41話 神様!夜会へ参加しました!4
「ハオの馬鹿ぁ!!!」
「ハオさん鬼畜ですぅ!!」
ミネアとフローラはあるお菓子を作っていた。冷蔵庫の無い、この異世界では冷やしておく事が出来ない。なので、夜会へ出す寸前に作るしかないのだ。
そう、アイスクリームをシェイクしていた。
シェイクするのはミネアが。
冷やすのに魔法をフローラが行った。2時間もかかったこの見返りは、デート1回では割りに合わない!ミネアはそう考えていた。
「はぁ、はぁ、はぁ・・・出来た」
「ですねぇ。氷山ですぅ」
「フローラ、マチルダ様にお伝えして」
「了解ですぅ」
机に置かれたお皿には布巾が掛けられてある。その布巾を持ち上げると、シュークリームが4つあった。
それをミネアは1つ手に取る。
一口、口にするとミネアは言った。
「お、美味しい………馬鹿」
今まで食べたどのお菓子よりも美味しかった。そして、ハオを思う。自分とは違い過ぎる才能を、見せつけられたのだから。
「マチルダ様、用意出来ましたぁ!」
「ありがとう、フローラ。
では、用意してくれますか?」
「はいですぅ!」
暫くすると、氷山が会場へ運ばれた。
バニラアイスで出来た巨大な塊だ。アルプスの山を彷彿と思わせる出来映えである。圧巻だった。ミネアさんとフローラさんに頑張ってもらった甲斐がある。このお礼はシュークリームではとても足りない。また借りを返せばいいと思う。
皿にアイスクリームを盛った。
氷山から削り出す時の爽快さ。僕は満足で気分が良かった。
最初に手渡したのは、ファリス様である。
シュークリームは食べてくれただろうか?僕は気になったが、それを口にする事は無い。
「まぁ、ありがとう♪」
「渾身の一品です!絶対にご満足して頂けるかと」
「もし、私が満足しなかったら?」
(はぁ♪ハオくんを前にすると、強く言ってしまうわ!意地悪しちゃいけないのに!)
「その時は、
それ以上のモノを用意してみせます!」
「はぅ♥」ズキューン!
ファリス様はアイスクリームを一口食べた。唇が白くなる。エロい!エロいぞぉ!ああ、あのままディープキス出来たら!妄想は誰でもするんだ。僕はそう逃げた。
「んん~♪お、美味しい」(震え声)
「ありがとうございます!」
(ハオくんは一体何者なの!?こんなデザート見た事無い!味も私が表現出来ないとは!!我を忘れ、夢中で食べてしまった。こんなのどれ程の一流シェフでも作れないだろう。
なのに、これでも満足しなかったら、それ以上のを用意すると自信満々で言い切った。もしかして、これ以上のモノがあるの!?
ああ!ハオくんが欲しい!どんな手を使っても!
私は心にそう決めた)
「皆さんもどうぞ!」
女性が群がり、アイスの氷山を削っていく。
「つ、冷たい!?」「ああん♪」「ナニコレ!?」「美味しい♪」
大絶賛の嵐だった!
声だけ聞いていれば、エッチしてるんじゃね?と思われる程だ。
「ミッシェル様もどうぞ」
「・・・頂くわ」
ふてくされている表情から、怒っているよのは目に見えていた。僕は頬を擦る。まだ痛いんですけどね。
ミッシェル様の口元を見つめた。
スプーンが唇に吸い込まれる。ツルリという感覚で、スプーンからアイスが口の中へ流れ込む。
「………ん♪はあん♥な、な、何ですの!?冷たくて美味し過ぎる!?こんな冷たい食べ物、食べた事無い♪んん♪ああぁ♪」
先程の怒りを忘れ、僕を問い詰める。
「これはバニラビーンズを使ってますね!?どういう方法で作成するのです!?この食感は何!?錬金術ですの!?そうでしょ!!」
「僕は錬金術士ではありません。魔法で冷やしました。バニラビーンズを沢山使いましたよ。食感は冷やした事により、違いが出たんです」
「こ、これも販売しますわ!」
「ええ。マチルダ様に許可を貰って下さいね」
「ハオさん!お代わりお願いします!」「ねぇ!大盛って出来ますの?」「お持ち帰りとかはダメ?」
僕の腕に女性達が絡めてくる。
ああ!柔らかい感触を味わう!くぅ!さ、最高じゃないか!男どもの視線が痛いが気にするか!!アイスに勝るモノは無いのだ!
バニラアイスの氷山は瞬く間に姿を消した。
男は基本甘い物は好きではない。だけど、このアイスだけは違った。体の熱を取るし、口の中に広がる心地良さが好評だったみたい。
オーシャン男爵が大の甘党で、シュークリームとバニラアイスを大絶賛してくれた。ファリス様が、それ以上のモノがある事を暴露し、僕に抱き付かれたのは嫌な思い出である。僕は女の子が好きで、男には興味は無い。男の娘とか訳の分からないのもゴメンである。
「ミッシェル様、今日はありがとうございました。シュークリームとバニラアイスの件で、ご迷惑ではなかったのでしょうか?」
「そんな事はありません。余興に丁度良かったですわ。それに、その、あれですわ。損して得取れです」
「何か損されました?」
「恥をかかされましたわ!!」
「ひぃ!?すいません!」
「これでチャラにして差し上げます」
「はぁ」
今日の出来事を思い出す。
沢山の綺麗な女性とダンスをした。そして、色々な話を聞かせて貰ったのだ。それに見合う対価を支払えたと思う。僕のしったかの知識で作った、紛い物のお菓子で、だか。
来て良かった。
僕は子供を作った。地球でだが。人生って、その後は暇潰しなのだ。同じ暇潰しならば、ツマラナイ日々よりも、面白い方がいい。だから、僕は思う。
同じ毎日の繰り返し。
だけど、同じ毎日は来ない。起きる時間も7時だとして、誤差が絶対に発生するのだ。6時59分59秒9999999………。
同じ時間に目が覚める人間はいない。
同じ様な時間に目覚めるだけだ。
だから、僕は言う。同じ様な毎日の繰り返しと。
だっから、今を楽しむしかないじゃないか。
調停離婚なんて、普通の人は体験しない。話し合いで離婚する人達が多数なのだから。協議離婚と呼ぶ。僕も知らなかったのだ。
裁判、裁判と言うが、裁判を最初から始める事は出来ない。たがら、手順を踏む。協議離婚→調停離婚→離婚裁判。
異世界に途中で来てしまったので、その続きはどうなったか分からない。だけど、ツマラナイ日々と思うより、前向きに生きよう。
同じ暇潰しをするならば。




