで、自分の母親に電話すると、もう一度ミルクあげたら?と言われ、そうしてみる。
すると、泣き止み、夜は何とか凌いだのだ。
「はぁ、お腹空いてたのか。足りんかったんだな」
僕はホッとして、寝てしまった。
マチルダ様が帰ってこられた。
しかし、何も話さない。僕は不安になる。
「マチルダ様?」
「暫く一人にしてくださる?」
僕は自分の部屋に戻った。
何て言われたのだろうか?気になる。
その日は呼び出しされず、次の朝を迎えた。
マチルダ様から、ミネアさん、フローラさん、そして僕が呼び出される。昨日の事を説明してくれるのだろう。不安と希望が入り乱れる。
「国王陛下から、クラウド公爵との結婚を告知されました。結婚は1週間後との事です」
「早!?」
「もう少し黙っていてくれませんか?」
「すいません」
「ハオは男爵位を頂きました。公表は1週間後でしょう。
これで、ミネアかフローラのどちらかと結婚出来ると思います。わたくしのメイドですが、不要との事なので、二人共、ハオに仕えて下さい。わたくしからは以上となります」
何だよ!?
こんなの納得出来る訳ない!!
「マチルダ様はそれで宜しいのですか?」
「わたくしは明後日には出発します」
「納得されたのですか!?」
「ミネア、フローラ、わたくしの荷物を準備して下さい。それと、今までご苦労様でした」
「僕は!僕は!?───」
「ハオ…………出て行ってくれますか?」
意識が遠退く。
僕は気が付いたらベッドに横たわっていた。
何も食べたくない。
何もしたくない。
何も考えたくない。
でも、頭を空っぽには出来なかった。
色んな事が頭を過る。何か方法はないのか?
駆け落ち。
僕には無理だよ。才能も身体能力もない。魔法も魔道具を扱える程度。
そして、いつの間にか寝てしまった。
「ん、んんん?」
部屋は暗く、夜はになっていた。
お腹の上に何か重りを乗せられた感じがする。
「え!?」
マチルダ様が僕の上に乗っていた!
「マチ──」
マチルダ様に手を当てられ、声がかき消される。
よく見ると、マチルダ様は服を着ていなかった!見る所に困る!
「ハオ………好きです。抱いて下さい」
「マチルダ様、ダメです!まだ間に合いますよ!」
「お願いです。わたくしに最後の思い出を下さい」
「結婚されるのですよ?バレますって」
「ハオはわたくしの事が嫌いですか?」
「………狡いですよ。マチルダ様」
「嫌い………でしょうか?」
「嫌いな訳ありません!す、す、好きです………大好きですよ」
「嬉しいですわ♪わたくしもハオが大好きです」
「好きだから……………好きだからです。ご自分を大切にして下さい」
「ありがとう。でも、わたくしの初めてを捧げたいのです」
「僕は初めてではありません。対等ではありませんよ」
「それはわたくしが悪いのです。だから、こうしてハオを体に刻みたい。向こうで暮らしていける糧に」
「マチルダ様………」
「ねぇ、マチルダと呼んで」
「マチルダ様?」
「違います。様はいりません」
「マチルダ………様」
「ハオ!」
「ごめんなさい。ま、まち、マチルダ」
「ええ!ハオ♪」
僕は過ちを犯した。
マチルダ様とエッチしたのだ。後悔はない。好きな人とエッチしたのだから。どんな罰を受けたとしても。




