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神様!お願いします!  作者: ハロ
三章 生きるか死ぬか
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39話 神様!夜会へ参加しました!2

私はこの日が来るのを楽しみにしていた。何と、マチルダ様が男を側に置いているらしい。何の目的かは不明だが、体が目当てでは無い様だ。


マチルダ様は男嫌いでは無い。

だが、これと言った噂は今までなかったのだ。近寄る貴族達は、メイドのミネアとフローラが撃退していた為かもしれない。


そして、15歳を迎え成人なされた。

求婚の手紙は沢山送られて来ているのに、それを受けた形跡も無い。


私は興味をそそられた。

どんな男なのか、この目で確かめたい!お父様にお願いして、この夜会への参加をモノにした。


初対面の印象は、この男が変わっていると感じる。服装が変だ。こんなデザイン、今まで見た事が無い。


とりあえず話をしなくては、何も分からない。なので、ダンスに誘ってみる。私も意地悪な事をするな。自分でも苦笑する。


踊ってみると、サマになっていた。

かなり練習したのだろう。私は感心する。


暫く会話がなく、無言でダンスを堪能した。

彼は退屈では無いのだろうか?何も話さないのは変だ。意地悪し過ぎたか?


彼が無口なのだと告げると、意外な事を言う。

一言謝り、つまらないですよねと告げた。何故謝るのか?不思議で仕方が無かった。だから、否定したのだ。


彼は言う。


「僕はこういう時、何を話せばいいか分からないんです。女性と話す機会もありませんでしたし、こんなに触れあって・・・あ、すいません。不謹慎でしたね」


照れるハオくんに、私はドキッとした。

可愛い。こんな表情をするのだと。大抵の男ならば、こういう時は相手を誉めて、誉めて、誉めまくる。見惚れていたとか、都合の良い事を言ってしまうのに。


私の方が羞じらいを感じてしまう。

ハオくんは貴族とは違い、平民だと言う。だが、この慣れている対応は何だ?身分の違い過ぎる相手にも気後れしない。マチルダ様とダンスの練習をしていたのか?それでも、この違和感は拭い去る事は出来なかった。


私は問う。

夜会への参加は初めてなのかと。すると、意外な答えが。ダンスでは、愛を囁くと教えられたらしい。だから、私は皮肉を込めて言った。


「ふふふ。ハオくんも私に囁いてくれますの?」


彼は首を振った。勿体無いからしないと。


私は動揺した。

再び問う。何故?


「はい。こんな素敵な時間を、有意義に過ごす。ですから、ファリス様の事を聞きたいです。そして知りたい。どんな所で生まれ、どんな風に育ち、どんな事を学んだのか?を」


私の事を聞きたい?

意外な答えに私は震えた。心臓がバクバクと鼓動する。普通ならば、相手を誉める。そして愛を囁き、外へと誘うのだ。

だが、私の生まれた場所で、どんな風に育ち、何を学んだのかと聞いた男は今まで一度も居なかった。


動揺を隠し、私は自分を語っても面白くないと伝えた。

それはハオくんには意味の無い事だと思ったからだ。


「つまらなくありません!ファリス様!お願いします!どうしても知りたいんです!この瞬間を大切にしたいので!」


心臓が撃たれる!

鼓動は高鳴り、ズキズキと痛む。ギュッと手で握られている気分だ!だが、嫌では決して無い。この瞬間を私も大切にしたいと思ったからだ。


自分でも分かっている。

私は性格がキツイのだ。思った事を口にする。だから、相手に刺さり離れて行くのだ。口は災い元だと言うが、まさにその通りだと思う。


だから、私は自分が嫌になるのだ。


「私はもう19になります。行き遅れのですよ。こんな女を口説いても、良い事はありませんよ?もっと、若い───」


「そんな事はありません!僕の国では30でも行き遅れではありませんから!女性は20まで成長します!まだ1年今よりも美しくなれるじゃあ、ありませんか!今までお会いした男性は見る目が無かっただけです!ファリス様!自信をお持ち下さい!!」


「・・・」


「そ、それに、そんなに気負いされるなら、僕がお嫁にもら・・・あ、いえ!すいません!聞かなかった事にして下さい!」


「………ハオ」ズキューン!


「ごめんなさい!調子に乗り過ぎたみたいです!あはははは」


ああ、残念で仕方が無い。

あの続きを言って欲しかったのだ。


だから、私はハオくんに知ってもらおう。

ブルタニア領地で生まれ、大きな湖のある喉かな大地で、ワイン作りを学んだ事を。


「───なのですよ!」


「行ってみたいです!

大きな湖では、どんな魚が取れるのでしょうか?」


「そんな事、考えた事も御座いませんわ。

でも、今度調べておきますね♪」


「湖かぁ!ボートに乗ったら楽しいだろうなぁ」


「では、今度ご一緒に如何ですか?」


「是非!行きたいです!」


「あは♪楽しいですわ♪」


音楽が止まり、ダンスの終了を告げる。

楽しい時間はあっという間だ。だけど、約束を1つ取り付けた。今はそれでいい。


「ファリス様、楽しい時間をありがとうございました!」


「いえ、私の方こそ!」


ワインを受け取ると、一気に飲み干した!

誰にも見えない角度でだ。だが、ただ一人だけは、それを見逃さない。


「お嬢様!おはしたない!」


「うふふ!気分がいいの!ねぇ、ロバート」


「何でしょうか?お嬢様」


「ハオくんが欲しいの。ねぇ、彼の事、調べて」


「・・・畏まりました」


「ああ!今日は久しぶりに良く寝れそうだわ♪」


風が気持ち良く頬をすり抜ける。

少し赤く火照った体を、冷ますには丁度良い。いつかこの火照りを癒してくれるならば、と。

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