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神様!お願いします!  作者: ハロ
三章 生きるか死ぬか
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28話 神様!異世界で初デートです!後編

すっかり太陽も真上から降りてきた。

昼を過ぎているな。僕は背負ったバケットを降ろす。中からシートを取り出し、広げた。二人には大きいが、そんな事は気にしない。弁当を真ん中に置いて、紅茶を入れる。


「ミネアさん、どうぞ」


「………うん。………ありがと」


くぅ!可愛いぞ!

普段はボーイッシュだが、こんな姿は滅多に見られない!超可愛い!俯き加減で、目線は反らされているのが解る。


「今日はいい天気ですね」


「………うん」


会話が続かない。

これはこれで困る。僕は恋愛経験が豊富では無いのだ。気の効いた台詞が思い付かない。そういや、夜会とかのダンスの時は、何を話しているのだろう?不思議だ。


「ハオ………美味しい」


「あ、ありがとうございます」


「お礼を言うのは、こっちの方だよ」


目と目が合う。

こんな時はイケメンならば、何て言うのだ?はぁ、だから僕はモテないんだよな。溜め息を付く。


(やっぱり怒ってるのかな?僕が部屋で待ってなかった事………どうしよう)


「あの………」「ハオ………」


気まずい雰囲気が流れる。


「美味しい………ですか?」


「………うん」


かぁ!僕は何を言ってるんだ!?さっきミネアさんに美味しいって言って貰っただろが!!どうする!他に何かあるだろ!!


「ここにはよく来るんですか?」


「………そうだね。ここは僕のお気に入りなんだ」


やった!繋がったよ!

よし!では、次の言葉を………ぐあ!思い付かねぇ!!誰か!誰かデートマニュアル下さい!


「………怒らないんだ」


「え?」


「いつもと………対応が…………………違うし」


「僕はいつも怒ってますかね?」


「僕に対して………扱いが………あっ、でも、優しい、と思う」


扱いが悪いのに優しいだと!?

僕はどう思われてるんだ?はぁ、恋愛経験が低い僕には解らん。


「川の流れるせせらぎがとても心地良いです」


「ハオは頭が良いのか悪いのか解んない」


「それ貶してる?それとも馬鹿にしてる?」


「あはは!いつものハオに戻った!」


誤魔化す様に、僕は紅茶を口にする。

今日はおにぎりを作った。海苔が無いので裸だけどね。ママ!裸じゃ嫌!・・・これ分かる人は僕と同年代だろう。


米は流通量が少ない。

水に左右されるからだ。この異世界でも干ばつ被害は少なくない。水の確保は非常に大切な事だ。地面を掘る事が無いので、川の近くが発展していく。


「これ何ていう食べ物なの?」


「僕の国の国民食で、おにぎり、と言います」


「へー、ハオの国のかぁ」


「これでも再現出来て無いんですよ。30点くらいかな?」


米の質が良くない。

安定供給出来てないのだから、仕方無いだろう。でも、それが原因では無い。品種改良された日本の米は、最高レベルと言って良いだろう。基準が違い過ぎるのだ。タイ米やアメリカ産の米よりも、遥かに劣る。


「僕はハオの事は、何も知らないな」


「それは僕も同じですよ。ミネアさんの事、全然知らないし………年が幾つかも………」


「女の子に年齢を聞くんじゃない!」


「ですよねー」


僕は頭を掻く。


「……17」


「はい?」


「僕は17だよ!全く!」


「1こ上ですね」


ミネアさんは不意に立ち上がる。

そして、手を差し出した。僕はそれを掴み、立ち上がる。


「散歩日和だから、少し歩こう」


「案内お願いしますね」


ミネアさんと手を繋いだまま、川沿いを歩く。

自然と顔がニヤけてしまう。はぁ、女の子とこうして、手を繋ぐのは何時ぶりだろう?10年ぶりか?嫁はノーカンにして、11年ぶりだな!こりゃ。


ドキドキが堪らない。

このエッチするまでの工程が最高なんだよな。いつしか忘れてしまう、この瞬間に僕は酔いしれた。キスの1つでも出来れば、後はいう事ないだろうがね。この時間を大切に思う。僕はそう感じたのだ。


次の日、マチルダ様から呼び出される。


「ハオ、昨日は何をしていましたか?」


「え!?昨日は………休暇をエンジョイしておりました」


「ほぅ。一人で、ですか?」


僕はミネアさんを見る!

ミネアさんは左右に首を振ると、口を継ぐんだ!


「誰と一緒だったの、ですか?」


「み、ミネアさん、と、です!」


マチルダ様がミネアさんの方へ体の向きを変えた。

ミネアさんが口パクで言っている。「裏切り者!」僕にはどうしようも無い。


「それでねぇ。ハオはお弁当を持ってましたねぇ」


「ひぃ!?」


フローラさん!それも言ってしまう!?


「詳しく聞きたいですね♪」


顔は笑ってるけど、目が笑ってない!

マチルダ様!怖いです!


「ミネア、最初からお話してね?」


「さ、さ、最初ですか?え?」


「ええ!お誘いの所から♪」


「ま、マチルダ様!どうか!ご勘弁を!!」


「ハオ!」


「ひっ!?」


「どうやって、デートに誘ったか実演お願いしますよ?」


こうして、昨日の話を実演して、報告する事になった!

人生で5番目に恥ずかしい出来事が更新されたのだ。


「最初からもう一度、頼みますわ♪」


僕はもう二度と、マチルダ様に隠し事をしないと誓った。

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