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神様!お願いします!  作者: ハロ
四章 天国と地獄
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48話 神様!人生で最悪のピンチが訪れました!

この話から登場するユフィはサクラとは同一人物ではありません。世界には自分と瓜二つな人間が3人います。

NTRはありませんので、ご安心してお楽しみ下さい。

僕を迷っていた。

人生にはずっと迷っているとか、そんな事では無い。まぁ、迷ってますけどね。


勢いで飛び出したはいいが、城の中で迷子になった。もう2か月も居ますよね?とかツッコミは不要ですから!


「どうした?」


聞き覚えの声がした。

20年ぶりか。まだ脳が覚えていたとは。不意に後ろから声をかけられた。心臓が逆立つ。爆音と共に嫌な汗が流れた。頭の中は真っ白となり、本能のまま後ろを振り返る。


そこには、サクラが居た!


「あ、あ、あ、あ、ああああああ」


「大丈夫か??」


目の焦点が合わない!

心臓がギューっと締め付けられる!僕は心臓を手で押さえた!それでも、激しい動悸は収まらない!寧ろ酷くなる一方だ!


「はっ!はっ!はっ!はっ!はっ!」


過呼吸になり、俯く。

顔からは尋常もない汗が吹き出した。


目の前には、過去に付き合っていたサクラが何故かいる。姿も当時のままだ。もしかして、異世界へ転移させて貰ったのか?世界の理を解いて・・・。


肩に手が乗る。

僕は反応して見るしかなかった。顔を直視したら、やはりサクラだ。


「あああああああああ!!!!」


僕はサクラを指差す!

手が震え、腰を抜かした。地べたに尻を付き、後退りする。


「嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌!!!!あああああああああ!!!!来るなぁ!!!!!!はぁはぁはぁはぁあっ!?」


僕はそこで意識を断った。


「誰か!誰か!!」


「何でしょうか!!ユフィ様!!」


兵士が駆け寄る。


「この者を部屋に運びなさい!」


「はっ!」


「こいつは何者だ?」


「はっ!この者は、マチルダ様の専用執事です。ユフィ様!」


「そうか。ならマチルダを呼ぶのだ」


「畏まりました!」


(腹が立つ!人の顔を見た途端に、騒いで気絶するなんて!失礼極まりないな!この償いはマチルダにしっかりさせなくては!)


病室にとりあえず運ばれる事になった。

まだ意識を取り戻していない。マチルダもまだ来ていないのだ。私は窓の外を見ていた。すると、慌ただしい声がする。


「ハオが倒れたとお聞きしました!通して下さい!」


いつものマチルダらしからぬ、慌てぶり。

私はこいつが嫌いだ。お父様に気に入られているのも気に食わない。可愛いふりをして、求婚も縁談も断り続けているからだ。さっさと結婚しろ!


「ハオ!ハオ!目を覚ますのです!」


「マチルダ!先に私に話すのが筋じゃない?」


「はっ!これは失礼しました!ユフィお姉様!ハオはどうされたのですか?ご存知ありませんか?」


「マチルダの執事なのか。なら、話が早い。こいつは私に無礼を働いた!だから、その償いをして貰うぞ」


「え!?ハオが失礼な事を!?」


「私は辱しめられた。だから、謝罪を要求する」


「・・・それは大変失礼しました。ハオの代わりにわたくしが謝罪させて頂きます。執事がご迷惑をお掛けしました。申し訳御座いません。ユフィ・ランドバーク様」


「ふん!」


反発するかと思ったが、素直に謝罪してきた。

もしかして、この執事が大事なのかも?そう思えてならない。


「・・・ん、・・・・こ、ここは!?」


「ハオ!目を覚ましたのですね!わたくしの事が分かりますか?」


「マチルダ様?はっ!?申し訳御座いません!ご迷惑おかけしました」


「謝らなくて良いのです。本当に大丈夫───」


「あ、あ、あああああ」


私を見て震えている!

何なんだ!?こいつは!?頭を抱え、うずくまっていた。


「嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌!!!」


「ハオ!?どうしたのです!?」


「あわあわあわあわあわ・・・あああああ!!来ないで!もう来ないでぇ!!あっちに行って・・・」


ガタガタと震えて出す!

そんなに私が嫌いか!マチルダの執事のくせに!生意気な!


「マチルダ、気が変わった。お前の謝罪では許せない。詫びたいならば、こいつに謝罪させろ。私は部屋に戻る。もし、謝罪しなければ、処刑は免れんから」


「そ、そんな!?ユフィお姉様!」


「お前にお姉様と呼ばれる筋合いは無い!!」


私は部屋に戻り、マチルダの執事がどんな人物なのかを調べさせる。


「何でも料理が得意な様です」


「ふん!料理等、誰でも作れる」


「それが、王宮コックよりも優れておりまして・・・」


「ん?それは本当に?」


「はい、これがその料理です」


「パンではないか!馬鹿にしているのか!?」


目の前にはパンがある。

これの何処が料理と言える?こんなモノ!腹が立って仕方無かった!だが、食べてみなければ評価も出来ない。そう思い、一口噛った。


「ん♪な、何だこれは!?」


「シュークリームと言ってました」


「名前では無い!こんな!こんな旨いパン初めてだ!」


「えーと、パンではなく、お菓子と申してました」


「お菓子だと!?何故、私の所に持って来ない!?」


「姫様は本日、久しぶりに戻られたではありませんか」


「そ、そうだったな。すまぬ」


驚きだ!

こんなお菓子食べた事が無いぞ!私はパンを見つめた。3か月留守にしていたのだ。知らなくて当然か。


「これの他にアイスクリームも御座いますが、如何なされますか?」


「それもだ!早く!」


アルフレッドは部屋を出て行った。

この私が動揺するだと?マチルダの執事を思い出す。私を指差し、化け物でも見るかの如く、叫ぶ。ああ、忌々しい!!また腹が立ってたので、パンを一口噛る。うん!旨い!食べ物には罪は無いからな。あの執事!どうしてくれよう?


「姫様、アイスクリームに御座います」


「うむ」


何だこの白い塊は?

これが食べ物だと!?馬鹿にして!でも、食べれば案外旨いかもしれない。さっきのパンを思い出す。


「ぱく………んんん♪はぅ♪な、な、な、な、な───」


「アイスクリームに御座います」


「つ、冷たい♪んん♪美味しい♥」


「いつもの姫様ではありませんな」


「馬鹿者!これは何だ!!旨いを通り越しているぞ!?」


「私めも最初驚きましたから!」


「………王宮コックでも敵わない訳だ」


空になった皿を見つめた。

私はお菓子は好きでは無いが、これならば、いくらでも食べられる。ええい!マチルダめ!余計に腹が立つ!こんな優秀な執事を抱えているとは!!そして、その執事をけしかけて来るとは、誠に遺憾だ!


「あの執事、只では済まさんぞ」


「姫様、申し上げて宜しいでしょうか?」


「何だ、言ってみよ」


「あれは精神疾患を患っていると思われます」


「精神疾患だと?」


「はい。戦場でよくあの光景を見ておりますので。パニック障害とも言えるでしょう。味方が撃たれ、それを目撃する。自分もそうなるかもしれないと、戦意喪失となるのです」


「どう見ても、あの執事は兵士では無いぞ!」


「そうですね。多分、違う理由があるのかと」


「私は気に食わん!そんな理由で、私のプライドは汚されたのだからな!如何なる理由も、私には通用せん!例え、病気であってもな」


「お厳しいですね」


「何だ?アルフレッド!まさか気に入ったのか?」


「ははは!そうかもしれません」


「マチルダに大きな借りを作らねばな!!」


さぁ、マチルダ!早く私の所に執事を連れて来るのだ!

ああ、このアイスクリームとやらは旨いな!もっと欲しい。もっとだ。

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