35話 神様!秘密にしておいて下さい!
この話は短目です。
僕の文章力の無さですね。追加してこれですから。
マチルダは泣いていた。
ミネアとハオのダンスを目撃したからではない。
ハオの月の話【岩石姫】を聴いたからだ。
言い伝えや、伝説は各地に存在する。しかし、月をモチーフにした話等、無かったのだ。
驚いた!
そして、感動したのである。憧れる気持ちを抑えきれない。一刻も早くハオと話したい!
が、それは叶わなかった。
ハオはミネアにキスを願ったのだ。何だろう?このもやっとした気持ちは?決して拭えない、この感覚にマチルダは震えた。
ハオがおおはしゃぎする。
そして、あろう事か、手を繋いでいるではないか!
ダンスをするのは仕方ない。
練習して貰わなくては困る。だけど、そこには自分が居ないのだ。止まっていた涙が頬を伝う。
何故、彼処に居ない?
何故、手を繋いでいない?
何故?何故?そう自問自答する。答えは分かっているのに。
ハオとの距離を置いているのは自分なのだ。身分が違い過ぎる。わたくしは国王陛下の娘、継承権第12番目のマチルダ・クロスロード。
皇族と平民が結婚する事は出来ない。
それを歯痒く思う。けれど、それは仕方ない事なのだ。自分は政治のコマでしかない。馬の骨も知らない馬鹿貴族に、嫁げと言われれば行くしか無いのである。
ハオならどうするだろう?
彼が貴族ならば、断れるか?多分、自分の言いたい事、したい事が言えると思う。
わたくしはハオになりたい。
でも、それは出来ない事なのだ。そう諦めるしか手立ては思い付かない。
ミネアとハオのダンスを見つめる。
思い出す。ハオがわたくしの誘いを断った事を。
「わたくしとエッチしなさい!」
「ごめんなさい!好きな人としか出来ません!」
本当にそうなのだろうか?
崩落させれば、素直にエッチしてしまうのでは?
わたくしは嫌な女だと思う。
人を試す。そんな馬鹿げた事をこれからするのだと。いけない!そんな事を考えては!負の感情に飲み込まれながら、マチルダは耐える。
「ハオ、ハオ!ハオ!!」
マチルダは無意識にスカートに手を伸ばす。クチュ、クチュと音を立て、ハオを見つめた。これがいけない行為だと分かっていても。自分を慰めるしか、この思いを紛らわす事は出来なかったのだ。
次の日、ハオはダンスが上達していた。
格段に違いがハッキリと解る。一晩で好くなる訳ではない。毎日の成果が現れたからだ。でも、明らかにやる気が違う。ご褒美のキスが欲しいらしい。
わたくしの唇ならば、いくらでも差し上げても良いのに………マチルダはハオとのキスを想像する。唇を右手の人差し指で触れた。
まだマチルダには自覚が無いようだ。
ハオを目線で追いかける。そして、ダンスを教えている時の肌の触れ合いに。
「今日はここまでですわ」
「ありがとうございます!」
「かなり上達しましたのでぇ、練習は本日で終わりにしますかぁ?」
「嫌です!!絶対に!!!」
マチルダは怒鳴った!
人生で初めてでかもしれない。フローラはビックリして、泣き出す。それを見たマチルダは慌てて、フローラを慰めるのだ。
「泣かないで。フローラ」
「ごめんなさいぃ。ごめんなさいですぅ。うぐ」
「わたくしのせいですわ。フローラ、謝らないで。ハオ、少し外してくれませんか?」
「はい。わ、分かりました」
フローラには説明しよう。
昨日合った出来事を。そして、崩落するのを手伝って貰う為に。




