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神様!お願いします!  作者: ハロ
三章 生きるか死ぬか
38/80

37話 神様!準備は必要です!

僕は厨房で唸っていた。

シュークリームに必要なモノは何かを。


この異世界では、牛乳、卵、砂糖、塩は手に入る。だが、バターだけは難しい。なので、何種類かの牛のミルクを手に入れた。


遠心分離機は無い。

だから、協力者は要請した。勿論、サラさんしか適任者はいない。何故ならば、彼女は美味しいデザートには、どんな労力も厭わない女性(ひと)なのだから。


「フレンチトーストの100倍美味しいから手伝って」


「ハオっち!私はやるよ!」


簡単だった。


魔法は危ないので、身体強化で回転させ、牛乳からバターの成分となる部分を、分離させる事から始める。


30分経過する。

上澄みの牛乳を掬い、それを加工するのだ。


サラさんには、再び牛乳を回転させ、分離作業をしてもらう。脂質が必要なんだよ。だから、牛の種類によっては、バターを生成出来ない。


5種類の牛乳を遠心力で分離させ、バターの作成に取り掛かる。ヒットしたのは、3種類だった。これならば、バターと生クリームが作れる!僕は嬉しくて堪らなかった。


「サラさん、小麦粉、砂糖、塩、バニラビーンズ、卵黄、牛乳を用意して下さい。それと、さっき作ったバターも」


それを適当に混ぜる。

これでカスタードクリームの完成だ。


続いて、生地を捏ねる。

小麦粉、卵、牛乳、塩、バターを混ぜ、平べったく伸ばす。焼いた時に、膨らむ様にだ。


オーブンに入れ、生地を焼く。

手空きに、ホイップクリームを作る。シュークリームといえば2層のが一番美味しいからね!


※ホイップクリームは生クリームを必要としません。


「ハオっち!それ何!何!」


僕はスプーンで掬い、サラさんの口に運ぶ。


「ん~♪何これ!?美味しい♪」


「ホイップクリームですよ」


「ねぇ、ねぇ、ハオっち!これ頂戴よぉ!」


僕はカスタードクリームとホイップクリームを合わせ、それを渡す。サラさんは嬉しそうに口に運んだ。


「はぅ♥し、あ、わ、せ♪」


「はぁ、この程度で、美味しいとか無しですよ」


「これ以上がある………の?」


「ええ。点数で言えば65点くらいですね。まだまだ美味しいお菓子は沢山ありますから」


「ゴクリ!」


「では、これの仕込みしましょう」


「ハオっち………これは美味しい、の?」


「そうですね。90点くらいかと」


サラさんは僕に抱き付く!

美味しんぼうなだ!でも、僕も嬉しい!サラさんは可愛いし、柔らかな感触が堪らん!ぐへへへ。


「ハオっち!もう離さない♥」


「ちょ!作れませんよ!」


「それは困る!でも、離れたくない!食べさせて♪」


「無~理~!!」


あげたら、盗まれる危険を感じたので、夜会までお預けだ。うふふ!貴族達よ!目にモノを見せてくれようぞ!


シュークリームを100個用意し、明日の夜会へ準備は整った。さぁ、やるぞ!でも、その前にシュークリームを3つ持って行く。


勿論、マチルダ様へのサプライズだ。


コンコン。


「失礼します!ハオです」


「どうぞ」


「マチルダ様、お夜食に甘い物は如何でしょうか?」


「まぁ、パンですか?」


「どうぞ」


マチルダ様はパンと勘違いされた。

シュークリームの存在は誰にも教えていない。僕は冷静さを装い、マチルダ様に手渡す。勿論、皿に乗せてだ。


「では、頂きます。はむ………!?」


「お口に合いましたでしょうか?」


「こ、こんなの初めて♥何て素晴らしい味わいなのです!?甘くてしっとりとして、ネットリとした舌触りは!白いクリームと黄色いクリームが混ざり合い、お互いが美味しさを引き立てていますわ!はぁ♥この生地の心地良さ!軽くて、しっとりとして、口の中で無くなる感触!まさに奇跡!」


「お気に召されて光栄です」


「今までどんな料理人も、ハオには敵いませんわ!」


「それは言い過ぎです。マチルダ様」


「ハオは謙遜し過ぎです!」


「これを夜会に出しても良いでしょうか?」


「え!?・・・それは名案です!いくつ用意しました?」


「100個程」


「足りないかもしれませんね・・・この美味しさですから」


「ご安心を。これもご用意しました」


「こ、これは?」


「これは更なる楽園に導かれるモノです」


「そ、そんなに、も・・・パクリ………ん♪んん♥はぁん♪」


「如何でしょうか?」


「んん~♥ダメですわ!ああん♪こ、こんなデザートがこの世に存在したなんて♥もっと♪もっとですわ♥ハオ!んんぁ♥」


「夜会楽しみですね」


「はぁ、はぁ、はぁ。………お代わり………ハオ………」


「畏まりました」


こうして、夜会への準備は整った。

誰にも笑わせはしない!僕はそう決意するのであった。

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