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神様!お願いします!  作者: ハロ
三章 生きるか死ぬか
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38話 神様!夜会へ参加しました!1

僕は緊張していた。

これから貴族や皇族がいる夜会へ参加する。夜会とはバイキング形式で豪華な食べ物を食べ、お酒を楽しむ。後ろでは音楽が流れ、ダンスを楽しむ所である。


平たくいえば貴族、皇族の見栄の張り合い。税金の無駄遣いである。


まぁ、それが切っ掛けで縁談が結ばれる事もあるので、一概に無駄とは言えないけどね。


貴族、皇族といえど、知らない相手とは話しをしない。なので、紹介が必要となる。これは暗黙の決まりなのだ。


がっついていると思われる。

それはつまり、自分の価値を下げる行為と思う様だ。プライドが高く、気高い気品のある人物だと思うかもしれない。だが、それは間違いで、生まれた時から彼ら、彼女らはそういう教育を施されてきた。だから、自ずとそう振る舞っているのだろう。


「ハオ」


「はい。マチルダ様」


マチルダ様の手を取る。

エスコートするのだ。これは僕の役目である。今日のこの日の為に、服を新調した。タキシードを着るのは初めてだ。特別にオーダーした僕だけの。


デザインは僕がして、マチルダ様に購入して頂いた。勿論、白い手袋も忘れない。ダンスを踊る時は外す。これはシュークリームを配る時に使うのだ。


「では、行きましょう♪」


マチルダ様は笑った。

この余裕は凄いなぁと思う。流石、皇族という事なのだろうか。僕はこんなに心臓がバクバクしているのに。


扉を開け、中に入る。

もう既に沢山の人が居た。食事をしながら雑談していたり、ダンスを踊っていたりしている。異様な光景に圧倒されるのだ。


雰囲気に飲ませる。

ゴクリと喉を鳴らした。飲まれるな!僕は呼吸を整える。マチルダ様がミッシェル様に挨拶されるのだ。


「あら、ようこそお越しくださいました」


「お招きありがとう。ミッシェル様」


ミッシェル様とマチルダ様は軽く挨拶を交わし、僕の方を見るのだ。品定めされている気分となる。タキシードはここでは浮いているのだ。何て評価されるのだろう?とりあえず挨拶しなくては。


「よく来て下さいました。ハオさん」


「ミッシェル様、本日はお招き誠にありがとうございます。こんな平民の僕がこうして無下にされないのも、ミッシェル様のお陰です」


「お気になさらなくても、結構ですわ」


「お気遣いありがとうございます。この間、頂戴したバニラビーンズでお菓子を作って参りました。後程、お出ししても?」


「まぁ!いいでしょう!私も楽しみですわ」


「有り難き幸せ」


マチルダ様が何か言いたげだ。

もしかして、不手際があるのか?挨拶はしたし、この間の礼もした。お菓子を出す許可もしたし、何かあるのか?


「ハオ、こういう時は、まず相手を見て言うのです」


「え!?」


うーん。見るか。

そして言う。何を?思った事を言えばいいのか?


「ミッシェル様、とても可愛いと思います。ドレスもマッチしてますし、特に髪型がいつもと違ってますね。似合っていますよ」


「ハオ、"可愛い"はこの場合、誉め言葉ではありませんよ。子供に言う言葉です!」


「いえいえ、気におりませんから」


「そうなんですか。僕の国では、"可愛い"と"綺麗"は最上級の誉め言葉なので。申し訳御座いません」


ミッシェル様は俯いた。

はぁ、失敗したな、こりゃ。でも、お菓子で挽回のチャンスはある!


「マチルダ様、このお方を紹介して下さい」


「まぁ、お久しぶりです!わたくしの専属執事のハオですわ!ハオ、こちらがファリス様です」


「初めまして、ハオくん。ファリスと申します。ブルタニア領地のラフォーレ伯爵の娘ですわ」


「初めて、ファリス様。マチルダ様の執事を務めさせて頂いております。ハオと申します。あ、もう名前は紹介されましたね」


「うふふ。ハオくんは面白いお方ですね」


「そうなんですのよ。面白いだけでなく、頭もずば抜けておりますわ。料理も作ってくれますし、ね」


え?あれが料理なのか?

フレンチトーストとシュークリームくらいしか作っていないのに、いつも用意している事になってるし。まぁ、ハンバーグとかコロッケとかその内、作ればいいか。


「まぁ、私も食べてみたいですね」


「それは丁度、良かったです!

今日はハオが作ったお菓子を配りますから」


「楽しみですね♪」


流されてる。

ここは無人島か?ヤシの木が1本。僕は頑張って、木に登らなくてはならないらしい。そんな気分だ。


「では、ダンスのお相手をしてくれませんか?」


ファリス様が手を差し出す。

断る事は出来ない!そんな事になれば、マチルダ様の執事は史上最低の烙印を押されるだろう。


「ハオ、この間のわたくしに言った囁きは、絶対にダメですからね!」


マチルダ様に口説くなと釘を刺される。

僕は笑うしかなかった。誉めると口説くの違いが分からない。だから、思った事を言えばいいか。そうしよう。


「ファリス様、光栄です」


ファリス様の手を取る。

ダンス広場に移動すると、音楽に合わせ踊りだす。


身長は160センチ。とても綺麗なお姉さんという感じだ。髪はまとめられ、長いのだろう。金髪が特徴的だ。ドレスは淡い青色で、気品に溢れている。貴族でも、位の高さが伺えた。胸元を見ると、谷間が強調され僕は圧倒される。見るな!見てはならない!でも、見たい!


「ダンスお上手ですね」


「ありがとうございます。ファリス様」


無言でダンスを踊る。

女の子と話す機会等、殆ど無かった。だから、こういう時はナニヲ話せばいいか分からない。正解の無い答えを探す。


「ハオくんは無口ですね」


「すいません。つまらないですよね」


「そんな事はありません」


「僕はこういう時、何を話せばいいか分からないんです。女性と話す機会もありませんでしたし、こんなに触れあって・・・あ、すいません。不謹慎でしたね」


「そうですか。では、夜会にも初めて?」


「そうです。男は何を話すんですかと、聞いたのですが、愛を囁くらしいんです。僕はそれが苦手で」


「ふふふ。ハオくんも私に囁いてくれますの?」


「いいえ。それは勿体無いので、しません」


「勿体無い?」


「はい。こんな素敵な時間を、有意義に過ごす。ですから、ファリス様の事を聞きたいです。そして知りたい。どんな所で生まれ、どんな風に育ち、どんな事を学んだのか?を」


「私の事を話しても、つまらないと思いますけど?」


「つまらなくありません!ファリス様!お願いします!どうしても知りたいんです!この瞬間を大切にしたいので!」



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